半島を出よ (上)

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著者 : 村上龍
  • 幻冬舎 (2005年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344007598

半島を出よ (上)の感想・レビュー・書評

  • 設定は、面白いです。作者の綿密な資料の読み込みを感じます。読んでいるうちに、ありえることなのではないかと思います。しかし、いろんな肩書や登場人物が多すぎて、疲れます。下巻は、どのような展開になって、エンディングはどうなるのか関心が、あります。

  • 2005年に発刊された本で、村上龍氏によって書かれた本です。フィクションのジャンルにはなりますが、村上氏が膨大な時間・労力をかけた上にできあがった力作です。

    北朝鮮の反乱軍を装ったテロリストが、先遣隊9名で、プロ野球開幕戦が行われている、福岡ドームを占拠し、その数時間後には輸送機数十機で、先発隊500名が上陸。彼らが、市長・知事に独立を宣言させた後に、不正に蓄財している人から財産を寄付させることで経済力も蓄えていく、といった話が上巻の内容です。最初は脅されていて恐怖心から反乱軍の命令に従って、徐々に多くの人が積極的に協力するようになる人々の心の変化は興味ありました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本には核爆弾の製造技術はあっても、搭載攻撃手段がないことに、目をつぶっている(p40)

    ・財政破綻寸前の預金封鎖、外国為替及び外国貿易法の改正による海外資産凍結、インフレと金融不安、あらゆる経済活動の縮小と大量の倒産・失業、国債の暴落、外貨準備高の減少、いずれも放っておけば破綻すると言われていたこと(p179)

    ・日本には七千近い離島があり、その中の423の島に人が住んでいる(p182)

    ・政治家は常に少数を犠牲にして、多数を生かすという宿命を負っている(p244)

    ・反乱軍がそのまま共存されながら迎え入れられたケースは多い、アレキサンダー大王、ローマ時代、明の時代、チンギス・ハーン、ソ連についた政権に反乱してドイツ軍と共存したフィンランド旅団、ナチスに懐柔された傀儡政権に反乱してドイツ軍と共存したポーランド軍など(p258)

    ・旧ソ連はアフリカや中東に、国籍・軍籍を剥奪した特殊部隊を送った。捕まっても捕虜ではなく傭兵やスパイ、として扱われる。ジュネーブ条約の適用受けないので、処刑されて遺体が母国に戻らない(p294)

    ・危害を加えるつもりは無いが、共存に敵対したり、軍事的攻撃や暴力的犯行、有害な宣伝活動には処罰を与える。これは、アフガニスタンやイラクに侵攻したアメリカが、クウェートに侵攻したフセイン、旧日本軍が満州に侵攻したとき、フランスがアルジェリア、イギリスがインドを、イスラエルがパレスチナへ、ヒトラーが東ヨーロッパに侵攻したときも(p312)

    ・耕作と家畜飼育は軍服ではなく作業着で行われていたので、階級もあいまいになり規律が乱れた(p406)

    2015年12月8日作成

  • 我が街、福岡市なおかつ近所が舞台なので、登場する通りや施設などリアルに感じれワクワクする。
    下巻が楽しみ。

  • 面白かったけど、なんとなく読みにくかった。

  • 一気に物語の世界に引き込まれた。ひさびさに村上龍の作品を読んだが、やっぱ凄いわ。

  • この人(村上龍)はすごい、と思った。描写はどぎついけど、どこか静かで、最後まで一気に読んだ。

  • 2014.10.14読了。
    今年34冊目。

  • リンチ描写が、、、。
    ちょいちょい説明飛ばしながらやっとのこと読了。
    それにしても日本ボロクソ言われてますね。
    下でどうなるのか楽しみ!

  • 北朝鮮の脅威に対して武力の強化が無意味である事を痛感させられます!

    政府首脳に求めるのは早期に最小限の犠牲を払い解決に務めること。

    でも厳しいよな。
    自分の判断で百人、千人の生命を犠牲にしなきゃいけないのって・・・

    一生夢見が悪くなりますね。


    そうなると近隣諸国とはどんな事があろうとも永遠に仲良くやって行きましょうねと思います!

  • 100円で買っちゃてすみません、って感じか。

  • 北朝鮮に侵略されたあとの日本の対応がリアルで恐い。日本は戦争したら絶対負けると思うから。最初登場人物の一覧を見て、あまりの多さに眩暈がした。日本人でさえ名前をカタカナで書いているから、カタカナを覚えられない私にはちょっときつい。が、面白い。これからどうなっちゃうの?

  • 丁寧に取材し、構成された力作。個々の章、場面が楽しめる。ただあっけない幕切れはスリルあるが興ざめ。

  • 北朝鮮の反乱軍が九州で独立国家を構築する為に
    福岡ドーム一帯を占拠した
    反乱軍を敵と位置付けるかどうかも決められない日本政府
    反乱軍の作戦は順調に進んでいく

    物語に厚みを持たせるために、
    登場人物の背景を語るのは分かるが、それが多すぎる。

    現状の日本の危機管理意識の低さを浮き彫りにしている。

  • 面白かった。
    結構衝撃的作品。

    いつなんどきどういうふうに転がるかはわからへんねんなぁと思ったし。

    危険がつきまとってるなーと思った。

  • パト2や沈黙の艦隊に通じるものがあるが、敵が日本人でないことと内容のリアルさに、腹の底が重たくなるような怖さを感じた。国家を守るために犠牲も止むなし、自分がそうなっても構わない、と言える人間がどれだけいるだろう。
    ホームレス中学生らの心には共感してしまう所が多く、自分の社会性の無さを再確認。流石に彼らほどではないけれど。
    村上龍は初めてだったが、比喩が面白い。他のも読んでみようか。

