なみだの穴 (Green Books)

著者 :
  • 小峰書店
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本棚登録 : 169
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338250139

作品紹介・あらすじ

とつぜんの転校で、仲良しのクラスメートと別れることになった光太。大好きな甘い物をたってレスリングの練習にはげむ真矢……。けんめいになみだをこらえる子どもたちと、なみだの穴にまつわる6つの話。

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編集。
    昔から、広い海にはなみだの穴があって、それを見ると泣けて泣けてしょうがない。でも、泣くだけ泣くと不思議に元気になれる。なみだの穴は、泣けない人のところに現れる。地面や空に現れるときもある。

    ひとつひとつは短いがよくまとまっていて共感できる。特別な人は誰もいない(強いて言うならもとプロレスラーのストロング幸三くらいだが、プロレスラーとして活躍している時の話が出てくるわけではない)。普通の人(主に小学生)の悲しみ、ガマンの辛さ、コンプレックスなどが、なみだの穴に誘われて、涙となって流れ出る。そうして号泣するとスッキリして前向きになれる。
    度々出てくるなみだの穴は、ちょっとしつこいかなあと思うが、まあいいんじゃないかな。
    分かりにくいところ、難しいところは無く、読んで元気になれる。
    なかなかこうスッキリとはまとめられない。ディテールも書き込み過ぎず、それでいて登場人物が目に浮かぶ。まはら三桃、上手いなと思った。

  • 懸命になみだをこらえる子どもたちのところに現れる「なみだの穴」。それを見ると泣けて泣けてしょうがなくなるらしい。なみだの穴が我慢している気持ちを解放してくれる。泣けばいいよ。いっぱい。

  • 涙の穴、と言う設定が強引で、違和感がずっとあった。

  • なみだを我慢している人のところへ現れるというなみだの穴。それを見ると泣けて泣けて、こらえていた感情がとめどない涙になって出てくるという。
    連作短編集

  • 6年教科書掲載本

    なみだの穴を見ると、泣けて泣けてしょうがない。

    グッと我慢するのも大事かもしれないけど、思いっきり泣いてスッキリして、そのあと結果がよくなることもあるってわかる短編集。

    登場人物一人ひとりを掘り下げてほしい気持ちもあるけど、これはこれでさらっと読めてよかった。

  • この作家の雰囲気は、結構好みだと思う。
    児童書なので物足りない部分もありながら、面白く読める。
    連作短編で、その緩やかな繋がりが良い。
    そして、子どもばかりでなく、大人の視線が入っているところがミソ。「白をつなぐ」もそうだった。
    この作品はファンタジーが入っているけれど、人物や環境はとても身近で現実味がある。
    人には、なみだの穴が必要な時がある。
    男泣きにこんな理由をつけられるなら、少年たちには救いだろう。
    まあ、もはやそんな時代でもないのかも知れないけれど。

  • おもいっきり泣きたいのに我慢している人のところに現れる「なみだの穴」
    それを見た人は涙が溢れ、子供でも大人でも、強い人だと思っていた人でも大泣きする。

    海にすこんと大きな穴があく。中から光があふれだす。
    「板子一枚下は地獄」の漁師たちは、その穴に涙を捨てる。涙を捨てて、心をしっかり持つようにする。気持ちがしっかりしていたら力がわいてくるのだ。

    漁師たちが知っていた涙の穴は、海だけでなく、泣くことを我慢している人にだけ見える不思議な穴だ。

    涙の穴を見た6人の連作短編。

  • 高学年になると、涙もグッとこらえる。
    でも、たまには思いっきり泣こう。
    涙活バンザイ!

  • -海にはなみだの穴がある。なみだをがまんしている人のところに流されてく。その人になみだを流させるために-。
    なみだの穴を見た人が、水鉄砲みたいになみだを流すと、不思議なことにすっきりする。転校したくなかった子と見送った親友、レスリングの試合に負けた女の子、おばあさんを亡くしたおじいさん。いろんな人のところになみだの穴はやってきます。少しうらやましくなるお話です。

  • 「なみだの穴」にまつわる6編の短編集。登場人物も少しずつリンクしている。
    泣くのを我慢している人のところに現れるなみだの穴。なみだと一緒にそれぞれ抱えている悩みや思いを吐き出す。
    他の作品に比べて物足りなさはあるものの、登場人物たちと一緒にスッキリ。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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