- Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344000414
感想・レビュー・書評
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30年前に失踪した恋人。
結婚が目前だったにも関わらず、なぜ彼は失踪しなければならなかったか?
昭和39年。オリンピックで沸き上がる東京の裏側でひとつの殺人事件がおこる。
事件をきっかけに失踪する刑事。
主人公である萄子は、失踪した刑事の婚約者であった。
断片的な手掛かりをもとに、突然消えた彼を追い続け、やがて彼が失踪した理由があきらかになる・・・・。
この物語は運命劇であり、ひとりの女性の成長ドラマである。
消えた婚約者を追う、主人公のひたむきな姿に心打たれる読者も多いかとも思う。
最近読んだミステリーでは「火車」以来の衝撃。
登場人物それぞれが魅力的で、重層な人間ドラマを展開する傑作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東京オリンピック前夜、翌月に萄子との結婚式を控えていた刑事を生業にしている勝が突然姿を消した。
割り切れない思いを胸に、勝を探し続ける萄子。
何故、勝は姿を消したのか。
…
事件の真相に行き着くまでが長かった。
とはいえ、最後まで飽きずに読みました。
萄子の旅があそこまで続けられたのは、裕福なお宅のお嬢様だったから。
2年の月日を経て、萄子は変わり、最後には新たな自分の幸せを見つけるようになりました。
悲しい別れだったけど、きっと良かったのだと思います。
オリンピック後2年間の昭和史を並行して眺めることが出来たようで、興味深かったです。
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娘が離婚するかもと実家に帰ってきたところから話が始まり、時代は戦後まもなくの母親視点の壮絶な過去の恋愛の話へと移り変わり、刑事事件に巻き込まれて行く様は目が離せませんでした。最後は、やっとほっとする場面で流石乃南アサさん!と言う作品でした。
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長編ミステリー小説。
刑事・奥田勝は婚約者の藤島萄子を残して失踪する。同僚刑事・韮山の娘・のぶ子を殺した容疑が掛かっている。勝を追って萄子は川崎、熱海、郡山、筑豊、そして沖縄と旅を続ける。新たな恋人、柏木淳を残して・・。
するすると掴めそうで掴めない勝を追い求める萄子。勝が逃げ続ける理由。韮山の葛藤。
かなり分厚い本だったのに、気づけば夢中になって読んでいました。
宮部みゆきの小説にどこか似ていると思った。追いながら追い詰められていく萄子から目が離せません。
人物関係がミステリーの割りに混乱していないので、物語に集中できます。そして思いがけないラストが待っていました。読み応え十分です。 -
読み応えがあった長編作
乃南アサってほんと読みやすくって面白い
物語は東京オリンピックが開催された昭和40年頃を舞台に繰り広げられる
高度成長期時代 主人公はお嬢様の籐子
婚約者だった刑事の透の無実をずっと信じ続ける純粋さ
こんなに人を信じて愛し続けられるものだろうか
生きているか死んでいるかも分からないのに・・・
最後は思いもよらなかった結末
台風のラジオ中継はちょっとウザかったかな -
共に生きることを誓い合っていた2人が、悲しい運命でもう2度ともとに戻れなくなるお話。
その運命になんとか抗おうとする萄子のあまりに盲目的な行動に引きずられるように一気に読みました。
東京オリンピックの頃の日本の情景が目に浮かぶような描写もよい。
2年余りも不在の相手を想い続け、かすかな手掛かりでも即行動に移す萄子の行動力がすごい。
でもさすがに偶然が重なりすぎ、勘が当たりすぎじゃないかー?とは思ったけど。
真相はキツかったなー。救われないよ。。
でも訣別のシーンはやはり涙。 -
どしてそんなにすれ違うのよ!と心の中で思い、主人公になりきって盛り上がりました。でもこんなこと現実じゃ起こらないよなーとか半分冷静だったかも。でも星5つ。よかったです。
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読み応えたっぷり。しかも泣けた。乃南さんの作品の中でも一番好きかも。タイトルがシンプルでいい。