交渉人 遠野麻衣子・最後の事件

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著者 : 五十嵐貴久
  • 幻冬舎 (2007年9月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344013773

交渉人 遠野麻衣子・最後の事件の感想・レビュー・書評

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  • 警察上層部の身勝手さにうんざりさせられたり、犯人との頭脳戦で手に汗握る攻防。こういった緩急の描写に良い意味で見事に踊らされてました。
    作者の思う壺といったところかな。

    宗教に傾倒していったり身勝手さが加速していく過程はうーんと頭をひねる場面もあったけれど
    知らず知らずに主人公に肩入れしてしまっている自分。一緒にエールを送り、最後の場面ではガッツポーズしたくなってました。ここまで心に入り込んで来る作品にめぐりあえて、妙に達成感のある読後でした。

  • 真犯人自体は、中盤以降で想像されるし、犯罪に至る理由も同様である。最後に真犯人と対峙し、論理的にかつ精神的に真犯人を追い詰め証拠を露呈させるのは痛快であった。また最後に辞職を迫る管理官に向けて同僚二人がクールに説き伏せる姿は、ビジネスパーソンには熱いものを感じたと思う。このシリーズで問いたいのは、人としての永遠のテーマのひとつである「正義とは何か」なのかもしれない。

  • 詰めが少々まだるっこしい。
    集団パニックの恐ろしさ、非常時情報伝達の速さと杜撰さは震災で嫌と言うほど味わった。
    また起きないことをただ祈るばかり。
    【図書館・再読・7/9読了】

  • 五十嵐貴久の作品はテンポがよく臨場感があり事件内容も良く練られていて、とても面白いのですが、この作品もかなり面白かったです。
    カルト教団信者による爆弾テロ事件と交渉人遠野麻衣子との戦いなのですが、遠野の分析力の高さから真犯人に徐々に迫っていくところはかなり引き込まれました。最後の犯人との戦い?(交渉?)は読みごたえがありました。
    でも中盤あたりで犯人の察しはついてしまいましたね・・・

  • 再読シリーズラスト。「最後の事件」といいながら……、というところであるが、警察という組織の論理で考えたら当然の帰結でもある。
    東京壊滅ひいては日本という国そのものの壊滅を願う犯人との息詰まる攻防(というほど力量は均衡していないが)というストーリーと同時に、日本における組織のあり方、組織を構成する人の論理を描いている。
    テレビや映画などでは型破りな刑事が登場し、華々しく事件を解決するけれども、現実には上意下達の絶対原則で成立している警察組織では、組織としての面子や保身、個人的な感情などで理不尽なことが行われることも珍しくない。
    警察だけではなく、一般の企業などでも、組織の上位に位置するものほど、体面や保身を第一に考えてしまうものである。
    正常バイアスがかかるために、危機管理がおろそかになる。まさかそんなことは起こるまいとたかをくくってしまう。
    しかし、一方ではそういった組織としてのあり方にも当然必然性があるわけで、そのあたりを単純に描いていないところが、もどかしいけれども納得できる部分でもある。
    あの憎たらしい長谷川にしたって、決して悪者という扱いではないのだ。
    すべての人には、その人なりの正義や論理がある、と一口にいうけれども、それが本当はどういうことなのか、をじっくり考えさせてくれる。
    前作の「交渉人」の場合は、医療過誤に絡む様々な思惑を描いた。本作では、宗教を絡めた世界観について描いていて、犯人側の思想を描くことで、多様な価値観を提示していると思う。

    しかし、作者の思いは、島本の言葉にあるような気がする。
    「どんな動機があったにせよ、人は人を殺してはいかんのです」と島本は語る。単純な言葉なのだが、すべてはそこから始まるスタート地点の言葉だと思う。
    島本に関してはもう一つ好きな言葉があって、そりの合わない権藤警部について、「あの人のことは大嫌いだが、信じている」と言う。
    こういう考え方のできる島本はいいなと思う。

    交渉人シリーズを読み返してみて思ったのは、意外なほど、遠野麻衣子の印象が残らなかったなということだった(笑)。あまりに整っていて、あまりにきちんと不遇で、しかもそれを優等生的に受け止めてしまうから、感情移入しにくいのかもしれない。読者とはわがままで贅沢なものだな。

