有頂天家族

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著者 : 森見登美彦
  • 幻冬舎 (2007年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344013841

有頂天家族の感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目の前に再読。
    登美彦氏の手にかかると、京都の町はワンダーランドに様変わりしちゃうのです。
    狸と天狗と人間が巻き起こすドタバタ劇、ケラケラ笑いながら読了です。

    こんな風にもふもふの毛玉たちが、うごうごしている京都を想像すると、にんまりしてしまいます。
    登美彦氏独特の語り口によって醸し出される、絶妙な抜け感がたまりません。
    ちょっと残酷なことにも、手に汗握る大ピンチにも、ふわりとユーモアをまとわせる感じ。

    偉大な父の血を引いた四兄弟、彼らの身体を巡る"阿呆の血"は、読者の心をも躍らせる魅力に満ちています。
    彼らの活躍がまた楽しめるというのは、うれしきこと!
    シリーズ3部作ということで、期待が高まります。

  • 立派がいきすぎて阿呆なのか、阿呆が極まり立派なのか。なかよし家族に阿呆要素がプラスされてすごくかわいい。

    お父さんが食べられたりお兄ちゃんが蛙になったり、つらい要素も感動なところもあるのに「面白家族愛」の雰囲気が崩れなくてすごい。読んでると書いてることが残酷でもヘンテコでも、なんでもかんでも受け入れてしまって衝撃を受けないというか。

    森見さんの書く阿呆が好き。読んでいると森見さんの阿呆への愛が感じられて、なんだかほんわかする。

  • 今は亡き偉大なる父、雷が苦手な優しい母、生真面目で堅物な長兄、とんとやる気のない次兄、純真で頼りなき弟、そして阿呆な主人公である三男・下鴨矢三郎。京都の街で繰り広げられるは、偏屈ジジイである恩師の届かぬ片思いと数々の悶着、宿敵・夷川家とのてんやわんやの攻防戦。でもこれは全部、狸と天狗とたまに人間たちのお話。狸界を震撼させる狸鍋騒動とそれに乗じた陰謀に、団結して立ち向かうのだ、下鴨兄弟。毛深きモフモフの家族愛と少しの涙が、今日も優しくコロコロと転がり続けていく。
    面白おかしきことも、悲しいのに許してしまうことも、すべからく阿保の血のしからしむところのようだ。一緒になって大声で叫びたい、くたばれ!

  • 食べちゃいたいほど好きなのだもの!
    そんな可愛いたぬき達。
    樋口一葉…四文字熟語にしたらそれらしい意味になったりするそのセンス!
    京都は摩訶不思議。
    すれ違う人がたぬきか天狗か人間か考えながら歩きたいです。

  • 再読。7年ぶりくらいかなぁ。
    森見さんは不思議な人です。京都の地理を魑魅魍魎が跋扈する妖界に変えてしまい、そこにあまたのものたちを住まわせている。そして、京都なのに、京都弁を一切しゃべらないものたち。キャラクターも、物語も、あまりに常識的な想像力を超えてしまうので、こちらも鍛えないとついていけない。加えて私は京都の地理がわからない。地図片手に読まなければならないのでしょうか。この世界を極めないと、本当の面白さはわからないのかも。そんなマニアックだからこそ、漫画にアニメ、2次作品が多いのも驚くばかり。
    本編。
    阿呆の血をもつ狸一族の長であった父親の死には謎が多かった。かといって、それを必死に追求するでもないのに、なぜか次第次第に明らかにされていき、さらには一族にも危険がせまります。そして、大活劇のうちに、大団円を迎えるのです。
    そして、多彩な面々の、不可思議な活躍ぶりを見せられているうちに、読者も容赦なく、その騒動に巻き込まれていきます。もう、逃れられない。
    この、読んだ勢いのあるうちに、続編へ行こうと思います。

  • 「2」を読む前に再読。本作が出たのはなんせ8年も前のこと、印象的な場面場面が断片的にうかぶものの、はて、どんなお話だったかな?ということで、おさらいしておくことに。

    いやー、やっぱり面白いわー。なんとキュートなお話であろうか。わたしのモリミー愛はこの頃が最高潮であったなあ。この後のは、「宵山万華鏡」以外、どうもぴったり来なくて、わたしの好きだったモリミーはどこ?という気分だったりする。うーん、「二代目の帰朝」はどうだろう。ちょっとドキドキ。

