悲望

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著者 : 小谷野敦
  • 幻冬舎 (2007年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344013674

悲望の感想・レビュー・書評

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  • 一気に読了、著者と同じような体験をしたことがある私としては(私の場合は小学生時代だが)「早く諦めてあげなよ!」という空気感、クラス中の女子の「某さんがかわいそう」的言動、目線の中での学校生活がひどく惨めだったことを思い出した。私のせいで辛い思いをしている、その某さんをかわいそうだと思うこともよくあった。当時の担任(女性)に「あんた、いい加減にしなさい!」と怒られひどく落ち込んだこともあった・・・

  • もてない男のストーカー行為を描く小説。一人称で書かれているが、視点は現在にあるため、彼女を想うあまりやった行動がことごとく嫌がられる理由をクールに分析するのがおかしい。
    私小説とのことで、想われてしまった彼女は本当に可哀そうで、きっとトラウマになっただろうと思う。
    結構面白く読んでしまったが、彼女は研究者としてたいしたことないとか散々な書きようで、著者のことを好きにはなれない、というか、嫌い。
    他の著作やこの本のあとがきも自分を批判する人を攻撃してばかりで、ほんと、人間としていかがなものかと思うよ。
    小説としては、終わりも唐突で、できはいまひとつという感じ。
    でも、もてない人はぜひ読むといいと思う。
    反面教師としていいから。

    「なんとなく、クリスタル」を研究者の世界に置き換えた「なんとなく、リベラル」は、いかにも内輪ネタ。
    実在の人物が名前を少し変えて出てくるので、ゴシップ好きにはよろしいかと。

  • 6位
    評論家でもある著者の処女小説集。「非望」は私小説と銘打っているように、小谷野敦そっくりの青年、藤井旭が主人公ですが、「なんとなく、リベラル」では、作者の分身、菰田崇は脇役(それも悪役)に回っています。

    『もてない男』で有名になった小谷野さんですが、その期待を裏切らず、「非望」の主人公は相手にふられてもふられてもしつこくつきまとい、読者の笑いを誘います。地の文から見ても、完全に自覚していることが分かる。

    「なんとなく、リベラル」は、もちろん『なんとなく、クリスタル』のもじりで(それにしても月亭可朝の「なんとなく、暮らしたる」は実におかしい)、文学批評についての注がいくつも付いています。ほかにも、なんとなく高踏的な単語が飛び出してくるので、私は自分のスノビズムを満足させることができました。
    と、ちょっと偽悪的な感想になってしまうのは、小谷野さんの露悪的な作風にひきずられているからかもしれません。

    小谷野さんは「すさまじく、ラディカル」な人なので主人公、岡村朋のような人は嫌いなはずなのですが、この中編を読んでいて、私は彼女に感情移入してしまいました。だから二編あわせると、結構バランスがとれているんですよね。

    小谷野さんはなかなか理性的な小説を書くようです。これからは、もっと「思想の絵とき」のような小説を書くといいかもしれない。なんとなく、小説は情念的で評論は理性的、という先入観があるのですが、小谷野さんの場合、情念は評論の方で噴出されているようだから(ちょっと出しすぎなんじゃないかと言いたくなるくらいに)。

  • 2009/11/10 これ、怖い。随筆調のせいか時系列が寄り道気味。

  • 小谷野敦さんの本を昨年図書館で集中的に読んだ時には、この本はまだ知らなかった。気になる本だ。エッセイから小谷野ワールドへ入っていき、あれやこれや読んだ、そして、これが小説。また、読んだら、☆印もつけます。

  • 帯にあるとおりこれはストーカー物語である。しかも東大、大学院、留学 と進む超のつくエリートの同僚に対する悲しいまでの一方通行の想いである。小野谷氏はもともと学者である。風俗や恋愛に関する「マジメ」な本がいくつもある。その小野谷氏の告白小説 と言うことになっている。つまり 実体験。だからものすごくリアルである。巻末にこの小説に対するとある作家たちの対談への「解説」があるが、これがまた面白い。ものすごくマジメに言い訳(というと失礼だが)している。もてない男の片恋小説 というと最近では 京大出身森見氏が思い浮かぶが森見氏の小説にあるような「いじらしさ」「愛らしさ」はこれには ない。関西の“笑い”を含んだ妄想と関東の“マジメ”の差か…

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