償い

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著者 : 矢口敦子
  • 幻冬舎 (2001年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344001053

償いの感想・レビュー・書評

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  • 中盤はおもしろい。
    しかし後半はちょっと無理がある展開だったかな。
    なんか読了感はもうひとつ。

    “ひとの体を傷つけたら罪になるけど、心を傷つけたら罪になるのか”

    の作者のメッセージは、あまり響かなかったです。
    日高、真人の心があまり重く感じない。
    そのほかの人の心も普通かな。

    いや、今、異常すぎる事件が多いので相対的に話中の人たちの心が大変にみえなくなったのか・・・。

  • 医師をやめ、野宿者となった主人公日高は、幼少期に助けた少年と再会する。二人の周りで次々に起こる死亡事件。自殺か他殺か?犯人は誰なのか?
    そして、日高と少年が直面する償い、それはただ生きることだった。

    テレビドラマ化された作品ということを読み始める直前に知りました。
    なので、主人公日高は、ドラマの配役谷原章介さん以外には思えず、読み進めました。
    重いテーマでしたが、随所に散らばる伏線に、先が気になり、一気読み。
    なるほど、の最後、読後感は良かったです。

    続編があるとのこと。
    それもまた読んでみようと思います。

  • 生きることが償い。意外な結末。主人公二人は、これからも辛い思いを抱えながら、でも生きて行くんだろうなあ。

  • 「人の心を殺しても、罰せられないのですか?」。絶望を背負って生きるホームレスと、15歳の「殺人鬼」。二人の魂が、救済される日はくるのか?
    かなり、重い内容の小説だった。でも、だれもが、「これでよかったのだろうか?」、「相手を、傷つける言動を、とったのではないだろうか?」と、後悔することがあるだろう。傷つけたり、傷ついたり、それもまた、「人間」と、「猿」との、違いのひとつかも?しかし、最後に、主人公と、少年が、「大切なもの」を、見つけることができて、よかったと思う。

  • 少し前にNHK BSプレミアムで放送されたドラマの原作。エリート医師からホームレスに転落した主人公を谷原章介が演じ、最近の地上波では少なくなった重苦しいストーリー。
    序盤から中盤にかけては引き込まれたものの、後半は個人的には少し残念な感ありでした。

  • 「36歳の日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、エリート医師からホー
     ムレスになった。流れ着いた東京のベッド・タウン光市で、高齢者、障害
     者など社会的弱者ばかりが殺される連続ナイフ殺人事件が起き、日高
     は知り合った刑事の依頼で「探偵」となる。
     やがて彼は、かつて誘拐犯から命を救った15歳の少年・真人が犯人で
     はないかと疑い始める。「人の心の泣き声が聞こえる」という真人は、
     「不幸な人は死んでしまえば、もう不幸は感じずにすむ」と言う。
     自分が救った子供が殺人鬼になったのか―日高は悩み、真相を探るう
     ち、真人の心の深い闇にたどり着く」

     最近、新聞の広告で評判になっている作品。
     広告のキャッチフレーズに乗せられて思わず文庫本を買ってしまおうかと
     思ったが、待て待て図書館にもあるはずと買わなかった私は賢かった。
     たしかに、前半はすごく面白かった。
     ホームレスとなった元医者の日高がかつて命を救った少年が殺人鬼と
     なっている・・・と思わせる設定に引き込まれて絶望的な結末を予期しな
     がらもどんどん読み進んでしまう。
     ところが、後半一気に物語はまとまりがなくなるのだ。
     突然、関係ない人が出てきたり、「そんなはずないだろう?!」って
     怒れてくるような展開になる。
     そりゃ~これでは絶版になるはずだ。完成度が悪すぎる。
     せっかくの話が台無し。なんで、素直に少年が殺人犯っていうストーリー
     にしなかったのか疑問だ。

