レイン: 雨を抱きしめて (Sunnyside Books)

  • 小峰書店
4.22
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本棚登録 : 87
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338287111

作品紹介・あらすじ

クラスに馴染めず、父親ともうまくいかない〈アスペルガー症候群〉の少女・ローズにとって愛犬レインはたいせつなこころの支え。ところが街を巨大ハリケーンが襲った日、レインは行方不明になってしまう……。

感想・レビュー・書評

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  • 同音異義語と素数にこだわりがあり、ルールを重んじる高機能自閉症のローズ・ハワードから見た生活の様子が書かれておりますので、よくわかるような気がします。

    なお、レインは雨の日に父親が連れてきた迷い犬ですが、台風の日にいなくなってしまいます。やっとシェルターで再会できますが、レインのマイクロチップで飼い主がわかり、引き渡します。こういうエピソードですが、やはり別れは切ないです。

  • 主人公ローズはもうすぐ12歳。
    素数と同音異義語が好きな女の子。

    学校では高機能自閉症と診断され、
    1年遅れて小学5年生のクラスで学習している。

    クラスメイトにからかわれたり
    スクールバスに乗れなくなったり
    お父さんにイライラされたり
    うまくいかない日常。

    でも、ある雨の日にやってきた黄色い犬レインが
    いつもそばにいてくれる。

    そんなある日、
    ローズの街に大きなハリケーンがやってきて
    レインが行方不明に。

    ローズは悲しみの中
    計画を立て、時間をかけてレインを捜索する。

    そして、ローズは大きな決断に迫られる…。

    ローズが自分の身に起こったことを
    書き記し、読者に説明していく物語。

    ローズが周りの生活とうまくなじめない様子や
    思い通りにいかないときの気持ちが
    ローズの視点で描かれているので、
    思いを重ねて読み進めることができた。

    お父さんとの関係がやるせなかった。
    おじさんの存在に救われた。
    こんな風にローズや子ども達と接したいなと思った。

    私自身の中にもローズはいて、
    共に戦った気持ち。
    そして、ローズのような友達がいたら
    理解する努力をしたいと思った。

    パルヴァーニがハリケーンの後泣きだし、
    ローズがいつも自分がパニックになった時
    先生がしてくれるように
    パルヴァー二を廊下に促すシーンが好き。

    落ち着こうって、ただ寄り添って。
    見つけた同音異義語の話をするシーン。
    頬がゆるんだ。

    小学校高学年から

  • 児童書の棚にあったけど大人も楽しく読めます。
    自分の幸せより、大好きなレインにとって何が一番幸せかを思える心、思ったことを行動に移せる勇気が素晴らしい。
    数学嫌いの私が素数をちょっと好きになった。

  • 胸が痛い。幸せというのは本当にささやかなものなのだと感じる。でもそれがとても難しい。

  • 4.29/71
    『素数と同音異義語、そしてルールに強いこだわりをもつ高機能自閉症〈アスペルガー症候群〉の少女、ローズ。父親は娘の障害を受け入れられず、クラスメートにも馴染めないローズにとって一番の支えは、父親が雨の日に拾ってきた犬、レインだった。 ところが、巨大ハリケーンが街を襲った日、レインは行方不明になってしまう…。』(「小峰書店」サイトより▽)
    https://www.komineshoten.co.jp/search/info.php?isbn=9784338287111

    原書名:『Rain Reign』
    著者:アン・M. マーティン (Ann M. Martin)
    訳者:西本 かおる
    出版社 ‏: ‎小峰書店
    単行本 ‏: ‎233ページ

  • 夏休みの読書感想文にどうですか?シリーズ

     ローズは「同音異義語」と「素数」と「身の回りのルール」に強いこだわりを持っています。そのために学校でも時々問題を起こしてしまい、友だちもできません。そんなローズの心の支えになっているのは、雨の日に拾われた犬のレインと、近くに住むおじさんでした。
     ある日、町がハリケーンに襲われ、レインが行方不明になってしまいます。いつもは周囲の人とうまくいかないローズですが、大切なレインのため、ありったけの知恵と勇気をふりしぼりレインを探します。最後にローズが下した決断にはほろりとさせられます。

  • 頭はいいし、耳もいいし、
    でも、みんなと違う。
    ルールに厳しい。守れないことが許せない。
    人にも自分にも。
    生きていくのは大変。
    まわりが寛容になればいいのだけれど、彼女も少し許せるようになればいいのだけれど・・・

  • アスペルガーの少女と、犬の心暖まるお話。

  • 最後はうるうるしながら読んだ。
    ローズは、アスペルガーをかかえた女の子。
    だから特有のこだわりとか、きまじめさがあるけど、それだけではなく、自分の気持ちや人の気持ちを深く考えたうえでとても勇気ある決断をする。そのあたりからもう涙だった。

    ローズの父親は、幼いころ自分の父親に虐待された人で、だから自分がそうなることは決してするまいと思っているけれど、似たくない相手に似てしまう悲しさか、酒飲みで、むすめのローズに対する理解も気遣いも不足している。

    でもその父親が最後にとった行動も、ローズと同じく、悲しみと勇気に満ちたものだった。

    その気持ちを考えるとなんかつらくなってしまうのだけど。

  • アスペルガーの女の子が主人公。
    女の子が悩み、葛藤し、数字にやたらと固執する描写がリアルだった。
    こういう、社会的な問題・課題を含んだお話は、海外モノのほうが進んでいる印象が強いのは何故なのだろいか。

    飼い犬のレインとの別れは悲しかったが、優しいおじさんのサポートを受けて主人公が幸せになれるよう、読後祈った。

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