後藤明生コレクション4 後期

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著者 : 後藤明生
制作 : いとうせいこう  奥泉光  島田雅彦  渡部直己 
  • 国書刊行会 (2017年7月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336060549

後藤明生コレクション4 後期の感想・レビュー・書評

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  • 「蜂アカデミーへの報告」が読みたくて手に取った。カフカの「あるアカデミーへの報告」のパロディだろうとタカをくくっていたのだけれど、むしろメルヴィルの「白鯨」のパロディだった。けれども本書が喜劇的私小説的であるという意味で「ドン・キホーテ」の息子という感じもする。
    メーテルリンクの「蜜蜂の生活」が邦訳されたのが1981年。本作が書かれたのはその後だが、言及されていないのは「スズメバチ」ではないからか。ほか、蜂の大群が人間を殺戮するというSF小説もたくさんありそうなものだが、引用されているのは、プラトンやファーブル、アリストファネスなど、古典的作品ばかりである。
    「蜂アカデミーへの報告」は面白い。でもその理由がすぐにはわからなかった。が、それはひとつは、作者がスズメバチに刺されたがゆえのその知的執着心だろう。読みながら、終始こんな声が聞こえてきた、「おまえなんか、知り尽くしてやる」。

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後藤明生コレクション4 後期の作品紹介

信濃追分の山小屋で、スズメ蜂に刺され九死に一生を得たわたしは、その顚末と考察を「蜂アカデミー」へ報告すべく、古今東西の文献を渉猟し、蜂の被害を報じた新聞記事を蒐集し、果ては蜂被害者の取材へと出掛けていく。「蜂アカデミー」への報告に仮託した“蜂の博物誌”「蜂アカデミーへの報告」。単身赴任の初老の男が、地図を片手に大阪の街を歩き回る。ある時はマーラーの交響曲を聴くために、またある時は「四天王寺ワッソ」の見物に。そしてその道行きの末に俊徳丸の墓と思しき古墳へとたどり着く。大阪の日常を幻想空間へと異化する「しんとく問答」ほか、全16作を収録。

月報=黒井千次・阿部和重・柴崎友香
装画=タダジュン
装訂=川名潤(川名潤装丁事務所)

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