ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)

  • 232人登録
  • 3.40評価
    • (18)
    • (23)
    • (80)
    • (6)
    • (1)
  • 51レビュー
著者 : 斎藤由多加
  • 幻冬舎 (2006年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344008601

ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 履歴書への押印の話、駐車の罰金の話など、意識せずにいたが言われてみるとどうなっているのか、という話が多く書かれていた。
    一番印象的なのは、時間の話。
    理由がわからず待っている状態が一番ストレス、理由や目安時間を理解したうえで自分の意思で待つのはそれほど苦にならない。
    そのための工夫がいろいろなサービスで行われている。
    後は、コカ・コーラはおいしさの追求というよりコカ・コーラであることで地位を固めているというのもそういう商売が一番うまいなと思った。

  • リクルート出身のシーマンを作った方のエッセイ集。世の中の何を面白がり、何に注目しているのか、という内容はとても刺激があり面白かった。叶うならば、第二、第三作と読みたい。以下抜粋。
    ------------------------------
    ・洋服にはSもLもあるのに、値段は同じ。その常識に取り憑かれすぎて、そうなっている根拠すら知らない自分がいます。
    ・サッカーのようにわずかな情報を大きな価値に変換するインテリジェンスを持った人々、一般的にはファンと呼ぶ。つきつめると付加価値というものは全て、ものではなく、人間の側にその受け皿があるかどうか。
    ・待ち時間を表示する、ということは待たされている、という行為から待っているという行為に代わるためストレスは減る。人間の尊厳は自分で選択をしていくことに紐づくのでは。
    ・違和感を払拭するための説明は、受け入れられた後は全て忘れられてしまったほうがよいと思った次第です。

    ・良いセックスというのは気の交換。する側とされる側がないから、回転運動のように関係が長続きする。
    ・消費者が当初念頭においているものとは異なる価値と出会わせること、つまり「予期せぬ発見」が広告本来の目的ということになります。

  • おすすめ資料 第57回待ち時間もお客さんのコストです。~本質を発見する50のエッセイ~(2008.1.25)
     
    この本のタイトルは、客からみれば待ち時間もコスト(=支払う値段や代償) の一部だ、という意味です。(p68-69,文庫p72-73「ファーストフードの意味」より)。

    注文後に店員の一言『~は3分少々お待ちいただきますがよろしいでしょうか』があれば、「待つ/別のものを注文する/急いでいるのでキャンセルして帰る」といった行動の選択権を、客自身が持てるようになります。
    『はい、かしこまりました』だけでは、客はいつまで待てばいいのか分かりません。
    席を外すこともできずに、ただひたすら待たされるはめになり、行動の選択権を奪われることになります。

    客がファーストフード店に期待する"Fast"は「客が店を出るまでの時間を指すのであって、単に調理時間のことではない」(p69,2-3行目)ですし、又「本当のサービス度とは客に選択肢を与えること」(p69,10-11行目)だ、というわけです。

    他にもこの本には、普段見落としがちな「本質を発見する」ためのエッセイが、著者斎藤氏の実体験を中心に50本掲載されています。
    いずれも2~3pの短いエッセイですので気軽に読むことができますが、ゲームクリエイターとして多くの人気を集めた著者ならではの着眼点がとても面白く、いつもとは違った視点・着眼点で物事をみる体験を楽しめる1冊です。

    尚、文庫版が刊行されていて(2007年9月)、表現が若干修正されている分、より読みやすくなっています。
    これから入手される方には、文庫版をおすすめします。
    最後に、その他のエッセイから一部をご紹介します。
    答えは本文にて。

    1.公衆電話からの110番
    公衆電話からの110/119の通話料金は、誰が支払っている?
    →(p166-167,文庫p172-173)「110番の電話代は誰が負担しているのか?」

    2.謎の広告
    電柱の張り紙「Loose 30 lbs, 30day 30,ドル 555-XXXX」は何の広告?(アメリカにて)
    →(p46-49,文庫p48-51)「人間の補完能力」

    3.待ち時間の表示
    遊園地や駐車場が、「ここから50分待ち」などと待ち時間を表示している理由は?
    →(p70-73,文庫p74-77)「ディズニーランドの場合」
    →(p76-77)「親切心の賞味期限」、(文庫p80-81)「情報の賞味期限」

    4.違法駐車の代償
    違法駐車のペナルティーは、罰金だけ?
    →(p175-176,文庫p181-182)「もうひとつのペナルティー」

    5.デパートの灰皿
    デパートは店内が全面禁煙なのに、入口に灰皿が置いてあるのはなぜ?
    →(p168-171,文庫p174-177)「北風と太陽」

  • 時間に対する考え方は、共感できる。
    物の見方考え方を知るにはよかった。
    ただし、そんなに面白くない。

  • 未来に選択肢を持つ持たせる話。
    発想術。

  • 42

  • ・マニュアル作成。よく知る者ほど、なにがわからないかがわからない。
    ・名前をつけると分かった気になる。わかるの第一歩。
    ・形式が力を持つようになっていく。履歴書の捺印。領収書の存在。
    ・情報は、それ自体ではなく、解釈する側によって情報量が増える。サッカーのシュートは1ビットだが、観るものには何メガもの情報になる。
    ・行列と待つ事に関する考察。選択肢がないことが苦痛。選択肢を与えるのがサービス。あと何分かかるかわかれば、並ばない選択や、他のことをする選択が可能になる。
    ・選択する以前に、デフォルトとして存在することの圧倒的な利点。電話蛮行は、0077おさないとNTTにかかる。
    ・コカコーラという、唯一無二のオリジナル。その安心感。
    ・携帯電話は、無線機として売り出していたら売れていなかった。シーマンはペットとして売りだして成功。
    ・人を惹きつけるには目玉(シンボル)がいる。大玉で、画面に釣り鐘をだしたのは、それが理由。
    ・リクルートの住宅情報誌は、それまで個別不動産が握っていた情報を、白日の元にさらし、同じパラメーターで横並びに提示したことによって、東京証券所のような、場やフォーマットとよべるものになった。
    ・ゲームのルールに込められた、作者の隠れたメッセージ。シムシティにおける公園。
    ・無断駐車の罰金に正当性はあるのか?
    ・わかりにくい標識。金の行方や徴収の根拠が不明な、車関係の罰金やレッカー代。

