- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336059284
作品紹介・あらすじ
第一次世界大戦から9.11を経て今世紀のイラク、アフガニスタンにおける戦争まで、指導者たちが戦争へと踏み出す「真実の瞬間」を、政治学のみならず、心理学、哲学などの方法論まで駆使して探った異色の戦争論。第二次世界大戦下、「日本のシンドラー」杉原千畝(すぎはらちうね)のビザで一命をとりとめるという稀有な経歴をもつ国際的な政治学者の、混迷を深める国際社会理解に必読の代表作がついに邦訳なる。
感想・レビュー・書評
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フセインを戦争によらず追い落とすことが可能だったのではないかという筆者の主張には、あまり賛成出来ない。ロシア、中国、EUの合意がなければ、国連は機能せず、国際社会は無力であることは、シリアの例でも明らかだと思う。特に中東は、利害関係が絡み合うため、実現は困難であったと思う。
だからと言って、イラク戦争が必要であったとは思わない。最悪なのは、フセインを打倒した後の統治プランを持たずに乗り込んだ事だろう。
アフリカの民族紛争には、国際社会はもっと注意を払い、積極的に関与すべきと思う。アフリカについては、利害関係は大きくなく、積極的関与の合意が可能と考える。 -
Asian Reading アジアの活読
なぜ国々は戦争をするのか下 JGストウシンガー 国書刊行会
原題 Why Nations Go to War by JG Stoessinger。
本書を手に取ると、広瀬隆 クラウゼビッツの暗号文 が思い出されます。
それにはメルカトル世界地図が年ごとに載っていて、戦争や紛争がない年はない ことを示していました。
筆者の祖父母は杉原千畝に助けられ、また真鍋良一という外務省員にたすけられたエピソードも紹介。
唐沢杉原の映画公開と同期しているタイミングの妙。決定的な場所に居た大きな影響力を持つ人々が
いかなる判断をくだすかが、戦争か平和を決める と。