野坂昭如リターンズ〈1〉真夜中のマリア・てろてろ

著者 :
  • 国書刊行会
3.85
  • (4)
  • (3)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 44
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336044518

作品紹介・あらすじ

スカトロジスト・ビン、オナニスト新吉、酒乱の禅介。殺人こそが他者との対話の究極の形と信ずるたちの荒唐無稽の行動の彼方に、現代文明や風俗に対する確かな批評感覚を浮かび上がらせた痛快テロ小説『てろてろ』に、17歳の少年カンとその仲間たちの奇想天外な性の意識を独特の語りで描く『真夜中のマリア』をカップリング。70年前後の「気分」を小説世界に見事に定着させた2本立て。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 是非一度は読んでいただきたい衝撃作:てろてろ

    読み始めはヘンテコな人達がヘンテコなことをしているなぁと楽しく思っていましたが、読み進むにつれてその個性の強烈さにゾッとさせられてしまいました。登場人物たちの個性と言ったらそれは生半可なものではなくて、もし現実に自分の側に居たら少し怖くなってしまうくらいなのですが、妙にコミカルに描かれています。そのため実は異常な世界なのに不思議と何の抵抗もなくサラサラと読み進められます。

    ただ後半、彼らが一致団結して目指したものとその結末にはえー?!と目を丸くするしかありません。その描写はとても生々しくグロテスクでものすごいです。私は忘れられません。

    衝撃度はピカイチ、読みやすさもピカイチです。
    刺激の足りない日常からの現実逃避にもぴったりかと思います。

  • 他に誰がこれを書ける?唯一無二の時代の落とし子。

  • クセがありすぎるハンサム祭なリターンズ1巻。「てろてろ」のどーしようもない連中が愛おしい。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

野坂昭如

一九三〇年(昭和五)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。四五年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、五七年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、六三年「エロ事師たち」で作家デビュー。六八年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞を、九七年『同心円』で吉川英治文学賞を、二〇〇二年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。そのほか『骨餓身峠死人葛』『戦争童話集』『一九四五・夏・神戸』など多くの著書がある。二〇一〇年(平成二十七)死去。

「2020年 『「終戦日記」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野坂昭如の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×