  • 真人は犯人なのか、最後まで日高と一緒になってどきどきした。
    にしても日高さん、元医者か、てっきり元刑事かと思った。
    会話の応酬が的確すぎ。
    好奇心で動くといっても積極的すぎなような気も・・・。

    次々と明らかになる人間関係が複雑に絡み合いまくってて
    とくに真人の事件の後日談はちょっとつらすぎ。
    泣き声が聞こえるとゆーのは彼にとっては本当なのかも。
    あらゆることが悪い方に悪い方にいっちゃってて
    なんでこーなるんだーっと叫びたくなるほど。

    重い荷物を背負ったまま歩き続けるしかない。
    真人も日高も。
    でも不幸なら死んだ方がまし、と思ってしまうのも確かにあって。
    生きることこそ償い。
    でも償いきれることなんてきっとない。

    それでも生きてていいんだと
    人はどうして思いたいのか。

  • 医師からホームレスになって、連続殺人事件を調べることになる
    って内容が面白いかなと思ったんだけど、
    実はあんまり記憶に残っていない...。

    ***********************************************************
    内容(「BOOK」データベースより)
    36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。
    流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。
    やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが…。
    絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?
    感動の長篇ミステリ。

  • 大学病院に勤め、出世レースの真っただ中にいた『日高英介』は、家庭を顧みることなく仕事に没頭していたあげく息子が病死し、妻が自殺した。ホームレスとなった日高は、かつて幼児を助けた町で火事に遭遇し警察の取り調べを受けることとなる。一風変わった老刑事と知りあいになった日高は、この町で多発する事件にかかわるうちに、13年前自分が助けた少年と再会する。



    以降、内容に触れます


    何か過去のありそうな野宿者の男が火事遭遇するところから話は始まります。まだ数十ページを読んだだけですが、「これは面白そうだぞ」と直感しました。そしてそれは裏切られることなく、ぐいぐいと読み進めていけました。やはり登場人物に魅力があると違いますね。
    自分の子より患者を優先した結果息子が病死し、不用意に責めた妻が自殺してしまう。しかも、命を救った患者が結果的に酷い障害を患うことになった現実に打ちのめされ生活を、個人を捨てた男が、かつて医者として一度だけ無償で助けた少年『草薙真人(まこと)』と再会する。他人の鳴き声が(心の)聞こえるという真人は「不幸な生なら死んだ方が幸せだ」と主張するものの優秀な好少年で、日高が思うように二人のシーンはとても温かでした。なので一層芽生えた疑念が当たらないように願ったくらいです。真人もだけど、日高の心情を思うとやるせなくなっちゃうから・・
    結局のところ、最悪の想像は外されましたが、真っ白という訳でもなく・・まあ罪に問われるとしたら友人の一件だろうけどそれも曖昧な書かれ方だしね。
    過去に性犯罪の被害者になりかけ、命は助けた(助けられた)のもも、事件の影響で家族の状況は悪化し、お母さんは精神を病んでしまってるし・・ほんと切ない。彼らが悪い訳ではないのに、ちょっとした落ち度はあったかもしれないけど、責められるべきようなことではないはずなのに、被害者及び家族の人生が狂わされるのは、ほんとうにやるせないです。
    「どんな人であっても、不幸の真っただ中で死ぬなんて、そんな悲しいことさせちゃいけないよ」「生きることが償いだ」一度自分を殺してしまった日高の言うことだからより響きます。この再会が前へと進むためのものになったのが救いです。

  • 主人公、日高英介のキャラクターが良い

    幸福? 不幸?

    人は最後のときには、幸福でなけりゃ、笑って死ねれば、どんな人生にマイナスがあったとしても、そこですべてプラスに逆転するんだ。

    どんな人間だって、価値がないといえば言えるし、あるといえばいえるものだ・・・

    「どうして救急車を呼ばなかったんだ」「他者の心を傷つけたものは、どうやって裁かれるべきなのだろう」「僕の罪はどうやって償えばいいんだろう」

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