恋するために生まれた

  • 幻冬舎
3.18
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344000865

感想・レビュー・書評

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  • 緊急事態宣言が発令されたことで、大好きな図書館にいけなくなったわたしへ、スタッフの子が貸してくれた本。すごく粋だなあ……と心の底から嬉しくなった。すごく嬉しかった。ジャン・コクトーの表紙がまたとてもいい。久しぶりに「冷静と情熱のあいだ」を読み返したくなった。時間はたっぷりある。新しい本を読まなきゃ、と新鮮なものへ貪欲になっていたけど、過去に愛でたものたちをまた味わうのも、時間があるからこそできる特権かもしれない。

  • やっぱり江國さん好きだ。
    恋はスペシャルだから恋が好き。
    あたしも、そうだと思う。いいな、ほんと、気持ちがスッキリする。

  • どの恋を選んだとしても、自分に嘘をつかなければ、最後は全てに納得ができる。

    素敵な言葉でした。
    お二人共好きで、思わず手に取りました。

    ここでまさか「冷静と情熱のあいだ」の誕生秘話知れるとは思ってもいませんでした。

    好きです。

  • 装丁がとても素敵で、これもまた物として大事に持っていたくなるような本だ〜

    あっという間に読んでしまったけど、読みながらやっぱり江國さんだなあと思ったり、こんなこと言うのか〜と驚いたり。でも江國さんらしさを徹底すればこうなるか、と納得できたり。ロマンチックで夢見がちに見えるのに、自分が自分であることにはとても厳しい、ピシャっと言ってのける。たとえ江國さんの恋愛観が理解できなくても、この姿勢はとても格好いいよなあと思う。

    どこかで『恋するために生まれた、というより「この人に恋するために生まれた」』みたいなことを仰っていたんだけど、どこだっけなあ...読み終わってから探したけど見つけられず.......

  • 闘いながら微笑みあってるみたいな本だった。小説ではなく、恋愛に関した対談形式のような、文通のような本。ぶつかったり歩み寄ったりしながら、お互いの恋愛観を語り合う二人。その違いは個人としてなのか男女としてなのかわからないけれど、辻さんはいつも恋の手前から、江國さんは愛の奥から話しているような気がした。私は江國さんファンなので、(なので?)江國さんの語る愛のかなしさについて心が持っていかれる。

  • 辻仁成と江國香織の恋愛論談話。

    いつも自分を見失っていたい、この一言に尽きるような。

    物書きとしてではなく、素のお二人に小咄を聞いているような、ページを捲るのが楽しくなる作品。
    こんなこと考えながら、悩みながら恋愛小説を書いているのかと少ししみじみする。

  • 辻仁成と江国香織が同じテーマで語る往復書簡的恋愛論。こういう恋愛観を持っている人からああいう小説がうまれるのねふむふむ…。2人は小説家としてものすごく相性がよいのだろうが、男女にはなりえないのだろうな、だから書けるんだろうな、という。

    • jardin de luneさん
      ああ!わかりますが私は逆ですね。
      本筋から外れた興味が立って、で、おもしろがって読む。派。
      本の読み方もいろいろですね。
      ああ!わかりますが私は逆ですね。
      本筋から外れた興味が立って、で、おもしろがって読む。派。
      本の読み方もいろいろですね。
      2012/07/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      此処で知って、同趣向の「愛のあとにくるもの」を読みました。シックリ来なかったので、片割れになり孔枝泳が書いた方も読もうと思っています。
      とこ...
      此処で知って、同趣向の「愛のあとにくるもの」を読みました。シックリ来なかったので、片割れになり孔枝泳が書いた方も読もうと思っています。
      ところで、新作?「右岸」「左岸」は読まれましたか?
      「おもしろがって読む。派」
      悪い癖ですよ(って誰に言ってる?)
      2012/07/23
    • jardin de luneさん
      「右岸」「左岸」は気が付いたら文庫が出ていたのでそちらで読みたいと思いつつ、文庫だとそれぞれ上下巻があるので計4冊なんですよね…
      読みづらい...
      「右岸」「左岸」は気が付いたら文庫が出ていたのでそちらで読みたいと思いつつ、文庫だとそれぞれ上下巻があるので計4冊なんですよね…
      読みづらい(笑)
      で、二の足を踏んでおります。いつか読むとは思いますが…(ほんとかな)
      2012/07/26
  • 愛、恋、いいなあ。まだ子供の私には遠い遠い世界で、でもいつかこんな風な・・・って気持ちにさせてくれた1冊。こんな感覚とか感性に触れたら普通の恋なんてつまらないって思っちゃいそう。そのくらいこの本は斬新で新しい気持ちにさせてくれた

  • 無償の愛なんて私には全然尊くない。何かを望んであげた方が謙虚で親切なのではないか。相手に何も望まずに愛してしまったら、相手はどうすることもできない。究極の暴力だ。嫉妬しあっていることも一つの幸せ、愛ではないか。

    僕は恋をし続けることのできるパートナーを選びたい。愛されることは滅びることで、愛することは滅びないこと。リルケのマルテの手記

    辻さん:本当の愛情は出し惜しみをするに限る

    江國さん:誰かの女であると言う自覚は、束縛されていることと言える。肯定的な束縛。誰かの女である限り、浮気をしないのはもちろん、仕事でも掃除でもきちんとしたい!男の人もその気持ちを持って欲しい!好きな人の前で見せたい自分を放棄しないで欲しい!見せたい自分は演技であっても良い。私は自分の好きな人が見せてくれるものは、彼が見せたいと思っているものだと理解するから。たとえそれが仮の姿であったとしても、彼がわたしのために作ってくれる仮の姿のなのだから良い気がする、わたしにとっての真実は一つなので。

    辻さんの「自分が死んだら愛する人と骨を砕いて、一つのボールになって海に投げて欲しい」は素敵すぎる!ロマンチック!離婚したあとではあるものの、そんな女性と今後出会えたらと言ってるあたり、本当に恋に生きている人なんだと感じた。それに対する江國さんのコメントもまた愛おしい。「愛する人に一つの骨のボールになってくれって言われたら、倒れるほど幸福だな。そのあとどうなっても、その一瞬でも言ってもらえたら」

    結局死ぬ時にしか人生は清算できないように、愛についても死ぬまで本当に誰を愛していたのかわからないかもしれない。人間は死ぬ時、愛されたことを思い出す人と愛したことを思い出す人がいる。

    恋に堕ちたら衿を正して最後までおちたい。そして愛をたくさんくぐり抜けて死にたい。私はそう思います。かっこよすぎ!

  • 個々の引く一線以外に恋愛の線はない。
    踏みとどまったり、踏み越えたりするために、一線がぜひ欲しいという人は、自分で引きましょう。

    この人がどこかで生きていれば、一人で生きていける。

    価値観なんて違って当然。むしろ最初にあった二人の愛情や恋心が現実の生活に負けただけ。

    その場所に世界を見いだしてしまうことが恋ですし、それまでその人が全人生をかけて構築してきた世界の外に出てしまうことが恋です。

    「相手を愛しいと思う気持ちがなければ異性を抱けない」
    多くの女性がそうであるのと同じで、私も愛しい人以外には抱かれたくない。
    けれど男の人は違うのかしら。女ほど体を重ねる事に繊細では無いのかな。
    そんな思いは常々渦巻いてるので、この考えを持ってる男性の言葉はやはり嬉しくなる。
    自分の好きな人も、そうであってくれたらいいのに。

    「ずっと一緒だよ」って、「ずっと離れない」ってお互いが言った時って、それはずっとなんだから、永遠なんです。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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