    何がいいといって、ふざけ加減が絶妙なこと。狸が主人公ではあるけれど、ファンタジーに流れず、でもどこまでも「物語」でリアルではない。わざわざ「作り物です」と大書してある世界の中に、こっそり真実が紛れ込ませてある。その「真実」は、なんだかすごく恥ずかしそうにしている。

    舞台となる京都というところが、なんというか、地上から5センチくらい浮いてるような、現実感の希薄な町なのだ。一連の森見作品は、こうした京都の特性と不可分だと思うのだが、この感覚が一般的なものかどうかはよくわからない。通りや店の名に涙がちょちょぎれる思いなのは、わたしだけではないとは思うけど。

    これはもう言い尽くされていることではあるが、独特の語り口が好きだ。本作ではお得意の韜晦は抑えられていて、かなり素直な語りになっている。キラッと光る言葉があちこちにある。「世に蔓延する『悩みごと』は、大きく二つに分けることができる。一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである」なーんて、思わず感心しませんか?

    四季の描写が美しい。何気ない風景に季節の変化が忍ばせてあって、所々でしばし立ち止まって味わう。夏の耐えがたい暑苦しさも、冬のしんしんとした冷たさも身に迫るようだ。ことに冷たい空気感を描くのがうまいなあと思う。

    偽叡山電車が都の通りを南へ疾走する場面のスピード感が、本編の白眉。
    「軒燈、街燈、飾り窓の明かり、飲み屋の軒先に吊された大提燈、西洋料理店の明かり、古道具屋の店先に置かれたランプ、窓の外を流れ去る街の灯が偽叡電の車体に映ってキラキラしている」
    寺町三条あたりから立ち上がり、新京極・河原町・先斗町の夜景を飛び越えていく「うねくるチューブのよう」な光り輝く白いトンネルを幻視して、ほーっとため息をつくのだった。

  • 狸と天狗と人間の愉快な物語。クスクス笑えて風情ある世界の中、個々の心に空いた淋しさの穴を愛すべきキャラ同士が埋め合い仄仄する。各界の壁も無く親子、兄弟、師弟関係等が温かく入込む。最後に緊迫の大合戦もあるが、絶妙に一言多い阿呆なやりとりが面白過ぎる。

  • 四兄弟とお母さん、赤玉先生、弁天、金閣銀閣がキャラ濃くて一気に引き込まれました。
    弁天に恋しちゃう矢三郎は、身分違い(というかなんというか…食べられそうになっちゃうんだからそれ以上)の悲愛で、ロミオとジュリエットもかくやというくらいのお話にしてもいいところを、「阿保の血のしからしむるところ」とした森見登美彦さんが素敵。

    矢三郎がへそ石様を燻る禁じられた遊びに興じているところ、腹筋やばかったです。

    最後の怒涛の展開が素晴らしい。
    続きが出て嬉しい♡

  • 現代の京都を舞台に、人に化けながら快活に生きる狸が主人公のジャパニーズファンタジー。

    森見登美彦先生と言えば京都。そしてどこか古風な表現ながらも愉快で笑える文章。
    盛り込まれたユーモアにいつの間にか引き込まれます。
    今作の核は狸の棟梁を巡るお話。主人公下鴨矢三郎は兄が棟梁になるべく奮闘するもおかまい無し。人間・狸・天狗の隙き間をのらりくらりと軽快に現代京都を「阿呆の血のしからしむるところ」をモットーに物語の中を行きます。

    アニメを先に知りましたが、アニメもそんな森見さんの表現を余す事無く、かつ京都の風景を素晴らしく表現してくれています。

  • 「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。
    「Amazon内容紹介」より

    もうどこに行ってもこの人もしかして本当は狸じゃないか、と思うようになってしまう.特に大学なんかうようよいるんじゃないか.何か阿呆なことがあっても、きっと狸がいたんだろう、と納得するだろう.いいんじゃないか.
    我々は、そして今日も奇行にはしる.
    面白きことは良きことなり!

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有頂天家族の作品紹介

糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ちぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天-。狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった。

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