「自分」から自由になる沈黙入門

著者 :
  • 幻冬舎
3.35
  • (36)
  • (69)
  • (106)
  • (33)
  • (10)
本棚登録 : 664
感想 : 113
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344014787

作品紹介・あらすじ

語らない。「ドウデモイイ」と念じる。欲望がスッと消える。不自由な自意識から解放される、修行僧的生き方のすすめ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 現代の様に自己が尊重され出した時代に読むべき一書。
    自己の誇示は不徳であり、御することの美徳を仏教の観点から書かれている。
    ただ、それが全てではないと言うことも教えてくれる。「来るもの拒まず去るもの追わず」精神ですべてを肯定する姿勢も見られる。
    我々が思っているより世界は私達に適応している。それを感じるための方法が書かれており、雑念を省き、本質の見方を教えてくれる一書です。ぜひ。

  • 表紙も中身もポップな絵が描かれていて読みやすくとっつきやすい。熱心な仏教徒ではないけれど、書かれている内容はそんな人にも十分理解できる、有益な内容だと思う。心がスッと軽くなった。

  • この著者の本はこれが初めてでして、沈黙入門という言葉に関心が湧き、手にしました。目次を見開き、中をペラペラ覗いてみるとただの仏教入門かと理解しました。でも他の坊主や、学者の書いた入門書とはチョイと違うなと感じました。他者を含め自己分析が長けていること、彼に言わせると自分を優位にしている、となるのでしょうが。仏道の修行に座禅がありますが、正念の境地に達する為には煩悩があっては集中力の妨げになります。煩悩を断つには自分濃度をどこまでも薄くするしか無い、ということかと感じました。気づかなかった人間分析です。

  • まさか『さよなら絶望先生』の話題が出てくるとは思わなかったが、幅広く何でも読んでる人なんだなと思ってそういうところにも興味がわく。
    人に対する「期待感」をどう薄めていくか、という話が一番参考になったかもしれない。

  •  「自分」から自由になる、というフレーズに惹かれて手に取った。些細なことでイライラして、余裕がない。口から出るのは愚痴ばかり。そして、自己嫌悪の繰り返し。そんな「自分」から自由になる方法を教えてくれる。この本で語られる「沈黙」は、自己顕示欲の濃度を薄くしましょうよ、という意味である。
     自分のことを「自分大好き人間」だなんて思いたくないけれど。思い通りにならなくてイライラする、自分の主張を人に押しつけてスッキリする、どうしようもないことを悩んでクヨクヨする。
    どれも根底には「オンリーワンな私の価値を理解して欲しい」欲求があると気づかされる。
    それが伝わったからといって、誰が嬉しい気持ちになるわけでもない内容なら、
    そんな考えは葬ってしまえばいいだけの話であります。(本文より)
    貪欲(ヨクボー)、瞋恚(イヤイヤ)(怒り)、愚痴(マヨイ)、いらないもの、余計なものをたくさん背負ってしまっているから人は苦労する。捨てたいと思いながら捨てられないものもある。 そういうものに、必死にしがみついていることさえある。ある意味それが人間らしさであるとも言えるし、日常の中でそれを超越するのは困難かもしれない。ただ、そんな「自分」に苦しくなったとき、こうして心静かに「自分」を解放することができたら、もっと肩の力を抜いて生きられる気がする。

  • 第一章では日常の中に潜む心の病を仏教的に解説。
    怒り、不快感、自慢など分かりやすい言葉で心の成分のうち不善心所を解説。
    第二章では欲望をどのようにして消していくかの解説。
    第三章では貪愼痴(欲望・イヤイヤ・迷い)を減らす修行として、瞑想を紹介。状況に応じた瞑想が具体的で面白い。
    たとえば「眠れぬ夜の身隨念」「大切な場面を前にして緊張してしまうときの身隨念」「良き案が思いつかぬとき」

    全体的に上座部仏教の紹介になっている。

  • 2010Aug @京市国際
    後半読みやすく啓示に富む 再読ならここらから
    ---
    おとなしい僧侶的な生き方・・・・・・どうか?
    『お嬢さまことば速習講座』 加藤ゑみ子 023
    ---
    021, 050, 054, 063-6, 086, 088, 109, 139, 143-4

  • 事実と著者の感想の切り分けをこころがけて読んだ。

    P12
    ケチつけ裏メッセージ。
    身内に話しの最後にケチをつける人がいる。
    なんで話を台無しにするんだろうと思っていて、話が残念い感じられる。本人にそれを指摘しても改善しない。私を不快にさせ、貶めようとしているのかと穿った考えを持つこともある。
    ここでは「最後に本人が意識るとせざるとにかかわらず周りが興ざめする、周りに嫌がられる、のは自然な成り行きと申せませう」と書かれてあった。
    なぜケチをつけるのかも書かれており、私にはない視点だったので、へーそんな考えもあるのかと。
    ケチをつけたくなる心理を仏教的に見ていると、「これにケチをつけられる私のセンスは、すぐれているのヨ」という裏メッセージになる。直接自慢するのではなく、他のものにケチをつけてこっそり自慢している。イヤラシイ。とあった。
    ケチをつけるのは、つける対象にどっぷり依存している。悪口を言うことで精神的に優位に立とうとする。矮小なプライドを守ろうとする。周りの人からはチンケな人間として印象づけ人から敬遠される。
    ケチをつけたくなった時は、怒りと欲の毒をはッしている自分の見にくい姿を思い浮かべる。結果として、自らの雰囲気が穏やかで気品のようなものが漂う。

  • 感想
    我を薄める。普通にしなくちゃ。人に合わせなきゃ。そんな思いもない。あるがままを受け入れる。欲望も不安も心が動くから。静かにする。

  • 自分を客観視して、辛いことを細かく細分化して見ることで、大丈夫と思えるようになる。
    自分を薄める生き方!なんと粋で格好いい生き方なんでしょう。

全113件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年生まれ。山口県出身。東京大学教養学部卒業。月読寺(神奈川県鎌倉市)住職、ウェブサイト「家出空間」主宰。僧名は龍照(のちに空朴に改名)。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け坐禅指導も行う。執筆活動も手がけ、『考えない練習』(小学館文庫)、『しない生活』(幻冬舎新書)、『超訳 ブッダの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、多くの著作を持つ。2018年9月に月読寺を引き払い、路上生活者に。11月には修行の旅に出る(現在は音信不通)。

「2019年 『やっかいな人を自分のお城に入れない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池龍之介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
湊 かなえ
村上 春樹
有川 浩
冲方 丁
村上 春樹
万城目 学
有川 浩
夏川 草介
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×