- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336056863
作品紹介・あらすじ
日本が原油の9割を依存するUAEに嫁いだ日本女性が、20年余の体験から知られざる湾岸中東生活を語る。<br>想像を超えた気候、迷信、宗教、人々の考え、生活習慣、女性など、子育てと地域活動から深く観察するエッセイ。
感想・レビュー・書評
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中身は面白いのに、装丁とか、本の作りで損してると思った。もったいない。最後のおばあちゃんの章とか、思わず泣きそうになった。「UAEに嫁ぐ」ってのを、あまちゃん的次元に落とし込んだら、こういう本も売れるんだろうなあ。
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漠然としか捉えていなかったイスラームの文化・宗教・慣習を細かいところまで、しかもあえて「日本人」としての目線を設けつつ解説・伝えてくれる。
ワタシ的に「ほぉ~」と感じたのは、
●ラマダーンのしくみや意義
●「四人妻」の真意
●「女性差別」と言われること
●子弟の教育 -
イスラム圏での生活は目から鱗というか完全に未知。同じ地球に生きていてもこうも考えることや価値観が違うのだなとしみじみ思った。特に自分の富幸せを分け与える喜捨という習慣はすごいなと今も心に残っている。
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読書録「アラブからこんにちは」3
著者 ハムダなおこ
出版 国書刊行会
p43より引用
“ UAEにはここ二年ほど本格的な雨は降り
ませんでした。小学校低学年の生徒にとって
は、記憶に残る雨は、その日が初めてなので
す。本で読み映像で見て、噂には聞いていた
雨を身体で感じようと、子どもたちは目と口
と両手を広げて空を仰ぐのでした。”
目次から抜粋引用
“灼熱との闘い
アラブの女性たち
超自然現象とのつきあい
イスラームのはなし
湾岸アラブで子育て”
エッセイストである著者による、長年暮ら
したアラブの日常を綴ったエッセイ集。
猛烈な自然との付き合いから近代の国の大
きな変化まで、日々の生活を通して書かれて
います。
上記の引用は、砂漠での雨について書かれ
た項での一節。
二年も雨が降らない世界というのは、日本に
いるとまず体験できないことではないでしょ
うか。子供でなくとも、気持ちが高ぶるので
はないかと思います。
直に生活した人でないとわからないであろ
う事が書かれていあるようなので、機会が
あってアラブへ行く人なら、目を通すと役立
つことがあるのではないでしょうか。
元々はメールマガジンだったそうなので、
ネットにより詳しく書かれているかも知れま
せん。
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マシャラー
著者の世界観に好感がもてる良書。UAEといえばド派手で成金の石油国家というイメージしかなかったが、急激な発展の裏にある一般人の生活感を覗き見ることができる。著者の夫も大変に素敵な方で惚れそうになる。
マシャラー -
日本もこんな時代があったのかもしれない。
世代間で起こる格差。
それを受け入れるだけの度量。 -
ななめ読み。
UAEの男性と結婚した日本人女性のエッセイ。生活して実感したことが書かれているので、日本とは全然違う文化・風習が身近に感じられます。
2年も雨が降らないのが普通で、降ったら子供は大喜びで雨を浴びるというのにびっくり。面白いなぁ。 -
文化と文化が衝突したとき、それを収束させるのに必要なのは、人間の懐の深さなのだと改めて感じた。
それが、国際結婚のような、個人・家族的な事であっても。
抗議運動や戦争のような、国家内・国家間の事であっても。
建国から40年を過ぎ「石器時代」から先進国の仲間入りを果たしたUAEの発展を、このエッセイから垣間見ていると、30年前の日本の姿に似ているのでは、と思えてくる。
発展を遂げるために、歴史の隙間に落とさざるを得なかった「何か」が、どうか次の世代に暗い影を落とさないで欲しいと祈るばかりだ。 -
イスラム教のこと、砂漠に住む人々のこと、UAEのこと…すべてがとても興味深かった。
日本の常識とは全く異なる社会で、戸惑いつつもそういう価値観があることを学び、受け入れていく著者の姿勢が素晴らしいと思った。
会話の中でマシャラーを連発しているのは、面白過ぎる。
いつかドバイに行く事があったら、地方に行って、急速に発展していった様子など、人々から聞いてみたい。