誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? (DALKEY ARCHIVE)
- 国書刊行会 (2017年11月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336060624
作品紹介・あらすじ
悪魔にとり憑かれたタイプライターが彼女の人生を狂わせる……スティーヴン・キング非推薦!?の錯乱必至メタ・ホラー・エンターテインメント!
〈モダン・ホラーの卓越したパロディ、複雑な構造を備えたメタ・フィクションにして、リアルな南部小説――しかも、読者を底知れぬ恐怖に陥れるという驚異の離れ業〉 横山茂雄
アメリカ南部ジョージアの小さな町に住むスティーヴィ・クライは数年前夫を亡くし二人の子どもを養うためフリーランスライターとして生計をたてていた。ある日愛用する電動タイプライターが故障し、修理から戻ってくると、なんとひとりでに文章を打ち始めた! 妄想か、現実か? その文章はスティーヴィの不安と悪夢、欲望と恐怖を活写したものだった。それを読むうちに彼女は――そして読者も――現実と虚構の区別がつかなくなり……ネビュラ賞作家ビショップによる異形のモダン・ホラーにして怒濤のメタ・ホラー・エンターテインメント! 巻末に〈30年後の作者あとがき〉を収録。(1984年作)
〈ドーキー・アーカイヴ〉全10巻 責任編集=若島正+横山茂雄
知られざる傑作、埋もれた異色作を幻想怪奇・ホラー・ミステリ・SF・自伝・エンターテイメント等ジャンル問わず年代問わず、本邦初訳作品を中心に紹介する新海外文学シリーズ
虚構の男 L.P.Davies The Artificial Man L・P・デイヴィス/矢口誠訳 定価:本体2200円+税
人形つくり Sarban The Doll Maker サーバン/館野浩美訳
鳥の巣 Shirley Jackson The Bird’s Nest シャーリイ・ジャクスン/北川依子訳 定価:本体2400円+税
誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? Michael Bishop Who Made Stevie Crye? マイクル・ビショップ/小野田和子訳 定価:本体2600円+税
さらば、シェヘラザード Donald E. Westlake Adios, Scheherazade ドナルド・E・ウェストレイク/矢口誠訳【次回配本】
アフター・クロード Iris Owens After Claude アイリス・オーウェンズ/渡辺佐智江訳
煙をあげる脚 John Metcalf Selected Stories ジョン・メトカーフ/横山茂雄他訳
イワシの缶詰の謎 Stefan Themerson The Mystery of the Sardine ステファン・テメルソン/大久保譲訳
救出の試み Robert Aickman The Attempted Rescue ロバート・エイクマン/今本渉訳
ライオンの場所 Charles Williams The Place of the Lion チャールズ・ウィリアムズ/横山茂雄訳
感想・レビュー・書評
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ジャンル不明の奇妙な物語。
ホラー。SF?ファンタジー?
夢と現実、さらには作中作まで入り乱れ、読んでいて不安な気持ちになった。その点ではやはりホラーかも。
いくつかの作品や作家のパロディになっているらしい。
結末のジョークの意味だけは理解できた。
ストーリー的には突飛だが、文章自体は読みやすく、続きが気になる展開が多くて、意外とスイスイ読める。
変な作品が好きな人にオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいて
だんだんキングっぽい
ただ最後はすんなりで
グロさはなかった
おもしろかったよ -
南部に住むシングルマザー、執筆業、ある日タイプライターが壊れる。修理に出した所彼女の見た夢、起こる出来事、深層心理が勝手にタイプされる。こ、これは一体何なのか。自分でやっていて忘れてるのか、だったら治すべきは自分の頭でないのか、という話だな。やっぱドーキーアーカイブの変さは群を抜いてヘンテコ。世の中にすり寄るような、ねえこれ位でいいよね?という匂わせるような位置にはいなくて、物置の上に付いてる小さい面積の引戸の戸がピッタリ閉まらなくて気になってしょうがない、みたいな。実はそこが一番まがまがしかったりする。
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Original title:WHO MADE STEVIE CRYE?
Author:Michael Bishop.
読書日:2018年10月20日-11月1日.
horrorに分類されている物語ですが、
私はhorrorであるとは感じませんでした。
唯非常に濃密な一週間で、もう一週間解決が伸びたら
その途中で狂ってしまうと感じました。
機械故に自らの意思は有さないのが当たり前なのですが
機械が人に操作されずに、
自動でTypeする様が不思議でした。
だから機械が犯人ではなく、
誰がこの様に設定を組みたてたのかが最後まで解らず
もどかしかったです。 -
ドーキーアーカイヴの4冊目。なんとも気味の悪い作品。ホラー+メタフィクションということなんだろうけれど、技巧的でありながらしっかりとした読み応えがあるのは人物がよく書けているからだと思う。