釘食い男

  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336051790

作品紹介・あらすじ

ギリシアの島ケファリニアの燦々たる太陽のもとに送られてきた、フランソワ・ラブレーの相棒マンジュクルー。ユダヤ人瘋癲五人男が繰り広げる一大滑稽譚。

感想・レビュー・書評

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  • 世界は広い。作者の出身はコルフ島(オスマントルコ国籍)。ギリシャの島に存在するケファリニアというユダヤ人ゲットーが舞台。益荒男と呼ばれる男達の話だが。楽しそうな雰囲気だが。わさわさしている感じで、何が書いてあるのか話の筋はよくわからない。
    書かれたのは1938年でその後にホロコーストなどが起き、ユダヤ人のために尽力を尽くした人物(作者)らしい。色々な国の人達が出てきたり、ユダヤ人の生活ぶりが書かれるが自分が全然読み取れなかった。余りに長いし、別にこのままわからなくていっか、と思わせる緩い文章ではある。

  • いきなりこの部分を訳出するって国書刊行会、読者を困らせる。終わりの方で主要人物も変わるし。疑問だらけで読み終わってしまった。
    この過剰な装飾の文体や会話は、ユダヤ系作家の特有なんだろうか。五人組のユダヤ人もドゥーム家の人々も吝嗇な俗物ばかり。ソラルが何を考えているかも分からず。続編を読まねば、この作品だけでは理解に及ばないのだろうが、これでさえ苦労したのに、もっと長い続編には手を出す気は起きない。
    マンジュクルーの『アンナ・カレーニナ』論、恋愛小説論は良かったよ。

  • ジャケットのデザインが気に入りました

  • 本来、同じ著者の作『選ばれた女』の一部だったが、あまりに長過ぎたため独立した作品として切り離された、という出自を持つ本。

    ユーモア小説である。田舎モンのユダヤ人5人組が繰り広げる滑稽譚。
    この「田舎モンのユダヤ人」ってところが、この本のほぼすべてで、笑いの視点は常に弱者からの目線。自虐的な笑いである。
    もちろん登場人物たちはそれを意図してはいないのであるが、もう全面的にユダヤ人の悲哀を漂わせていて、むしろこれを読んで気分よく笑ったら問題な気さえする。

    というわけで、あまり笑いの種類としては得意ではなかった。

    そもそもが断章と言う性質も手伝って、一切オチが用意されていないのもツラいところ。

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著者プロフィール

1895年、コルフ島に生まれる。5歳で両親と共にマルセイユに移住。ジュネーヴ大学法学部で学ぶ。1919年、スイス国籍取得(それまではオスマン=トルコ国籍)。フロイト等が編集委員に連なる雑誌「ラ・ルヴュー・ジュイヴ」の編集に携わり、1925年1月第1号を発行、シオニズムの大義の鼓吹者となる。小説「ソラル」(1930)、「釘食い男」(1938)で名声を博する。1939年、ユダヤ機関の政治局顧問となり、パリで政治に外交に手腕を発揮するが、大戦勃発と共にロンドンに逃れ、ユダヤ機関の代表として各国の亡命政府とナチスから逃れてきたユダヤ人との協力関係樹立に重要な役割を果たす。

「2020年 『おお、あなた方人間、兄弟たちよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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