ミステリウム

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制作 : 増田 まもる 
  • 国書刊行会 (2011年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336053183

ミステリウムの感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    今までにあまり読んだことのないような空気を感じた。

    スコットランドが舞台とされているようだが、実在しない架空の世界に紛れ込んだような違和感がつきまとう。なんというか、終始けむにまかれているような居心地の悪さを感じながらも次のページが気になって仕方がない。

    核心の謎解きも嫌いじゃない。ハッピーエンドでもなければバッドエンドでもないアンニュイさがあと引く。

    心地悪さと心地良さの間で揺れながら読む一冊。
    著者の他作品も読んでみよっと。

  • エリック・マコーマック氏の小説「ミステリウム」を読了。
    ミステリーの要素はあるがいくつかの謎は解き明かされたかに見えるが最後にはその解き明かしも真実ではないと暗示される。物語では事件が解決に向かうようでジャーナリストである主人公はその事件に関しての著作を出す事を断念してしまう。なぜなら真実という物が全く見えなくなってしまったからだ。著者はこの著作でこの世の中には実は真実というものはなく確実な意味などない、そこに真実を見いだそうとし意味を与えようとするのは人間の業ではないかとわれわれに語りかけているように読めたがどうだろう。残念なのは翻訳物であるため文章の流れに乗るまでの少し時間がかかり一気にのめり込むのが難しいところだが、それも物語の展開の不思議さ、面白さが救っている。そんなミステリーの形を取りながらもそのうらには冷めた哲学がにじみ出てくる著作を読むBGMに選んだのはJacky Terassonの"Lover Man"

  • 面白かった!マコーマックは3冊目だけれど、いちばん読みやすくゾクゾクワクワク感がハンパなかった。霧におおわれた炭鉱町の叙景にまずツインピークスを想起、どよーんと歪んだ空気に忽ち惹き込まれた。アンチミステリの類だけれど物語の結構がしっかりあるからぐいぐい読ませる。信頼できない語り手だらけの中、唯一実直な青年マックスウェルを支柱として主人公に仕立てたのがミソで、霧の町の霧のような人々の幻想性に現実としての意識が一本釘刺している。真相解明されなくともモヤモヤすることなく着地できた。久々に物語に熱中した、大満足。

  • 読後、間違いなくモヤァっとする、そんな予感が初っ端からするが、少しでもそのモヤァを払いたくて、または、潜在的な気持ちとしてもっとモヤァっとしたくて(そうでなきゃマコーマックを読もうなんてきっとしない)、最初からまったく信用ならぬ語り手に疑いの気持ちを持ったまま、結局最後までついていってしまう。
    「因果応報」。最後の一文を読んで、なぜかそんな風に感じた真夜中のモヤァ。キャリックの丘は霧深かった。

  • 第2回(2012年度)受賞作 国内編 第8位

  • とある田舎町で起きた事件。それを巡る物語。オチが意外のように見えて直球だったので、すぐに分かってしまった。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.12.8読了

    面白いという本ではないですが、こういうの好きです。すごく雰囲気があって、読んでいると、霧の匂いが立ち込めてくるようです。

    文章自体は平易で、何だか、ずっと読んでいたくなるようですが、物語は難解で、謎解きが難しいというよりは、謎そのものが難しいのです。しかも、仕掛けが所々にしてあって、それに気付くと、他にもあるのではとか、読み込めていないのではと考えてしまい、余計、読み進め難くなってしまいます。そうして、広がったものも、物語とは直接関係なく、広い空間に置き去りにされた様な気になります。
    でも、あとがきを読むと、その状況を愉しむのが良いようです。
    その意味では、充分、愉しめました。

    小説を読むという、行為そのものを楽しめる本です。

    ちなみに、この出版社は、今までハズレがあんまり無いですね。別に関係者じゃないけど。

  • “「真実だって、とんま? 真実だって? 真実を語ることができるのは、おまえがあまりよく知らないときだけだ」”

    とある寂れた炭坑の町で正体不明の奇病がはやる。病におかされた人びとは身のうちを言葉で埋め尽くされたよう間断なくしゃべりつづけ、やがて死んでいく。未知の疫病か、災害か、あるいは個人の起こした犯罪か? 調査に乗り出した「私」は生き残りの住民たちにインタビューを試みるが、人びとの語る真実はおもわぬ方向へと転がり始め、やがて町全体の隠された物語へと踏み込んでいく……。

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    謎の病が流行し、戒厳令が敷かれ、町全体が死に絶えようとしている異様な状況において、しかしどこかお伽話めいた奇妙な浮遊感がただよう。前2作『隠し部屋を査察して』『パラダイス・モーテル』よりも夢とうつつのキワがはっきりしているように思えたが、だからこそ両方のあいだに立った「私」が最後にみちびきだす答えが印象に残る。

  • いまいち合いませんでした。原文がそうなのか翻訳の問題なのか読みにくくてしんどかった。終盤はストーリーで読み進められたけど「苦労して読んだ割には」という読後感。

  • 至福。これはパラダイス・モーテルも読まねばならない。村に蔓延する致死率100%の病がとにかく幻想的で恐ろしい。ミステリウム、ラテン語を少しかじった人間ならこの単語やアートという言葉から色々妄想して悶えるはず(笑)

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ミステリウムの作品紹介

小さな炭坑町に水文学者を名乗る男がやってくる。だが、町の薬剤師の手記には、戦死者の記念碑や墓石がおぞましい形で破壊され、殺人事件が起こったと書かれていた。語り手である「私」は、行政官の命により、これらの事件を取材することを命ぜられるが、その頃、町は正体不明の奇病におかされ、全面的な報道管制が敷かれ、人々は次々に謎の死をとげていた。真実を突き止めようと様々な人物にインタビューをする「私」は、果たしてその真実を見つけることができるのか…。謎が謎を呼ぶ、不気味な奇想現代文学ミステリの傑作。

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