女優

著者 :
  • 幻冬舎
3.06
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本棚登録 : 62
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344002883

感想・レビュー・書評

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  • 女優の話ではない。
    自分の人生を演じる女優のように生きているということ。
    しかし、佳乃は努力した。理想の自分を演じることに予習までしてしている。演じる、他人の眼ばかりが気になる。佳乃にはなりたくない。

  • 2020.12.6-351

  • 汚部屋に住む自意識過剰な二十九歳の佳乃と学生時代からの友人達の油断ならない交流と、ネット上から佳乃に執着する引き籠もりの女性。職場を偽り料理教室で等何事も完璧であるよう努力を怠らない佳乃に突き付けられる上司や同窓会の厳しい現実が切ない。淀んだ犯人とは過去からして決定的に隔たっていて潔白さに見直した。

  • 「女優」は、ヒロインの佳乃が、誰もが羨む理想の女性を演じていたってことか。
    美貌で仕事ができ、素敵な恋人がいて実家も裕福、こんな女性がいるのかとため息が出たが…。まさか、そこまで演じていたとは。しかしこの気苦労は、凡人にはわからないのだろうな。理想にあと少しで届きそうな佳乃だからこそ、破滅寸前までいってしまったのだろう。そうすると…凡人で良かったか?ま、ドラマにはならないが。

  • 大手化粧品会社で働く平川佳乃、29歳。
    見栄っ張りで、弱みを見せず、人からよく思われたい、注目されていたいという完璧な女を演じる女性。

    ここまで見栄を張るのは疲れるだろうし、まわりは気がついているだろうとも思う。
    しかし、自分を完璧に保つため、ものすごく努力している姿は嘲笑できないものがあった。
    (図書館)

  • 佳乃は綺麗な女性なんだろうなあ、見てみたい
    佳乃の見栄を張る気持ちも分かるし、今はそこまでじゃないけど、昔はそうだった、佳乃のような子が高校にいたけど、確かに周りは面白くないなあ、いつも自分が注目されていなくてはいけなくて、注目されるためにわざと大きい声で話したり、集合に遅れてきたり。。。注目されたい気持ちが分かるから、こちらは冷めてしまう。
    佳乃の頑張りには素直にすごいと思う。そこまで頑張れるのも、才能と長所だと思う。

  • 本音と建前を使い分ける女たち。自分の弱さや、ダメさを押し隠して見栄だけで生きるのはしんどいだろうな。女なら誰でも、人に良く見られたくて自分と違う自分を演じてる所はあるけれどそれが度を過ぎると逆に人に嫌われちゃうんだな…難しい。文章の中で気に入った所は、相手との気持ちは好きキライは相思相愛なんだ。という言葉。自分が嫌ってたら、相手も自分を嫌ってる。確かにねー。上辺は仲良さそうにしてるのに、腹の中では毒吐いてたりして、私もそう言う所あるから怖いわ〜

  • 見栄っ張りで、人から良く見られるようにと常に仮面をかぶっている女性、佳乃。常に見られる事を意識している事を指しての「女優」ですので、本当の女優さんのお話ではないです。

    この佳乃って人はまぁそれはそれは極端なのですが、皆多かれ少なかれこういったことはあるだろうなぁと思います。嫉妬が見え隠れする、佳乃とその友達の会話とか面白いです。腹の中の黒いものを隠して、優等生ぶった発言をし、絶対に本音は見せない。。。みたいな感じ。
    女友達数名で話してても、全員がそんな感じみたいな。。。

    佳乃の見栄っぱりぶりはほんとにすごいので、そこまでやるか?とかなりドン引きなんですが。
    でも佳乃の事をそこまで嫌な奴とも思えないんです。
    それは、佳乃がものすごく努力をしているから。
    弱音や愚痴は吐かず、自分を良く見せるための努力は惜しまない。

    努力の方向が若干間違っているのですが、段々追いつめられていく佳乃に頑張れ~と思いながら読んでいました。

  • 何年か前に読んで忘れていたので読み返し。。
    佳乃に感情移入できない★ 見栄張りあって、めんどくせー付き合いだなあ・・・と思います・・・。
    出てくるひとがみんな病んでいる・・・。
    最後はなんとか落ち着いてよかった。

