- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344004665
作品紹介・あらすじ
真剣に生きるって、恥ずかしい。恥ずかしくたって、いいじゃない。不器用な五人五様の煩悩がすれ違ったとき、少しだけ人生が動いた。待望の書き下ろし小説。
感想・レビュー・書評
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優柔不断、プライドの高すぎ、成り行き任せ、自意識過剰、自己中な主人公達の短編小説。
彼らの性格や生き方にどうしても共感できなくて、読み始め少し苦痛だった。でも読みやすく、一冊読み終えたときはそこまで後味が悪くはなかった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カバー製作/若山夏子 カバー撮影/山田雅巳 ブックデザイン/守先正
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初めての平安寿子さんの作品。語り口 調がすごく上手でまさにひとり5役。 主人公たちはそれぞれ客観的に自分を みながら日々を生きている。そんな毎 日のなかの「もっと、わたしを」。共 感出来るとこもあった。
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トイレに監禁された主人公。
二股してた自分が悪いんじゃん。なんて思ったりして。 -
『人生はつらくて当たり前だからね。』
そうか、つらくて当たり前か。 -
5つの連作短編集。それぞれの主人公たちは、不器用で自分のことばかりのちょっと「困った人」なんだけど一生懸命に生きる姿は好感がもてた。「愛はちょっとだけ」が一番好き。
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初めて読んだ平安寿子の本。
文章のテンポがよく、また連作短編(中編?)小説となっているので前に出てきたキャラクターがサブキャラとして出てくるのでおもしろかった。
一番面白かったのは「いけないあなた」。主人公が恋人宅を訪れると、なんと二股をかけていることがばれていた。そして主人公はトイレに閉じ込められてしまう。そして浮気相手の女性も呼ばれ、トイレの中で恋人と浮気相手が言い争うのをじっと聞くはめになる、という話。
話のテンポがとてもよく、言い争いをするうちにだんだんと浮気相手も恋人も本音があらわになってゆく。最初はトイレに閉じ込められた主人公を「いい気味だ」と笑うが、読み進めていくうちに「おいおい、どっちとも結婚はやめたほうがいいよ」と忠告したい気分になる。
それぞれの話の主人公はどれも人間くさくて、共感したりあきれたりできた。 -
あんまり言わないよね、他人はこういうこと。
だけど、似たようなこと考えたことはあるんじゃないかしら。っていう作品。
モテルと気分いい。
自分の武器が何かって意外に知ってる。
浅はかでもそれが武器なら使うよね。
品行方正にばっかり生きてはいられないのですよ。っていうね。
作品の力としては並だけど、結構なるほどと思えました。 -
バーのママで、ゲイのハナちゃんのことば。
「・・・・人生はつらくて当たり前だからね。だから、うちらみたいな商売があるんだ。でも、やけ酒はゆっくりおやり。眠れるくらいでやめとくんだよ。二日酔いなんかしたら、嫌な一日いつまでも引きずるのと同じだもの。お酒がもったいない。つらいことをごまかしごまかし生きていける程度に酔うために、お酒はあるんだから。」
つらいことをごまかしごまかし生きていける程度にか・・。
生きていくためには、ごまかすことだってときにはありだ。
その手段はお酒とは限らず、
本だったり、仕事だったり、思い切り泣くことだったり。
それで我慢して、忘れて、まだまだ人生これからさ、と思えたらいいじゃない。