迷宮百年の睡魔 (GENTOSHA NOVELS)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344009172

感想・レビュー・書評

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  • SF/ファンタジー/ミステリー
    『女王の百年密室』の続編。
    前作でも感じたが、情景描写が非常に美しい。
    都市の謎、殺人事件の謎、メグツシュカの謎、すべてが魅力的。
    ミチルとロイディの会話も興味深い。というか、ロイディ可愛い!!
    精一杯想像力を働かせたこともあり、刺激的な読書体験だった。

  • 22世紀。迷宮の孤島「イル・サン・ジャック」を舞台にしたSFミステリー。「ウォーカロン」と呼ばれるアンドロイドが普及した近未来の世界は、生身の人間と、人工知能の境界が曖昧だ。人間とは何か、人工知能は人間になりうるか。イル・サン・ジャックの、夢の中にいるような雰囲気が好き。人が殺されるミステリーにもかかわらず、グロテスクさは希薄だ。むしろ、美しい。

  • ■紹介

    "森が一夜にして消失し周囲は海になった――そんな伝説を持つイル・サン・ジャックは百年間、外部との接触を一切、拒絶した迷宮の島だった。なぜか取材の許可を得たジャーナリスト、サエバ・ミチルと同行者ロイディ。彼らが、この地を統治する女王の宮殿モン・ロゼを訪れたその晩、砂で描かれた曼陀羅の中央、密室状況で僧侶の首なし死体が見つかった。誰が何のために殺したのか? そして頭部はどこへ? 深く美しく謎と解決が連鎖する、森ミステリィの傑作タペストリィ。"

    ■感想

    百年シリーズ第2弾。
    どう見てもモン・サン・ミシェルです本当にありがとうございました。
    一度で良いから行ってみたい。

    前作に引き続き、人間とは何なのか、を根本的に考えさせられる作品。
    なぜ、ひとつだけの体、ひとつだけの精神なのか。
    心と体は切り離せないのか。
    もしロボットが人間と全く同じ姿で動き、全く同じ思考能力を持ったなら、人間とロボットの違いはどこに生まれるのか。
    この身体を動かしている”自分”は、本当に”自分”なのか?

    そして、前作の女王以上に謎多き女王メグツシュカ。
    彼女の正体が判るか判らないかで、今作の評価は大きく分かれるかと思われる。

  • このシリーズは2冊しかないのかな。文句なしに面白いんだけど。ところでメグツシュカ様は四季さんですか。

  • 再読って思ってたけど初めてだったかも…ロイディとミチルの関係がかわいすぎます。
    あと、途中で「ロイディとミチルの会話は、一人の人間が脳内で二つの人格を持っているみたいに見えるなあ」と、何の脈絡もなく思ったのですがそれを思わせたことがすごいなと。
    ミチルは道流のクロンってことなのでしょうか?

  • スカイクロラを彷彿させられたのは、俺だけか。推理小説と言うより空想科学小説かな。それでも、会話のやりとりの部分は森さんっぽさがかなり出ていて楽しめた。

  • 以前に読んだ「女王の百年密室」の
    延長線上にある感じの作品。

    舞台は22世紀初頭、主人公は
    テクニカルライタのサエバ・ミチルと
    相棒のウォーカロン(ロボット)ロイディ。

    この二人が、小島に建てられた城塞都市に
    取材に行くところから物語は始まる。

    この島は、百年間外界との接触を絶ってきた。
    今は周りを海に囲まれているが、
    以前は周囲が全部森だった。でもある日、
    森の気が全て消えて、海になってしまった。

    ...こんな不思議な伝説を持つ島の、
    ちょっと不思議な住人たちとのふれ合い。
    ミチルの過去とつながりがあるらしい王様。
    王様と謁見中に起きる不可解な殺人事件。
    王の母である女王と、前作との意外なつながり。

    王の部屋で気分が悪くなったミチルが、
    目を覚ましてみると、島の周りの海は消え、
    砂漠に取り囲まれていた...

    こんな荒唐無稽で、とても魅力的なお話。
    しかもここに、前作で明らかになった
    ミチルの過去に起因する現在の特殊な事情が絡む。

    前作で「よくぞこんな設定を思いついたものだ」
    と感心していたら、本作ではさらにその
    ナナメ上を疾駆するストーリー展開。

    アクションシーンも織り交ぜつつ、
    新たに起こる同じ手口の殺人事件や、
    ミチル自身も知らなかった過去の秘密。

    いっぱいいいっぱいの内容なのに、
    ゆるめるべきところはテンポをゆるめ、
    ロボットが見せる小洒落たリアクションなど、
    嫌みのない演出も効いていて、読みやすい。

    読み始めたら、一気です(^ ^
    ぜひ、前作を読んでから挑戦してください(^o^

  • 「女王の百年密室」の続編です。
    サエバミチルが死んだ恋人が取材で訪れた事のある「女王のおさめる島」へ向かいます。
    その孤島で起きる怪奇な殺人事件、ミチルの死んだ恋人を慕う王子、謎が満ちていきます……。

    百年シリーズは先にラジオドラマで聞いているのですが、サエバミチルの声・女王の声が役にぴったりと合います。
    それから手に取った活字ですが、まったく面白い!!
    ロイディのほかにウォーカロン(強いてたとえるならロボット)がもう一体登場します。その子とロイディのかけあいがこの作品唯一の癒しです。

    女王の統治っぷりが最高。

    人間らしいウォーカロン(ロボット)繋がりで瀬名秀明(パラサイト・イブを書いた人)の「デカルトの密室」を読んでみてはいかがでしょう。

  • つづき

  • 2004年4月11日読了

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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