- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336056405
作品紹介・あらすじ
フランス革命前夜、ルイ15世治世下のパリ。不吉な天文現象がパリに災いが起きることを予告するなか、飢饉の波が押し寄せ、財務総監の無策に怒った民衆による反乱が勃発する。その時、突如巨大な鰐の姿をした怪物が姿を現し、瞬時のうちに反乱軍と正規軍を呑み込んでしまう。暴徒を操る怪物に対し、異能の才の持ち主エレアザールは、超自然的存在の助けを借り、超能力を駆使して、怪物と配下の精霊に戦いを挑む。怪物の正体とは? 怪物の目的とは? 魔術、笑劇、SF的発想をふんだんにちりばめながら、世界中の海、陸、地下、天上、そして古代ギリシアへのタイムトラベルまで、時空を超越する物語によって西洋近代批判を展開した、18世紀フランス最大の神秘思想家による奇書中の奇書。
感想・レビュー・書評
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想像以上に訳がわからないすごい作品でした。
パリに世界を支配するレベルの鰐が現れ、神秘の力?魔術?的なもので戦う…間にあらゆる学問についての論文を挟みながら…という、正直、睡眠導入剤でした。
訳わからなさが一周回って面白い作品でした。終盤、鰐のクロコディルの力を封じて魔術で攻撃するところはぐいぐい読めましたし。
「人間が己の本質的存在の維持、および上位の規則的能力の育成と成長について、いくら気を配っても配り足りないということ」は真理のひとつらしい。なんとなくがんばる。
第四十一篇および第七十篇は大変でした。「ドグラ・マグラ」の論文とチャカポコの方がましなのではないかと思うくらい錯乱しました。議長の「発言者、気を確かにお持ちなさい」は読者の総意です。
これが奇書というものか……よい経験でした。面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
18世紀フランスの神秘思想家が著した珍奇な作品。暴徒を操りパリの街を襲う巨大なワニの怪物と、相対する神秘学者たちとの戦いを描く。
啓蒙主義を揶揄した語り口はやたらと難解ではあるが、基本的にはバカっぽいSFとして読めたりします。