- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344013322
感想・レビュー・書評
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大村あつし 『無限ループ』
(2007年5月・幻冬舎)
深夜の歌舞伎町。
突然雨が降り出し、古びたビルに逃げ込んだ西城誠二は、雨宿りをしていた女子高生から全財産をはたいて奇妙な買い物をする羽目になる。
広辞苑を二つ並べたほどの大きさのそのブツに掌を乗せて、日頃から恨んでいる上司の顔を思い浮かべると、箱の液晶パネルには「90」の数字が。
と同時に、上司の全財産の90パーセントに相当する現金が現れた。
煙のごとく金が消えてうろたえる上司。
嬉々とした誠二は、その箱を「シルバーボックス」と名付ける。
これを使えば、怒りに比例した、しかも相手にばれることのない完璧な復讐が可能。
誠二は、次なる獲物を上司の援交相手の経理の麗子に定める―。(セブンアンドワイHPより抜粋)
特定の人物を思い浮かべながら手をのせるとその怒りの程度に比例して相手の資産が手に入る、という、言ってみればドラ●もんの道具をひとつ手に入れた男の話である。
とにかく鼻についたのは、人物描写の薄っぺらさ。類型的で、上っ面をつるりと撫でた程度の人物造形には辟易した。
楽しめたのは主人公が憤怒するところだけ。
しょうもないことで、ムキィーッ!と怒っている様子がなんだか微笑ましい。
見え見えの伏線と大味などんでん返し。
しかも後になってみて「ま、まさかこれがどんでん返しだったのか?!!」とたまげるほどの出来。
この作者、元々はITライターという肩書らしいが、最近は小説に比重を置いているとか。もう小説は書かないほうがいいと思われ。
ちなみに、帯に「最低3時間は確保して読み始めてください」とあるが、1時間で読了。カベ。合掌。
25点(100点満点)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヨーコちゃんについてもうちょっと詳しく
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なかなか面白かったです。実際シルバーボックスなんてものがあったら怖い。ただ、表紙がぐるぐる回って気持ち悪い。
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【怒りに応じて復習相手の財産からお金を引き出してくれる箱】の話。
そんな箱を平凡なサラリーマンが手に入れて・・という内容。
まぁ、なかなか面白かったです。
字も大きいし読みやすいので短時間で読めます。 -
ヨーコさんがもっと見たかったな・・・
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こんな箱があったら欲しい。でもあるわけないじゃんとしか思わせられない所が弱いと思った。
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読みやすくあっという間に読了。
シルバーボックスを手にしたしがないサラリーマンである誠二の運命や如何に!
お金の使い方も知らない人間が、突然大金を手にしたが故の悲劇である。
全身を高価な物で身を固めても、その垢抜けなさは見る人から見ればすぐに見破られるのだ。
話の発想は面白いが内容的にもう一捻りほしかった。 -
表紙に惹かれた。ぐるぐるする。
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一気に読めます
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『持ち主の怒りを金に換算し、「悪いやつ」から奪い取ってくれる機械』を手に入れた男の話。平凡な生活が狂い始め、追い詰められていく過程が自然に描かれている。 極端に狂っていかない所が自然。不思議な話を思いつくなぁと感心。面白いし、ちょっと「自分だったら」って考えさせられる。妙な魅力の一冊。グルグルな装丁も一見の価値。(ホントにグルグルに見える)