月曜の朝、ぼくたちは

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 77
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344014893

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • 大学を卒業して7年を経た7人のメンバーがその一人、八木がレストラン「デ・ジャ・ヴュ」を開き、その開店パーティーでのゼミ会として再会。主人公の正樹と栞を中心にそれぞれが挫折と希望を持ちながらも、卒業後のいろいろな人生の積み重ねを経験しての7年ぶりの集まりです。自分自身が30歳前後という時期をはるか昔に経験していることもあり、春秋はまだまだだけどなぁ~と思いつつ、主人公たちの気持ちに重ねてみましたが、やはりあの頃の気持ちにはなりきれません。人材ビジネスの営業で苦労する正樹、銀行の営業で御曹司小笠原に取り入ろうとする北沢、現在のフリーターを彷彿させるような亀田、これらにはリアリティがあります。そしてゼミ長・来生明大の病死を機に、それぞれの新しい歩みが始まります。小笠原の変身には少し現実感のなさはありますが、それなりに楽しんで読めました。

  • 自分もどこか痛い部分をつつかれた気がする…自分の弱いところを受け入れ背負ながら、ベストをつくして生きているのか?が最大テーマ。…でも学生時代の仲間達がその後、社会で苦悩するバージョンのストーリーって不滅だな!特に新鮮味は感じない。

  • 節が変わる度に主人公(主観)が入れ替り、読み手を飽きさせない構成。人間は過去からは何も生み出さない、今を含めた未来にこそ、明日が見出される。作者はそんなことが言いたかったのでは・・
    タイトルの「月曜の朝」と物語の関連性がイマイチ分からなかった。読み落としがあったのかな?

  • 卒業から7年目に再会したゼミ同期の6人(男5人、女1人)の1年を描いたもの。おおよそ(“おおよそ”ね)同世代ってこともあるし、こういう青春煩悶小説みたいなのって嫌いじゃないので、それなりにシンパシィを感じながら読んだ。
    しかし、ちょっと彼ら29~31歳という年齢のわりにフケすぎじゃないだろうか。30歳前後って、みんなこんなに疲れてるの? 著者は1959年生まれだから、そこらへんの世代差がそのまま出てしまったんじゃないだろうか。若者たちに希望を与えたいとか、頑張ることを教えたいとかっていう思いの先走りで、筆力追いつかずみたいな。
    あともう一つ思ったのは、結局これって男の子たちの話なんだなということ。6人のゼミで女子1人ってちょっと珍しくないか? 現実にはまずないと思う。しかもヒロイン型。なのに、エピローグでは行方知れずってことになってしまうってどういうこと? 結局、未来を拓いていくのは著者と同性で、途中までは中心人物の一人だったヒロインはスパッと切り捨てられている。
    幻冬舎の書き下ろし小説ってこのテの、ムードはいいけど実は粗製っぽいものが時々あるよね。著者は「日経ビジネスアソシエ」の元編集長だとか。それを知るとこの中身「なるほどね」って思ってしまう。

  • アラサー世代の青春群像劇、読みやすい文章。
    実は日経ビジネスアソシエの編集長が書いたという事を知り納得。

    自己啓発書の一種としても読めますが、
    20代半ばの私としては、もう少し気楽に生きてて良いんだな。とも。
    悩める若手社会人に効く1冊。

  • 派手さはないけど物語の中の人物がそれぞれに精一杯生きている感じが伝わってきてよかった。読み手の年齢で、どう感じるか違ってくるんでしょうね。若い人が読んだら、登場人物に文句いったり、ツッコミを入れたりしそう。僕ぐらいの年齢だと、すべてをひっくるめて若いって素晴らしい!とか単純に思ってしまうんですけど。

  • 八木のレストランの開店祝いで7年ぶりにゼミの仲間が集まった。
    人材派遣会社で冴えない営業マンをする正樹。
    雑誌の編集だが人間関係がうまくいかない栞。
    一流銀行に入社して巻き返しを図る北沢。
    万年起業家志望でフリーターの亀田。
    脱サラしてレストラン経営を始めた八木。
    そして肝臓ガンに冒される来生。
    融資のため御曹司小笠原と栞の結婚をサポートする北沢だが
    栞は昔つきあっていた正樹に複雑な思いがあるようで…
    社会での自分の居場所に違和感を持ちながら生活する29歳たち。
    装丁:平川彰(幻冬舎デザイン室) 装画:ヒロミチイト

    キャラクターもストーリーもいいと思うのだけれど
    まとまりがないように感じるのは
    視点が多すぎるせいなのか。
    幸福と不幸はトランプのカードというたとえが出てくるけれど
    どのキャラクターもまさにその通りに描かれています。
    来生のような「おとな」は稀有な存在だろうなぁ。
    やはり死を意識するか否かは生き方を根本から変えると思う。

  • 宙に浮いた物語なんかじゃなくて、現実とか世の中、仕事や生きることの辛さをとても生々しく書いている。働いて生きて、死にたくなるようなことがあるかもしれない。それでも我慢してひたすら前を向いて生きていくことが大切なんだと知った。私が将来社会人になって、どうしようもなくなったときは、この小説を読んだことを思い出して、いやなことも全部受け入れて進んでいきたい。

  • 読売ウィークリー

    090224更新

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