- Amazon.co.jp ・本 (693ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336060297
作品紹介・あらすじ
●第4巻 語りの狂宴
◎騙りの力により宇宙を創出する無類の語り部たち
夢野久作[1889-1936]
堀切直人編
少女の不可思議な予知能力を描いた「人の顔」。乗った船舶を必ず沈没させる奇妙な美少年の話「難船小僧」。謎の人形部屋の物語「白菊」。ほか、「死後の恋」「微笑」「卵」「童貞」「怪夢」「木魂」全9編。
小栗虫太郎[1901-46]
松山俊太郎編
中国辺境の人外魔境にいどむ「紅軍巴蟆を越ゆ」。韃靼海峡の暗黒地を踏破した男の冒険「海螺斎沿海州先占記」。苗族共産軍支配地域で起こった陰惨なる謎の毒殺事件「完全犯罪」。全3編。
岡本綺堂[1872-1939]
種村季弘編
暗闇の中で両眼が青く光る怪奇な仮面の物語「猿の眼」。器物怪談「兜」。ほか、「鰻に呪はれた男」「影を踏まれた女」「魚妖」「火薬庫」「穴」「蟹」「置いてけ堀」「停車場の少女」「黄い紙」「鎧櫃の血」ほか全13編。
泉鏡花[1873-1939]
須永朝彦編
水辺で月光をすくう少女の怪異譚「光籃」。人間をさらった天狗が皇室と将軍家の吉凶を占う「妖魔の辻占」。ナンセンス物語「雨ばけ」。ほか、「化鳥」「印度更紗」「伯爵の釵」「処方秘箋」「蠅を憎む記」「二世の契」「貴婦人」全10編の小説と戯曲「紅玉」を収録。
感想・レビュー・書評
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夢野久作:収録作のセレクションが良い。夢久入門にも良いかと。(少女地獄、瓶詰辺りををあえて入れずにオススメを選ぶとするとこのラインナップだと思う)
小栗虫太郎:渋いセレクション。なぜこの3作なのかは解説を読むとわかる。なるほど。
岡本綺堂:綺堂の怪談作をセレクション。江戸情緒とあわせてどれも楽しめる。
泉鏡花:収録作どれもいかにも鏡花らしい幻視じみた幽玄の世界が描かれる。「伯爵の釵」はたぶん金沢が舞台?地図と照らし合わせて楽しめそうだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第4巻。
収録作家は夢野久作、小栗虫太郎、岡本綺堂、泉鏡花……という、幻想文学の歴史を語るなら誰1人外すことは出来ない面々。
一口に『幻想』といっても、描き出される世界はまるで違っている。そういう意味でも、第4巻はそれぞれの作家のカラーがはっきりと見える1冊になっていると思う。