- Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336058911
作品紹介・あらすじ
鏡花の絢爛華麗な幻想美と、ノスタルジー溢れる和ポップ絵が渾然一体となった文芸絵草紙。朱文字で書かれた日記、少年が握る紅いグミの実、魔人の羽織る赤合羽、城下を焼きつくす紅蓮の炎。あやかしの色彩が乱舞する幻想世界。
感想・レビュー・書評
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中川学さんの挿画を見る為の本。それに尽きます。泉鏡花の紡ぐ物語は、古い城下町•透き通るような白い肌の美少年•紅い簪を下げた姉さん•緋色の衣を着た大入道•数えきれないほどの猿、猿、猿…。そして城下を包む紅蓮の炎、と、読む者のイメージを刺激しまくります。そのイメージを掻き立てて止まないのが中川学さんの挿画の素晴らしさです。文体は難しくても、挿画を見るだけで買う価値があります。
個人的には明治期の木造校舎の絵に惹かれました。なんなんだろう、この既視感は。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
泉鏡花の短編を絵本仕立てにした一冊。短いのだけれど読みごたえはたっぷり。そしてこれ、二色刷りなんですけど。たった二色だなんて思えない……! 鮮烈で美麗な一冊です。
不吉な予兆が次々迫りくる序盤からしてすでに取り込まれます。泉鏡花は文章が難しいと言われがちだしそうかもしれないのだけれど、しかしじっくり読めばとにかく綺麗なんですよね。それがこの絵とも相まって、なんともいえない魅力。人外のものもまた美しく恐ろしく、終盤は壮絶でありながらもどこかしら静謐さを感じさせられました。 -
鮮やかで幻想的な朱と赤の使い分け。
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装丁が素敵すぎる。透かした紙で朱をのせた扉がいい。
解説を読んでやっと話が掴めました。たしかに、理不尽な災害など自分の力じゃどうにもならない災難に見舞われている現代にこそ、読むべきお話なのかも知れない。 -
鏡花の絢爛華麗な幻想美と、ノスタルジー溢れる和ポップ絵が渾然一体となった文芸絵草紙。朱文字で書かれた日記、少年が握る紅いグミの実、魔人の羽織る赤合羽、城下を焼きつくす紅蓮の炎。あやかしの色彩が乱舞する幻想世界。
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うーん、冊子にある通り、モノクロと赤なのに、美しい絵でした。
雑所先生渋くて素敵。
これからも鏡花作品が絵本化等して広まると良いです。