- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784340120000
作品紹介・あらすじ
親子や夫婦のこじれた問題を数多く扱ってきたカウンセラーによる〈革命的〉人間関係論!
感想・レビュー・書評
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最近とみに「家族の絆」であるとか、親子のつながりなどを賛美する傾向にあるようで、なんだか不本意な思いでいたのだが、本書を読んで胸がすくような気持ちになった。
結婚制度に対する幻想や、母親に対する幻想にうんざりしていたのだが、それもあながち間違った方向ではなかったのだなと思う。
「理解したい」「コミュニケートしたい」という気持ちはどうしたってわいてきてしまうけれども、それを過剰に実行すると、彼我の境界を越えてしまうのだ。それは、「私」と「あなた」の問題をごっちゃにしてしまう。
私は私の問題を引き受け、あなたの問題はあなたが引き受けるというけじめが大事なのだと思う。
手を放して見守る、というのは実はとても難しい。取り込んで入り込んでべたべた世話を焼いている方が簡単なのだ。とりあえず寂しさを感じないですむし、「役立ち感」も味わえる。でもそれではお互いにいつか息苦しくなってしまう。
見放さないけど手は出さない。拒絶はしないけど傾倒はしない。
そのけじめの付け方がタフラブなんだろうなあと思う。
本書には、実際にどう行動したらいいかという例もあげられている。それを読むと、タフラブを実行する側にも大変な決意が必要なのだということがわかる。
とかく日本では「人の世話をかいがいしく焼く」ということを賞賛する文化がある。もっぱら女性限定であるところがまた問題なのであるが、そのことが自分のアイデンティティになってしまっている場合、そこから離脱するのは非常に難しいだろうと思う。
精神的にきちんと独り立ちすること。それがいちばん大事なことなのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても面白かった。手放すこと。
■アルコール依存症の妻たちの経験から生まれた「タフラブ」 伝統的に愛は「アタッチメント」を基本としている TOUGH Love は手放す、つまりデタッチメント
■第一波フェミニズムは18世紀から20世紀にかけて起こった女性解放運動、第二波フェミニズムはジェンダーを女性に押し付ける男性中心の社会や制度を告発する運動
■西洋の個人主義は神を介した個人主義であるためそれぞれが神とつながることで「私」と「私」は容易に分離される。ところが日本の場合血縁があっての「私」。
第二章 包み込む愛の限界と罪
第三章 あなたの問題と私の問題を切り分ける
第四章 タフに生きるは、だれでもできる
寂しさと共存する知恵 目的別の人間関係を複層的に用意しておき用途に応じて使い分ける
終章 関係からの開放がもたらすもの
あとがき 私の一番嫌いな言葉「自分を好きになりましょう」。自分を好きでも嫌いでもいい自己肯定感なんてなくても、それはどうでもいいこと。むしろ一番大切な人仲良くなりたい人もしくは身近で少し疎ましく思う人とどのような関係を作っていくかが鍵になる。タフラブは、寂しさと付き合っていくこと。 -
コミュニケーションの断念からはじまる関係性があるという発想は目から鱗だった。家族や友人との関係に行き詰まったときに是非読んでもらいたい良書。
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手放す愛とは、突き放すことでも、捨てることでもない。
相手の問題は、自分の問題ではなくその人自身がどうするか決めるべきことであると理解し、見守ることが手放す愛なのだと思った。
「わかった。では、お前はお前の考えで生きていきなさい。その代わり、困ったことがあったら言ってほしい。力になれるかもしれない」
これを自分の子どもに言える親が、どのくらいいるのだろうか。
成人して、独立している子どもに対しても、幼子に対するように接する親がいる。心配しないでほしいと言っても、「親が子どもを心配するのは当たり前のことだ」と聞く耳を持たない。昨今の毒親問題は、結局のところ、親が子どもを、ひとりの自我のある人間だと認めないことから端を発しているのではないだろうか。
家族も、恋人も、友人も、ただの顔見知りも、すべては人間関係なのだ。
家族とは、自分を相手に認めさせて、自分の価値を確認する場所ではない。
つい心配して口を出してしまいそうになるのを、ぐっと抑えて相手を見守る。話を聞く。どんな人間関係でも、大切なことだと思う。
大事な友人には絶対にしないようなことを、家族にしてはいないだろうか。
今一度、立ち止まって考える時期が来ているのかもしれない。 -
夫婦や親子の問題はこじれやすい。夫の問題、妻の問題、親の問題、子の問題がごっちゃになり、誰の問題か分からなくなる。誰の問題なのかを切り分けて整理し、自分以外の問題にはタフラブ(見守る愛)を貫き、本人の問題解決を信じて見守ることで、事態が好転する。DVの背景や構造についても、分かりやすく書かれている。被害者にはぜひ読んでほしい。
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タフラブについて気になってたら、直近で読んでた『<性>なる家族』と同じ著者の本が出ていて、他によさそうな本もなかったので読むことにしたのだが、修行が足りないせいかちょっと読むの辛くなってきたので、通読はした上で一旦離脱することにした。時間をおいて読み直せば全然違ってたという事がありえそうなので、一旦離脱。
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家族、友人に限らず、一人のひとに頼りすぎない。少しずつ何人かのひとにその得意分野に合わせておつきあいする。自分もひとに対してできることをする、のがいいかもしれない。
自分以外のひとと理解しあうのは無理なことを認め、お互いに適度に距離を取ること。
自分を好きにならなくてもいい、自己肯定を目指さなくてもいい、というカウンセラーは信田さんくらいかもしれない。 -
手放す愛!大切だなぁ!
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2016.5.20