ジバク

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 213
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344014633

感想・レビュー・書評

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  • おもわず、プロローグを再び、読み返してしまった...

    木の根元の老人は、未来の彼なのか...と読むと、苦しくもあり、

    でも、ラストの余韻からは、少し明るさも感じられて...

    その後、訓練校に通って、生活が軌道に乗るといいなぁ...と、祈るような気持ちになった。

  • これでもか、という転落人生を、不自然なく描く。

  • 「松子の男性版」という帯が付いていたということだが、松子とはまた一風違う感じ。
    どこにでもいる(いや、むしろ勝ち組)サラリーマンが、一歩間違えれば誰にでもありそうな選択をしたところからゴロゴロと転落人生に転がっていく様が虚しい。

    今作でも「株、ワーキングプア、不倫、死刑、義足や足の切断、ソーシャルワーク」などの多くの参考文献が書かれており、作品の中に生かされていた。

  • さまざまな職業につきながらだんだん落ちていく男の話。読み通してみると、いろんな仕事を経験したような充実感があった。仕事の内容の描き方が秀逸だから、実際にその仕事を経験した気分になった。
    「嫌われ屋松子の一生」を書いた作者が男バージョンを描いた。2008年4月2日読了。

  • 転落人生を追いかけるストーリー。
    ボタンの掛け違いで、みたいな流れで。
    疑似体験することにより、リスク回避できる。
    嫌われ松子の男性版。

  • 主人公の年収2000万の勝ち組ファンドマネージャーがインサイダー行為で会社を馘首、転落の一途をたどる。未公開売買詐欺に手を染め、ヒモになったと思ったら保険金殺人事件の標的にされ、日雇いのワーキングプアへ、挙句の果てに事故で事故で足を切断、障碍者に。ちょっとした気の迷いで人生が大きく変わってしまった主人公。人生にはいたるところに岐路があり落とし穴があるもんだ。最後は光も見えなくはないがこれでもかといいう転落劇に悲惨さばかりを感じてしまった。

  • 一千億円を動かす株売のチームを率いていた四十二歳の貴志の、学生時代に憧れた女性と不倫をし裏切られ、ヒモになり保険金目当てに殺されかけ、転職、貧乏、片脚の切断と、運命より主体的で、自業自得とも切り捨てられない転落。最後まで振り絞るようで救われなさが徹底していて、生きていかなきゃいけなさが淡白な苦しさ。

  • 同作家の読書は今回初。
    とにかく不幸、不幸の連続で引き込まれる。

    年収2000万の暮らしから転げ落ちていく出来事、描写がリアル。シドニィ・シェルダン作品の不幸からの成り上がりと真逆のスタイルです。

    ドラマ「相棒」の「ボーダーライン」という話に雰囲気が似ていると感じた。

  • 悲しい

    でもこういうことってきっと本当にあるんでしょうね
    今ある幸せを大切にしなくては

  • 良かった時から転落まで、幾通りもの人生を一人で体験してしまった感じ。少しずつ生活のレベルが落ちていくけど、貴志はヘンにヤケをおこさず、どちらかというと「仕方ない」と諦め半分に受け入れている印象。根が素直なのかもね。

    好事魔多し。「魔」は人生の絶好調をピンポイントで狙ってくる。

    あまりにも気の毒なので、できることなら人生やり直しさせてあげたいくらい。その時はきっと、女には慎重になる人生を選ぶんじゃないかなぁ。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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