  • 結構面白い。
    北朝鮮から、攻められる話。

  • 初村上龍でした。装丁が格好いいなあと思ったら、鈴木成一デザイン室謹製ということで納得しました。
    わたしはどうやら、こういうフィクションで出てくるアウトロー(というか、社会不適合な)少年が好きなようです。下巻はとにかく彼らに気持ちが入りすぎて、泣いてしまいそうになりました。
    複雑な社会事情や軍事情報も、これでもかというくらい説明しているのに、読んでいて退屈させない文章にしているので驚きました。文章量は多くて読むのに時間はかかりましたが、投げ出そうとは思いませんでした。これが村上龍さんの書く文章の特徴なんでしょうか。
    母が村上春樹よりも村上龍派、と言っていて、「コインロッカー・ベイビーズ」を薦めてきましたが、是非読んでみたいです。その前に「歌うクジラ」が読みたいな、音楽付きで。

  • 読みにくかった点として、登場人物が多すぎる。数えてませんが、全体を通して名前が出てくる登場人物がざっと50人以上はいたんじゃないでしょうか。上巻の中盤くらいまではそのせいではっきり言って読みにくかったです。

    しかしストーリー自体は衝撃の一言。
    実際に日本の一部に北朝鮮から反乱軍という何とも中途半端な立場の者たちが侵略してきたら本当にこういう展開になるんじゃないかと言う気がしてきます。及び腰な日本政府とそれを承知でそこに付け込む北朝鮮や諸外国。保身で頭が一杯の政治家や官僚たちとそのためにどんどんと抜け出せない深みにはまっていく状況。それに翻弄される福岡市民たち・・・。

    北朝鮮国内情勢の描写がとてもリアルでそれにも驚きました。村上龍さんはそういった資料や情報はどこから仕入れたんでしょうね??全くの作り話と言うこともないでしょうし。入念に下調べをした上での作品なんだろうなと感じました。

    かなり読了に時間を掛けてしまった作品ですが、読む価値のある一冊でした。

  • 村上龍はえぐいけどおもしろかった。

  • 村上龍の『半島を出よ』上・下巻を読んだ。最近、仕事も忙しくて結構長く掛かった。

    最近の北朝鮮の核実験やそれに対するアメリカ、中国、韓国と日本の対応を見ると、実際にこの物語のような事件、すなわち朝鮮半島統一に向けた北朝鮮の変遷のために軍の一部の分離のようなことが必要になる日が来るのかもしれない。

    その時、日本の一部への侵攻が北朝鮮の国家主導もしくは軍の一部のクーデターとして起こる可能性もゼロではないのかもと思った。

    この話の中には、さまざまな立場のグループが並列で登場してくる。話の展開は、一部前後しつつ進んでいく。最後は多少呆気なく終わってしまった印象もあるが、面白いストーリーであった。

    登場するコリョ軍の一人一人の感覚と日本人の一人一人の感覚があまりにも離れていて、それが現実にもそうなんだろうなぁと思うと共に、その感覚の違いがストーリー全体に大きな影響力を与えているようだ。

    2006年11月25日 読了。

    結構、今もタイムリーな話題ですね。

  • やっぱり面白いわ~。こういうの書くから村上龍を止められないんですよね。
    もうイシハラとかめちゃくちゃ気持ち悪くてこんなキャラクターを作ってしまえるところが本当すごい。

    なんか発売当初の感想が「何知ったかぶって語ってんの、ププ」みたいなレベルの低いこっぱずかしいものですが、まあいいか。どうせ誰に見られるでもなし。

    10.08.18 再読


    頭の悪い表現ですがここ10年、村上龍は実にイケてなかった。
    援助交際に乗っかったりサッカーに乗っかったり坂本龍一に乗っかったり引きこもりに乗っかったり。
    『乗っかる』事はマーケティングの結果であって村上龍はそれを実にエキサイティングに噛み砕いて作品を排出できる作家ではあったけれど、ここ10年、彼は実にイケてなかった。
    それはその期間の彼の作品群を見ても明らかであるし、実際の作品も「ビミョー」としか言いようの無い暗いだけだったり、説教臭かったり、読む気すら起こらないような作品が多かった。

    『コインロッカーベイビーズ』で味わう破壊衝動と高揚感
    『走れ!タカハシ』の軽いテンポ
    『コックサッカーブルース』で描かれる偏った性癖
    『初めての 夜二度目の夜 最後の夜』で感じる獲得と喪失

    これら過去の作品を中途半端になぞるだけの10年だったように思うのです。
    作品から感じるナルシズムと思い込みの激しさはどこへ行ってしまったんですか!?
    『13歳のハローワーク』が100万部売り上げたとしても私はそれを小説家である彼の評価に直結できないのです。「やっぱり、乗っかるところは乗ってきたな。」それが私の感想。

    しかし、『半島を出よ』は違った。
    やっぱり村上龍は乗っかった。
    でもこれは凄い。

    話は変わるのですが、日本でも特にメジャーな小説家と言えば、村上春樹・吉本ばなな・村上龍と言っても良いでしょう。この3人の作品に共通する事は一つ 『行って、帰ってくる話』 。これだけ。

    村上春樹は『行って、帰ってきた』後、周囲に上手く溶け込めない話。
    吉本ばななは『行って、帰ってきた』後、何だかんだで上手くやっていける話。
    村上龍は『行って、帰ってきた』後、なんてどうでもいい話。

    つまり、村上龍は『後』をどうにでも変化させて作品を出してきたのですね。 しかし『半島を出よ』はそもそも‘行って、帰ってくる話’ですらありませんでした。

    後編へ。

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