  • 五十嵐貴久 『交渉人遠野麻衣子・最後の事件』
    (2007年09月・幻冬舎)

    犯人から交渉人に指名された広報課の警部・遠野麻衣子は、メールのみの交渉手段で東京を救うことができるのか??
    人質は、東京都民。要求は、教祖の釈放。
    警察と真犯人の4日間の息詰まる攻防を描いた傑作サスペンス。
    ベストセラー『交渉人』第二弾!
    銀座交番、桜田門、二階建てバス……。都内の各所で爆弾事件が発生する。
    犯人の要求は2000人の死者を出した“宇宙真理の会地下鉄爆破テロ事件”の首謀者・御厨徹の釈放だった。
    犯人の代理人となり、警視庁との「交渉人」に指名されたのは、広報課の警部・遠野麻衣子。
    限られた時間の中で真犯人を突き止め、爆弾を発見し、東京を救うことはできるのか?
    読み出したら止まらない傑作サスペンス。 (セブンアンドワイHPより)

    う~む・・・。終盤の展開はさすがと思わせる筆力で、読み終えての満足感はあるんだけど、正直言って途中辛かった。

    前作『交渉人』が入門編なら、今回は応用編かな、と期待していたら肩すかしを食らう。
    推理はすれど、交渉ほとんど進まないんだから。

    主人公遠野麻衣子の成長が描かれるのかな、と思いきや、立派にやっていけてるみたい。
    立派にやれてるどころか、交渉人としてのキャリアのわりに、素晴らしい勘の冴えを見せてくれるし。

    対照的に日本の警察機構の無能さ、理不尽さは、読んでて嫌になるくらいのダメっぷり。
    警視庁上層部の頭の固さ、物わかりの悪さはしつこいくらい描かれていた。

    あと、映像化を意識しすぎているのか、場面転換が多いわりにスピード感に欠ける。
    会話部分の読みにくさも目についた。

    確かに前作とリンクしている部分もあるが、これはこれで単独作品として書いたほうがよかったのでは?といらぬお節介を言ってしまそうだ。
    だって描かれているのは大都市東京が孕む脆さ、危うさだし、解決の鍵は交渉でもプロファイリングでもなかったんで・・・。

    とまぁ、小言ばかり並べてしまったが、これも五十嵐貴久に対する期待の裏返しである。
    読ませる、という物書きに欠くべからざる資質は十二分にあるのだから。

    60点(100点満点)。

  • 「交渉人」の続編。どんどん追い詰められる心理的圧迫はすごいものがある。人間のパニック状態は東日本大震災を考えると日本人はここまではならないのだろうなと冷静に思った。

  • 交渉人シリーズ第2弾。
    今回は遠野麻衣子と頭脳犯グループとの対決を描いていまが・・・実におもしろいです。
    本当に最後の事件??・・・それは読んでのお楽しみで(^_^;)

  • この前作『交渉人』が、驚く展開の内容なのですが、それはその続編に相当する作品。『交渉人』の主人公、遠野麻衣子が再び活躍します。その他にも、前作に登場した人物が出ています。

    面白か否かと問われれば”面白い”に一票ですが、前半に比べると後半、って言うか、起承転結の”転”に相当する部分での物語の展開に違和感。全般的には比較的丁寧に話しが書かれているのですが、うまく話を転がせないのか、この転に相当するところではちょっと雑(あるいは、強引)な書き方になっています。

    それと、前作のときも感じたんですが、取材不足な印象が否めません。交渉人を題材にした話なので、逆探知とか、いろいろと電話を駆使したテクニックが出てくるんですが、誤解と言うか、事実誤認が散見されるんですよねぇ。あんまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、ケータイを使っているはずなのに、なぜかNTT東日本からそのケータイの情報を入手したりと、事実とは異なる書き方がされています。その他、電話関連以外の事柄にも、明らかに取材不足・知識不足であるところが見受けられます。この作品でも、前作でもそう感じたので、それがこの人の力の限界?なのでしょうか。残念ですねぇ。

  • ありがちな舞台設定と展開。やや描写が冗長だがしっかり書かれているのでそれなりに読めた。しかし、交渉人というタイトルの内容ではないように思う。

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