ジーヴスの帰還 (ウッドハウス・コレクション)

  • 国書刊行会
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本棚登録 : 149
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336051394

作品紹介・あらすじ

雨どいを滑り降りている時が一番幸せというバーティーはまたもや雨どいを滑り降りることに!?傑作短編2編も収録した、シリーズ第10弾。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作の長編が1つと短編が2つ収められたボリュームたっぷりな1冊。

    ダリア叔母さんから招集がかかり、ブリンクレイ・コートへ赴くことになったバーティー。
    そこに集う面々は、自由奔放な美少女ボビー・ウィッカム嬢に、グロソップ御大、バーティーと因縁のあるオーブリー・アップジョン元校長などなど…。
    学生時代の盟友であり、雑誌の編集者をしているキッパーはアップジョン元校長の著書をこきおろす書評を書いたと意気揚々と語っていますが、なんだか悪い予感しかしない…
    そこにトドメのように飛び込んできたのは、バーティーの身に覚えのないボビー・ウィッカム嬢との婚約の記事。
    容赦なく噴出する事態にバーティーがいかに翻弄されるか、そして窮地に立たされたご主人様をジーヴスがいかにして救い出すのか、今回もわくわくしながら読みました。

    読み始めてすぐに「おや?」と思っていたバーティーとグロソップ御大の関係については、訳者あとがきで触れられていて納得。
    曰く「ウッドハウスの作品世界においては、時間は縦にも横にも伸び縮みする上、以前のできごとは後には簡単になかったことにされてしまうのだ」とのこと。
    そのおおらかさがやっぱりウッドハウスだなぁ。

  • バーティーが散々な目に合わされるのは常の事として、今回はその中でも同情的・共感的立場に立ってくれる人が多く、ホッコリする話だった。
    ジーヴスシリーズはどれも大好きだが、バーティーが周りに愛されているのを見るとやはり心温まるような嬉しさがある。

  • コレクション第10弾。短編2編も収録。

  •  
    ── ウッドハウス/森村 たまき・訳《ジーヴスの帰還 20090812 国書刊行会》0801
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4336051399
     
    “Wodehouse Collection”ISBN 978-4-336-05139-4 / Cコード 0097
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19750214
     若旦那と執事 ~ ジーヴス&バーティー ~
     
     ジーヴス、いざ鎌倉!! 休暇中のジーヴスに代わって、バーティー
    が事件解決に乗り出すが? 短篇2編併録。
     
    (20181023)
     

  • おまけの短編も楽しい。

  • 「ジーヴスの事件簿」とダブっているものがあるのね。

  • ひさしぶりにジーヴス・シリーズ。

    今回はいきなりジーヴスは休暇でいなくなるようだ。
    バーティーはアガサ叔母のところで、再び登場の歩く災害ロバータ(ボビー)と会わなくてはいけないらしい。
    そのうえさらに バーティーが「疫病神の王者」と呼ぶ、かつて収容されていた私立学校の運営者オーブリー・アップジョンと出会わなくてはならないらしい。
    タダじゃすみそうにない。

    題名が「~帰還」なので最後は戻ってきたジーヴスがうまく処理してくれるのだろうが、またとんでもない災厄がたくさん自業自得のバーティーに降りかかり続けそうだ。

    心落ち着いたときに楽しく読みたいものだけど、図書館の貸出期間中、あと一週間、あわただしい気分の中で読まなくてはならないのが、もったいない。

    グロ執事登場。
    役所広司さんふうに「な、何を考えてるんだ、あんたは」と言いたい。

    細かな会話に過去に読んださまざまが走馬灯のように駆け巡り、つい「くすっ」となる。

    で、なんとかかんとか読み終わりました。

    解決がちょっとあっけなかったような気もします。
    バーティーには(いつもどおり)気の毒なようでもあります。
    みんなバーティーにはもっと感謝しないといけないのでは?

    今回は、他に二つばかし短編も入っています。

    (2010年12月27日読了)

  • 長編「ジーヴスの帰還」はジーヴスの活躍があまりなくややマンネリぎみ。短編2作のうちの1作はボビー・ウィッカムが主人公でウースターやジーヴスは登場しないが、彼らがいたら「女ってやつは!」と言ったに違いない。

  • 最後の短編をずっと読んでいなかったのですが
    最近読み終えたので。
    最後のは、ジーヴスコンビが出てこないお話なのですよね。
    でもボビー嬢が意外と知略を働かせていておもしろかったです。
    斜め後ろの被害がこないところで見ていたいお方です。

    例のポプラのまねを繰り返すバーディおぼっちゃまが
    いとおしくてならない、です…^^!
    5月下旬には新刊が出るそうです。
    >ジーヴスものの長篇1編と、他3編の短篇を収録。
    ということなので、他3篇はジーヴスものではないのかな…?
    なんにせよ楽しみです^^

  • 読み始めたばかり。
    しょっぱなからジーヴスなしで難題に挑まなくてはならなくなったバーティーが相変わらず首までスープに浸かってる姿が楽しい。
    ちょっと文章が冗長になってきてる気がする。
    中盤から最後にかけては楽しくなってくる。

  • in the offingという原題の意味を知って、嬉しくなった。
    次作が待ち遠しい。

  • 遊んで暮らせる身分の青年バーティーと、彼の執事(紳士お側付きの紳士)ジーヴスの話。

    今回はあまりジーヴスの出番なし。ボビー・ウィカムは割りとやりたい放題のキャラクター。それにしても勝手に結婚の告知を新聞に出されたり池に落ちたり、バーティはついてない。
    同時収録の「ジーヴスとギトギト男」は、詐欺にひっかりそうだったバーティをジーヴスが救う短編。もう一つの収録は三人称の短編。ボビーが、降ってわいた結婚話をぶち壊す話。ジーヴスもバーティも出てこないけど、結構面白かった。

  • 読んでいる間中、もぞもぞくすぐられているようなおかしさが全身に漂っていました。聖書、シェイクスピア、有名詩からの引用がふんだんでそこも楽しめるし、話そのものもパターンは決まっていて「恋の鞘当てと取り違いと誤解の生む悲喜劇」なのですが、読んでいて笑いの中で幸せな気分になれました。特に激烈娘(好き!)ボビーの突っ走りぶり、グロソップ活躍ぶりに酩酊しました。章のラストにいつも驚きがあって、次にどうなるんだろうというわくわくが。ジーヴスの賢さはそれはもう健在で!(ウシ型クリーマー探しの姿とずぶぬれ事件に大爆笑)

  • 長編の「ジーヴスの帰還」のほか短編「ジーヴスとギトギト男」「ポッター氏の安静療法」が入っている。「ギトギト男」が面白かった。ジーヴスの難題解決策は今回は納得のいくもので、読後感も爽快だ。ダリア叔母さんの演技もなかなか。「帰還」の法は相変わらず気楽な若様達の恋のすれ違いどたばた劇。マンネリだけど夏の英国のカントリーハウスに滞在する雰囲気を楽しむと思えばいいのさ。 今回の収穫はしゃがれ声になってしまったレディー・ウィッカムがタルーラ・バンクヘッドに例えられていることだった。カニグスバーグの作品「エリコの丘から」のタルーラのモデルとされている女優だ。この奥様の話し方からすると(「ポッター氏の安静療法」には元気な彼女がでてくる)小島訳のタルーラは合わないなと思った。あたし旧訳の方を買っちまったんだよな。

  •  2009年8月26日購入

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