さんしょっ子 (絵本・感動のおくりもの 1)

著者 :
  • 小峰書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338084017

感想・レビュー・書評

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  •  サンショウの木の中に住んでいる緑の着物を着た可愛い女の子、さんしょっ子の物語。ちょっと切ない物語です。安房直子・作&いもとようこ・絵「さんしょっ子」、1989.7発行。

  • 装丁、紙質、イラストの愛らしさや色合いなど、お話以外は良くできている絵本。
    肝心のストーリーは…少女漫画風日本版人魚姫?なんだろう、これ。

  • タイトルは知っているけれど、読んだことなかったと思ったけれど、安房直子の短編集で読んでいて、しかも、その中でも一番よかった、って書いてた。
    記憶にない…。

    貧しい百姓の家のすずな、茶屋の息子三太郎、山椒の木の精さんしょっ子。
    さんしょっ子の声は聞こえるけれど、一緒に遊ぶことは出来なかった。
    すずなと三太郎はよく遊んでいたけれど、大人になるとすずなは隣村のお金持ちの家にお嫁に行ってしまう。
    一方、三太郎の家は商売が傾いてしまう。
    最後、昔さんしょっ子がすずなから少しずつくすねていたお手玉が三太郎の家に前に置かれ、その中の小豆は使っても使ってもなくならず、商売がまた上手くいき出した。
    三太郎がすずなの声で喋るのは誰だというと、さんしょっ子は声真似をしているわけではないのに、と残念に思って風に乗って消えてしまう。
    一方すっかり枯れてしまった山椒の木は道に捨てられ、三太郎のお母さんが拾ってすりこ木にする。
    すりこ木が奏でる歌はさんしょっ子の歌なのだ。

    安房直子はこれがデビュー作なのかな。
    昔話のようですごい。

  • 小学生の頃、中学生の演劇を観たのですが、それがこの「さんしょっ子」でした。
    とても懐かしい。
    人魚姫のような、せつないお話だった記憶はありますが、すずながお嫁に行き、失意に沈む三太郎や、そんな彼の元に、お手玉を届けたさんしょっ子の場面はすっかり忘れていました。さんしょっ子の泣き笑いが胸に迫ります。
    思うようにいかないのが人生なのかもしれないけれど、そんな中でみんな生きていくんだな。
    安房直子さんは、やはり私の心の原風景を描く人でした。

  • 切ない。さんしょっ子はサンショウの木の中に住んでいる木の精のようなもの。すずなの家の畑の真ん中に生えていました。すずなと茶店の三太郎は幼なじみで一緒に遊んでいました。さんしょっ子はこっそり彼らをみていました。やがて、大人になって、すずなはお嫁にいきます。お嫁にいくすずなを見つめる三太郎と、その三太郎を見つめるさんしょっ子。その直線関係が切なくて切なくて。この切ない苦しさは大人に読んでみて欲しい絵本です。

  • 畑のサンショウの木に宿っているさんしょっ子は中々どうして可愛い。
    木の周囲で遊んでいた三太郎とすずなはやがて大人になっていく。
    表紙の絵は淡い色合いでどことなく切ない感じがする。(しん)

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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