  • 女優というタイトルに象徴される仮面を被った女性たち。大手化粧品会社広報部にいたヒロインと友人たちの女の付き合いの華やかさと怖さは結構迫力がありました。ちょっと現実離れしているところもあるとは思いましたが、著者を知っていると違った気持ちで読んでしまいます。ヒロインの佳乃は著者を思い浮かべたり、女優の木村佳乃をイメージしながら読みました。女性にとって広報部とは魅力的な部署であることが良く分かります。コンプラ、法務がちょっと可哀想な書き方ですが。

  • 初めて読む作家さんで、「どんなもんだろう~」という感じでしたが、中々良かったです。
    最初タイトルの「女優」を見て、単純に女優が主人公だろうと思っていたら違ってました。
    主人公は人に完璧に見られたい、「完璧な女性」を演じる女性でした。

    主人公は大手化粧品メーカーに勤める美人OL、平川佳乃。
    彼女は常に人の視線を意識していた。
    人に優しく見られたいと親切な行為をした後、わざと名刺を落とす。
    人に少しでも話題に乗り遅れたくないと、話題の中で知らない事があるとすぐにそこに行き、リサーチする。
    同級生の神山沙耶と高山美紀子と通うフランス料理の教室では、事前に作る料理に関連する歴史などの知識を調べ、一度下調べでその料理を作るという念の入れよう。
    しかし、人に見られない部分はどうでも良く、部屋は散らかり放題。
    そんな彼女に同窓会の知らせが舞い込む。
    かつての同級生たちに最高の自分を見てもらいたいと思う彼女は金を惜しまず、自分磨きに励む。
    そして、整形をしようか・・・という考えが浮かぶ。
    整形関連の知識をネットで調べていた際、あるサイトで一人の女性と出会う。
    彼女は親切に色々と整形の事について相談に乗ってくれる。
    そんな折、佳乃はいつものように親切にした事が仇となる事件が起き、それを同級生の沙耶に知られてしまう。

    完璧でありたい、あろうとする主人公の姿がとても丁寧に描かれていて、そこが読んでいて面白かった。
    終盤に謎解き的なものがあり、それを見ると読者を何度も勘違いさせるように、幾つかの伏線をはっているのが分かりました。
    ただ、真相は「なるほどね~」くらいなもので、それらが描かれている部分はやっつけ的な印象でした。
    主人公の生活ぶりがかなり興味深く読めただけに比べるとどうしても物足りないというか・・・。
    それに最初から嫌な女だな~という印象の主人公の印象が急に変わって「イイ子」になったのも何だかな~という感じ。

    完璧であればあるほど、皮肉なことにほんのちょっとの綻びですら目立ってしまう。
    そんな女性を描いた「女優」というタイトルかと思いきや、演じていたのは彼女だけではなかったという・・・タイトルがきいた話だと思いました。
    また、この人の本は読んでみたいと思います。

  • 意地と見栄に固執してる佳乃。

    それなりにというよりそれ以上に努力しているのだから
    すごいなと感心してしまう。

  • サスペンスなんだろうけど、ストーリー的に強引過ぎていまいち。
    人物の設定は、まあ良いのだけど・・・・
    '11.12.10読書完了

  • やっぱりこの人の表現はかなり上手いと思う。なのでストーリー的にちょっといまいちかなあ、と思った前作に比べると、ぐっと良くなった感じ。
    他人の目というのは、たぶん誰でも気になるものだと思う。けれども必要以上にそれを気にして、常に完璧であることを自分に求め続けるヒロインの姿がものすごく痛々しい。そしてそれと同じくらいに「病んだ」人が多くて、しかもこれってけっこう「他人事」じゃあすまないかも。「怖い話」だと思って読んでいたけれど、実は「悲しい話」。もちろん「怖い」部分もいっぱいあるんだけれどね……。

  • 短編集『イジ女』はしょーもない女がポンポン出てきて楽しかったけど、この長編はちょっと厳しい。主人公にまったく感情移入できないので、サスペンス的展開になったときにぜんぜんハラハラできず。物語より人物描写の作家さんなんですね。

  • 30歳前後の美人キャリアウーマンの・・・これでもかっ、ていう程醜い(?)見栄の張り合いの結果、ライバルが殺され・・・
    最後の解決の方法が私的には不満。
    刑事がもっと活躍しても良かったなぁ〜。

  • 登場人物の活かし方に足りないものあり。バランスの悪さが目立ちつつも女性心理のサスペンス設定は興味深い。今後も期待。

  • こういうのもサスペンスって言うのかな。誰にでもある見栄が引き起こす事件。

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