- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344003613
作品紹介・あらすじ
吹上市の学校関係者たちは、教頭も、校長も、その息子の新任教師も、ちょっと可愛い女生徒も、彼女とつきあっている体育教師も、熱心な社会科教師(殉職)とその妻も、高校野球(といっても軟式)部員と監督も、生徒会長も、PTAも、卒業生も、職員室も同窓会も、それから町の小説教室の講師(売れない日曜作家)も、みな過剰な自意識を持てあます、あやしい輩だった。そんな吹上の町に、怪事件(大量殺人を含む)が相次ぐ。その裏には、とんでもない真相が隠されていた…。思いどおりに犯罪をとげられない人々の悲しさと可笑しさをオフビートに描いた書き下ろし連作小説集。
感想・レビュー・書評
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正直、私が読んで良かったのかなって思いました。私は題名やパッと見の目次で読む本を決めるタイプです。初め、ラジオ体操殺人事件とあったので「楽しそうだな」と思い、読んでみました。しかし実際はとても残酷で狂った人間の中身が、ありありと書き出されてあり、中学生には刺激的でした。一応完読しましたが読み終わりの何とも言えない後味は苦々しかったです。殺人は怖いです。。
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(収録作品)ラジオ体操殺人事件/吹上四十人殺し/蔵書印の謎/吹上駅よ、さようなら/部長の殉職/ホームルーム・グッドバイ
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「田舎の事件」のような連作短編集。やはりブラックなコメディタッチ。特に「夏休み 吹上四十人殺し」が凄い。もちろんタイトルから察せられるとおり、「津山三十人殺し」がベースといえるのだけれど。大量猟奇殺人を扱っているのにこれだけ笑える作品ってないよ? とにかく全編あほらしさ(ちなみにこれは誉め言葉)に満ちていて、かるーく読める一冊。
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…うーん。あんまり好きじゃないなぁ。倉阪氏ってホラー作家さんだったんですね。面白おかしいミステリだと思って借りたので、ちょっと残念でした。
どの物語も後味が悪くて、読み終えた後はすごく暗い気持ちになりました。読んでいる最中も、「私、何でこの本を読んでいるんだろう…。」と、ふと思ったり。人々の心の奥底にひっそりと潜む狂気が怖くて、そして気持ち悪かったです。でも最後の「ホームルーム・グッドバイ」で、他の物語たちがどんどんと繋がっていったのは面白かったです。が、その更に後のエピローグ。このオチは微妙だったかな。 -
放課後の完全犯罪、その完全なる失敗。−「なんで、こんなことに
なっちゃうんだろう?」思いどおりに犯罪をとげられない学校関係者
の、悲しさと可笑しさをオフビートに描いた連作小説集