口で歩く (おはなしプレゼント)

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著者 : 丘修三
制作 : 立花 尚之介 
  • 小峰書店 (2000年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (94ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338170062

口で歩く (おはなしプレゼント)の感想・レビュー・書評

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  • タチバナさんは二十数年、生まれてこのかた歩いたことがありません。体が自由に動かせず、ねて暮らしているので、背骨も足も、まるでニボシのように曲がっています。散歩びよりのある日、タチバナさんは車輪のついたベッドで出かけることにしました。道で出会った人とお話しをしながら、友だちの上野さんの家へ向かいます。さて、どんな人と会えるでしょうか──?
    タイトルに込められた意味、上手いなあ。寝たきり=家もしくは施設から出られないイメージがあったので、タチバナさんの積極性に驚いた。また出会う人は良い人ばかりでないのも良い。郵便局で出会うおやじさんの言い分、否定しづらいよね。タチバナさんのように身体を自由に動かせなくなったら、大抵その世話は家族へと負担がかかる。家族に代わって近所や社会が支えるのは少数派でしょう。しかしその現状がつらくて死を選ぶこと、よくニュースで見かけます。でも誰しも突然死なない限り老いや病気で一人では生きていけない、支えてもらわなくてはならない時が来るはず。避けられない現実だと思う。どうやって支えるか、今の社会では本当に大きな課題だなと改めて感じました。また、どんな人であれ誰かを支えることができるというのも素敵でした。ヒマワリのきみ、そして後書きに涙腺緩みました。あの男の子も、タチバナさんと出会えて良かったです。読友さんの感想を見ていつか読もうと1年ほど放置、もっと早く読めば良かった。オススメです。

  • 人間は支えあって生きている、このことを分かりやすく描いています。

  • 寝たきりの青年がベッドみたいな車椅子で散歩に出かけて
    いろんな人に話しかけて押してもらう

    読みやすいけど
    それなりに重い‥

  • 障がいをもつ人からみた世界。
    体が自由に動かないタチバナさん。彼は一人で散歩へでかけます。
    そこで出会ういろいろな人たち―。「口で歩く」の意味が分かると、なるほどと思うと同時に、唸っちゃいました。
    中学年でも読めないことはないけど、高学年へおすすめします。

  • すべての人がなんらかの形で誰かの支えになっていて、人と人は支えあって生きているんだと痛感しました。

  • 体のほとんどが動かず寝たきりの主人公。けれど、彼は散歩にでかけます。どうやって?車輪付きのベッドに寝転がって道路に出て、そのベッドを押してくれる人を待つのです。そうすることで様々な人々と出会い、一瞬のつながりを持つ。それがどんな出会いであれ、何かしらの意味がある。彼の一期一会の人生を通じて、人間の様々な面が見えてくる作品です。

  •  児童文学論レポートのために借りた本その2。
     
     寝たきりの生活を送る青年タチバナさんは、ある朝、知り合いの上野さんのところに行くことを思いつく。歩くことはおろか自力で動くこともままならない彼の移動方法は、車輪付きベッドに寝転がり「口で歩く」こと。道行く人に声をかけ、ところどころまで押して行ってもらうのだ。そんなタチバナさんが出会った人々を、障害者視点で描く一冊。
     
     この本を読み終わって思い出したのは、小学校だか中学校だかで、体育館に全校生徒で集まってみたアニメ。病気だか事故だかで片足を失った男性雑誌編集者が待ち合わせ場所の喫茶店で会ったのは、タチバナさんのように車輪付きベッドの乗った子供の背丈しかない男性。どうやってここまで来たのか、という問いに彼は「道中、いろいろな人に声をかけてここまでやってきた」……。うろ覚えな点があるが、確かこんな話だったと思う。大阪弁を話していたような記憶があり、話の内容も違うので、多分「口で歩く」のアニメ版ではないと思うのだが……。本作品では障害者から見た健常者が少しユーモラスに描かれていて面白い。しかしながら、不躾に「障害者?」と聞いてきたり、自分たちの税金で食べているんだから散歩などするべきではないと冷たく突き放したりする登場人物もおり、まさに現代社会における障害者への偏見や問題点をも同時に描いている。登場人物のおばあさんが言うように、年をとって「みんなのお世話になる」ようになり、体がいうことを聞かなくなってからではないと障害者の気持ちにはなれないのかもしれない。だが、せっかく人間はしゃべることと協力ができるのだからそれを使わない手はないだろう。

     相手の気持ちになって考えること、言葉が持つ力、協力することの大切さを、少し変わった視点で教えてくれる作品。

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