  • 久しぶりにのんびりと読書した。
    クリエーターの視点というのは、人それぞれ違うものなんだなぁと感心させられた。
    久しぶりに読んだ本としては勉強になった。色んな視点を持とう、そう思わさせられた。

  • ところどころ「なぜ待つことは嫌なのか」みたいな考察で、結構真理をついてるんじゃないかと思う記述があったりする。
    ま、ちょっとした面白エッセイで、別に発想術が解かれているわけではないけれど、普通の読み物として普通に楽しめる。

  • 図書館で見かけて、何となく面白そうだなーと思って手にした1冊。図書館てところが泣かせる。買えよ。いや、Kindle版が出たら買うかも。マジで。

    それくらい面白かった、ってことなんですが。

    著者はドリームキャスト唯一と言ってもいいかもしれないキラーコンテンツ『シーマン』を作ったゲームクリエイター。(ドリキャスのキラーコンテンツって、サカつく(プロサッカークラブをつくろう!)もそうか?)

    僕は初代プレステ以降は殆どゲーム機に触ってないから、やったこともないし分かんないんだけどね。初代プレステも、はっきりと記憶に残ってるのはFF7、8、9とペルソナくらいかな。他はもう全然ですわ。

    で、この人の発想が面白い。ゲームクリエイターだからどうこう、って話じゃなくて、単純に「こういう発想もあるんだなー」とか「なるほど、そう考えるのね、この人は」とかっていう、自分にはない着想、発想が与えられるんだよね、読んでると。

    例えばシーマンの話の件で、認識できない口調、言葉が続いた時、プロトタイプでは「よく聞こえない、もう一回言って」ってのを繰り返すだけだったのを、「お前の話、何回聞いても分かんねぇんだよ!もう帰るわ!」って逆ギレさせたら評判が良かった、って話。

    これもよく考えたら、別に画期的な話でも何でもないし、結局のところ、相手の言葉を認識しきれていない所に問題があるわけやん。著者もそう書いてる。それをギャンブル的に相手の責任に置き換える。これが逆にリアリティを与えてるんだよね。こういう発想はなかなか出てこないし、出てきても実行する度胸はなかったりする。でもそこを敢えてやるって姿勢が、大事になってくるんだろうなぁ。

    一番面白いと思ったのは、第二章の『正確とリアル』という節の『タワーというゲーム』の項。ちょっと長いけど引用。

    <em> かつて私が制作した『タワー』は、きわめてリアルで緻密な高層ビルのシミュレーションゲームとして評価を得ました。
     ですが、実のところこのゲームには「空調」も「給排水」も「構造計算」も入っていません。複雑な高層ビルを「人の移動」という軸で切り取り、あとの要素は一切割愛されています。
     ちょうど戦術の「略図」と同じです。ばっさりと不要な要素を削ぎ落とし、ひとつの軸でビルを再構成した結果、因果関係が明確になり、ユーザにとって正確でないぶん、リアルになった。
     人間がひとつの目的を持ったとき、かならずしも「情報量が多いこと」がリアルとはならないようです。</em>

    これは現実世界でも同じだなぁ、と。

    ここ数年ずっと考えていることなんだけど、今の時代はいかにして「余計なものを削ぎ落とすか」「どれだけ割り切れるか」「どこまで絞り込めるか」がポイントになると思ってる。そうしないと、ノイズに邪魔されて本当に必要なもの、やるべきことを見失ってしまうから。

    そのために「何が大切なのか」「何を目的とするのか」を明確にすることが大事で、コレがないと削ぎ落としも割り切りも絞り込みも出来ない。これは上記の引用した部分で言っていることと全く同じなんじゃないかなぁ、と。

    インターネットの普及で、いろんな情報を誰でも簡単に即座に得られるようになった。コレ自体は非常に素晴らしいし、僕としても今となってはインターネットやスマホのない世界には戻りたくない、と思ってる。

    その分、ノイズが多くなってきているのも事実。スパムメールなんかは分かりやすいノイズだし、今日も全く知らない美人の女性からFacebookで友達申請が来た。「あー、これは釣りだなぁ。出会い系サイトに誘導するんだろうなー。どんな手で来るんだろう、ちょっと楽しみだから乗っかってみるか」と思って申請を承認したりしてみたんだけど。

    それはさておき。

    ノイズが多いって話だ。いろんなノイズが増えてきている。正確には「自分にとってのノイズ」だな。他の人にとっては非常に有益な話題かもしれない。ただ、自分にとっては優先順位的に低くなる話題。でもそういうのについつい踊らされたり惑わされたり。

    そこでどれだけノイズを削ぎ落とせるか、ってのが重要になってくると思ってる。

    それは、前述のタワーの話でもそのままつながることだと思ってる。

    おっと、本の感想じゃなくなってきてるな。

    ともあれ、文庫版も出てるみたいだし、一読の価値はありますよ、マジで。全ての人にオススメします。

全51件中 1 - 10件を表示

斎藤由多加の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
ロバート キヨサ...
劇団ひとり
有効な右矢印 無効な右矢印

ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)を本棚に「積読」で登録しているひと

ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)はこんな本です

ツイートする