- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344007062
感想・レビュー・書評
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建設会社がどのような仕事をしているかを、マンガ、アニメ、映画の世界の建設工事を受注する「ファンタジー営業部」という設定を通して紹介。
本書の案件は、「マジンガーZ格納庫」。ディティールにとことんこだわり、実際にマジンガーZ格納庫を造るとしたら、どういう工法にすべきかを追求している。その中で、東京湾アクアラインなど過去の大型工事等も紹介され、建設工事の技術や進め方が楽しみながら理解できるようになっている。会話形式なので読みやすい。
建設会社のPRとして、非常に面白く有意義な試みだと思ったし、前田建設工業が良い会社だということが伝わってきた。
ただ、建設工事の門外漢には、専門用語(解説もされているのだが‥)など、まだちょっととっつきにくい部分があったのは否めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マジンガーZ収納庫を実際に作るとしたら・・・を真面目に前田建設が見積書を出すまでの紆余曲折。
縁のない建設業界の「へぇ~」が詰まってます。
当分頭の中で、水木一郎さんの声で「マジンガーZ!!」がぐるぐる回ってそうです。 -
[ 内容 ]
2003年2月。
21世紀の建設業界を力強くリードする会社を目指し、前田建設内に「ファンタジー営業部」が設置されました。
受注に関し「同じパイを取り合う」と評される建設業界において、他社が一切未参入の分野、つまり奇跡的に手つかずの「パイ」が、映画、テレビ、マンガの「劇中の世界」だと気づいた時、前田建設は迷わず「空想世界対話装置」の開発に着手、見事完成させたのです。
そこに広がっていたのは価格競争だけでなく、難しい課題を解決する技術力と想像力が本当に試される世界でした。
かつてアニメに描かれた科学は今や空想ではない!
実在の大手ゼネコンが、「マジンガーZ地下格納庫一式工事」に真剣に取り組みました。
予算72億円、工期6年5ヵ月(ただし機械獣の襲撃期間を除く)で引き受けます。
[ 目次 ]
プロローグ 架空の建造物を思い描いた、すべての方々へ
1 ファンタジー営業部颯爽登場
2 汚水処理場の夕陽に咲くマジンガー
3 兜博士の遺産
4 グシオスβ3の歌が聞こえる
5 立坑の掘り方教えます
6 掘削法面は立っているか
7 水槽300tの水圧
8 ジャッキアップ超特急
9 積算はいかが
10 ファイルProject 01を提出せよ
付録「マジンガーZ格納庫・模型」
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
うちの会社が「マジンガーZの格納庫」を受注したら、どんな工法で、いくらかかるか? 実際に見積もりたててみました~という、ユニークな考察。前田建設のHomepageの内容を単行本化。土木の現場ではなにが行われているのかを解説するために、アニメの物件持ってくるというのは、いいアイデアだったなぁ。かなり無理矢理だが、技術的には「なんとかなりそう」なところがスゴイ。webでは、Part2として、銀河鉄道999の発着用高架橋についての見積もりも読める。
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マジンガーZの格納庫(汚水処理場)をつくるには?そんなことを思い付くのもすごいが、本気で検討しているからさらにすごい。実際に作る場合の課題や技術が専門的に記載されており、ものづくりに携わる人でも、ただのマジンガーファンでも楽しめる一冊
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子供の頃、リアルタイムで見ていたマジンガーZで憧れましたよ、プールの底からせり上がるマジンガーの姿。
大人になった今でも、地下の機械式駐車場から自分のクルマが出てくるのを待ってる時の気分は、あの頃に近いかも。
ああ、そうか、造れるんだねぇ・・・と感動した(笑) -
中堅ゼネコンが、ゼネコンのイメージアップと会社の知名度アップとねらって始めたプロジェクトを紹介した本。
そのように書くとなんだか狙いすぎというかいやらしい感じがしますが、別にそんなことはなく、純粋に面白かったです。
映画やアニメの架空の建造物を造るにはどうしたらいいか、設計して施工方法を考える、というプロジェクト。
かなりキャッチーです。
元々は一部社員のクラブ活動というかボランティア活動で、それをWebで紹介していたというもの。
今もWebで新しいプロジェクトとこれまでのプロジェクトの進行状況が紹介されていますが、本になっているのは第一弾プロジェクト、「マジンガーZの格納庫を造る」です。
プール(汚水処理場の一部)がざざーっと割れて、下からマジンガーZが登場するというイメージ。
関係者から提出された資料と、アニメのビデオを見て、より絵に近いものを造ろうとするわけです。
青木ヶ原樹海に巨大な竪穴をどう掘削するか、地質はどうなのか、とか、
「マジン・ゴーッ!」から10秒以内で25mで上昇する昇降装置は油圧にするかワイヤーを使うか、とか、
機械獣からの攻撃に耐えるような耐震(耐衝撃)検討はどうすればいいのか、とか、
いろいろ考えなくてはいけない。
もちろん、架空の方法ではなく、現在の技術で実際に造ることを前提にしています。
積算までして、工程、工期、費用など、概算ながらもきちんと出します。
会社としては、ゼネコンってこんなことをしてるんだよ、ってことを紹介しているつもりでしょうが、読んでいていちばん印象に残ったのは、フィクションの建造物という、アホな話と知りつつも、真剣に考えてしまう、おじさんたちの熱い技術者魂、なのでした。 -
前田建設は「土木の前田」と呼ばれているそうな。
ファンタジー営業部の第1弾。ウェブ上で連載して、一定期間経つとウェブからは消して本にしている。
この巻はマジンガーZ。といってもマジンガーZ本体ではなく、それを格納する格納庫の建設。○○は現実にできるか、といった話はよくあるけれど、それを支える周辺建築物を実際に作ることができるか、という視点は大好き。いい意味で会社のプライドを感じる。
取材も綿密で、構成も結構おもしろい。現実に格納庫は造れるんだねぇ。しかも、それなりの予算で。 -
マジンガーの格納庫を実際に作るとしたら…という本。こういう議題に大真面目にとりくむ前田建には(いやな略し方)好感を覚えます。
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マジンガーZの格納庫(見たことないのでわからないけど)をリアルに作ったらいくらかかるのか、というのを大マジメにゼネコンがやっちゃう奴です。
このゼネコンのテリがテリだけに、あと前々から噂にはなっていただけに、読んでみました。すごい!大人っていいね。夢を現実にできるんだね。感動。プロっていいなあ。
ゼネコンの仕事、施工管理の仕事って、端から見てると本気でわかりにくい(別に自分が職人としてトッテンカッテンやってるわけでもないし、かんなを削ってるわけでもショベルカーに乗ってるわけでもないですから)けれど、初心者にもわかりやすく説明してくれてます。新入社員D職員の目線で読むといいんじゃないでしょうか。
建築の知識を動員しながら、諸方面の調整役をするんですね。積算とかも、ちゃんとわかりやすく説明してくれてありました。
ありがとうです。