灰色やしきのネズミたち

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  • 国土社 (1988年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784337062269

灰色やしきのネズミたちの感想・レビュー・書評

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  • 灰色やしきで暮らすネズミたちは、昼間はじっとしていますが、夜になると
    好き勝手な事をして大さわぎです。

    ある日、台所のドアが開いていることが発覚しました。
    外からの侵略者におびえるネズミたちには、大問題です。
    大統領のゲオルグが皆を集め、さっそく話し合いが行われました。
    ネズミたちは、いつも問題が起こると多数決で解決してきたのです。

    でも今回は違いました。
    いばりんぼうのビリーが言いました。
    「のんびり話し合いなんてしていたら、猫にやられてしまう!
    一人が何でも決めてしまえば簡単だ。必要なのは大統領じゃなくてボスだ!」

    みんなは、それもそうだと思いました。
    そしてビリーのもとで、猫が来たらすばやく逃げる訓練をしたり、
    行進の練習もしました。

    それぞれが住む区分を決めたので、元大統領や1匹だけみんなと違う白い色の
    リリィは、エサのない部屋を割り当てられてしまいました。
    リリィに割り当てられたのは、図書室でした。
    他にすることがないリリィは、本を読むことを覚えました。

    さて、ボスになったビリーは、どんどん自分勝手な事を言うようになって
    きました。
    みんなは以前の暮らし方の方が良かったと思い始めますが、ビリーが怖いので、
    今はしぶしぶ言うことをきいています。

    なんとかしなくちゃ。
    本を読んで賢くなったリリィが、活躍します。

  • 小学校の頃に読んだ本。
    何度も読んだからには好きだったんだろうけど、「好き」よりもインパクトが強い。
    図書室・字を覚える・群の怖さ・フィリップのこと、などを覚えていた。
    当時は集団圧力怖えくらいに思っていた気がする。

    今読んだら驚いた。
    これはあからさまに教訓じゃないか。
    怖い印象が強かったにせよ物語として記憶していたのは、この本ががちがちの教育用ではなくまず物語として存在しているから。
    図書室の場面がすごく好き。
    物としての本で遊び、地球儀で世界をめぐり、本という窓から世界をのぞく。


    悪い奴だけが悪いわけではなく、手に入らない利益(天井のソーセージ)に踊らされたり、仮想敵(猫)への恐怖で縛られる「考えないネズミ」の弱さ・愚かさも描かれる。
    怖いのは仕方ないけれど、それでも見極めなくてはいけない、という風に。

    ヒーローはスーパーマンではなく、恐怖に震えながらも声を上げる弱い個にすぎない。
    しかも最初に恐怖を口にしたのは主人公。
    それ自体は普通のことだった。
    みんなそれなりの普通の欲や怠惰しかもっていなかったはずなのに、集団の作用で急速に歯車が狂ってしまう。


    今読んだから警鐘だと思った。
    最後まで読んだら礎だと思った。
    「今」を止めるためじゃなくて、過去を忘れないため、「未来」のために知らせるというスタンス(に見える)。
    これが書かれた当時だって十分冷戦ばりばりでドイツは2つだったというのに「今」の恐怖を煽るわけじゃないんだ。

    2011/12/21 再読

  • 『小学生はこれを読め!』より

  • ~本なしでくらすくらいなら、はだしでくらした方がいい~


    「2500年ほど前、ギリシアにイソップという詩人がいました。イソップは、動物たちを主人公にした物語を作ったことで知られています。物語の中でイソップは人間たちに、動物たちがどういう話をしているのかを、教えてくれました。これを寓話といいます。寓話は子どもたちにとって楽しい読み物であり、また大人は、おなじ話を読んでも、まったくちがった意味を理解するのです。これが、寓話のすばらしいところです。
     小さな子どもも、また経験ゆたかな本好きの大人も、おなじ作品を楽しむ──文学として、これ以上のすばらしいことがあるでしょうか。
    『灰色やしきのネズミたち』は、イソップにならって書いた物語です。どうかネズミたちといっしょに、悲しんだりよろこんだり、恐ろしい思いをしたりわらったりしてください。そして、子どもたちばかりでなく大人の読者のみなさんにも、この本を楽しんでいただけることをねがっています。   ヴィリー・フェアマン」

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