- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338250139
作品紹介・あらすじ
とつぜんの転校で、仲良しのクラスメートと別れることになった光太。大好きな甘い物をたってレスリングの練習にはげむ真矢……。けんめいになみだをこらえる子どもたちと、なみだの穴にまつわる6つの話。
感想・レビュー・書評
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連作短編集。
昔から、広い海にはなみだの穴があって、それを見ると泣けて泣けてしょうがない。でも、泣くだけ泣くと不思議に元気になれる。なみだの穴は、泣けない人のところに現れる。地面や空に現れるときもある。
ひとつひとつは短いがよくまとまっていて共感できる。特別な人は誰もいない(強いて言うならもとプロレスラーのストロング幸三くらいだが、プロレスラーとして活躍している時の話が出てくるわけではない)。普通の人(主に小学生)の悲しみ、ガマンの辛さ、コンプレックスなどが、なみだの穴に誘われて、涙となって流れ出る。そうして号泣するとスッキリして前向きになれる。
度々出てくるなみだの穴は、ちょっとしつこいかなあと思うが、まあいいんじゃないかな。
分かりにくいところ、難しいところは無く、読んで元気になれる。
なかなかこうスッキリとはまとめられない。ディテールも書き込み過ぎず、それでいて登場人物が目に浮かぶ。まはら三桃、上手いなと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
懸命になみだをこらえる子どもたちのところに現れる「なみだの穴」。それを見ると泣けて泣けてしょうがなくなるらしい。なみだの穴が我慢している気持ちを解放してくれる。泣けばいいよ。いっぱい。
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涙の穴、と言う設定が強引で、違和感がずっとあった。
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なみだを我慢している人のところへ現れるというなみだの穴。それを見ると泣けて泣けて、こらえていた感情がとめどない涙になって出てくるという。
連作短編集 -
6年教科書掲載本
なみだの穴を見ると、泣けて泣けてしょうがない。
グッと我慢するのも大事かもしれないけど、思いっきり泣いてスッキリして、そのあと結果がよくなることもあるってわかる短編集。
登場人物一人ひとりを掘り下げてほしい気持ちもあるけど、これはこれでさらっと読めてよかった。 -
この作家の雰囲気は、結構好みだと思う。
児童書なので物足りない部分もありながら、面白く読める。
連作短編で、その緩やかな繋がりが良い。
そして、子どもばかりでなく、大人の視線が入っているところがミソ。「白をつなぐ」もそうだった。
この作品はファンタジーが入っているけれど、人物や環境はとても身近で現実味がある。
人には、なみだの穴が必要な時がある。
男泣きにこんな理由をつけられるなら、少年たちには救いだろう。
まあ、もはやそんな時代でもないのかも知れないけれど。 -
おもいっきり泣きたいのに我慢している人のところに現れる「なみだの穴」
それを見た人は涙が溢れ、子供でも大人でも、強い人だと思っていた人でも大泣きする。
海にすこんと大きな穴があく。中から光があふれだす。
「板子一枚下は地獄」の漁師たちは、その穴に涙を捨てる。涙を捨てて、心をしっかり持つようにする。気持ちがしっかりしていたら力がわいてくるのだ。
漁師たちが知っていた涙の穴は、海だけでなく、泣くことを我慢している人にだけ見える不思議な穴だ。
涙の穴を見た6人の連作短編。 -
高学年になると、涙もグッとこらえる。
でも、たまには思いっきり泣こう。
涙活バンザイ! -
-海にはなみだの穴がある。なみだをがまんしている人のところに流されてく。その人になみだを流させるために-。
なみだの穴を見た人が、水鉄砲みたいになみだを流すと、不思議なことにすっきりする。転校したくなかった子と見送った親友、レスリングの試合に負けた女の子、おばあさんを亡くしたおじいさん。いろんな人のところになみだの穴はやってきます。少しうらやましくなるお話です。 -
「なみだの穴」にまつわる6編の短編集。登場人物も少しずつリンクしている。
泣くのを我慢している人のところに現れるなみだの穴。なみだと一緒にそれぞれ抱えている悩みや思いを吐き出す。
他の作品に比べて物足りなさはあるものの、登場人物たちと一緒にスッキリ。