- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344015142
作品紹介・あらすじ
開業医だった父とそりのあわない横山良多は失業中のこともあり、ひさびさの帰郷も気が重い。良多の妻と息子、明るい姉の一家も来て、老いた両親の家には久しぶりに笑い声が響く。得意料理を次々にこしらえる母と、相変わらず家長としての威厳にこだわる父親。ありふれた家族の風景だが、今日は、15年前に亡くなった横山家の長男の命日だった。
感想・レビュー・書評
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これが家族なんだなって、思った。
リアルで、リアルすぎて悲しかったし、恐かった。
悲しみって、時には人を恐くさせる。
とくに驚くような展開があった訳でもなく、 シンプルなお話だけど、じわじわ心にのこる。
無くなる、居なくなる、失ってから思い出す思い出ほど 悲しいものはないと思う。
映画になってるって知らなかった。
見てみたいなー☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良くある、家庭のの話のちょっと嫌なところを強調したお話
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家族の中でのしこりと発せられなかった言葉、どうにもならない喪失感。全体を通じてもどかしさと、僅かな暖かさを感じた。映画監督の原作本みたいですが、文学的な感じです。
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良多の毒舌な母、上から目線の父、調子者の姉なつき。同情するというかオイラを見ているようだ。今でも実家に帰る時は気を遣うし、疲れる。泊まることは親父から禁止されているから日帰りだ。往復何時間かかると思ってるんだろ(笑)。良多の母は言葉がキツイし、父はいつまで先生気取りなんだと思わせるが、彼らはそうすることで自分を保ってるんだろう。良多もそんな家族を結局のところ嫌いにはなれない。家族のいいところでもあるし、歯がゆいところだ。きっと第三者だったら近寄らない。
実家の者と帰省する者の微妙な関係がリアルだったなぁ。っていうかそこばかり残ってしまった。会えば嫌な想いをするから帰省を避けてしまいがちだけど、あと何回会えるだろうと思うとそんなことも言ってられない気持ちになる。 -
親が老いることは仕方がない。死ぬことも多分仕方のないことだろう。ただ、そこに全く関与できなかったことが、ずっと棘のように喉の奥に刺さったままになっている。
人生はいつも、ちょっとだけ間に合わない。
本文で印象的だった文章。
私は主人公よりも若い32歳だけど、親ことを考えるとき最近立場が変わってきたなと思う。
親の愛情はとても深い。と感じ始めるようになってから親への思いが変わってきたように思う。何かしてあげなきゃに。今まで冷たい態度とってたことが悔やまれる。
立場が変わることは少し切なくもある。
人生後悔も多いし、取り戻しもきかない。でも修復は出来るのかな。
この本はどこか温かさ感じる。 -
2015.5.9
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家族の風景を淡々と描く。
仲の悪いじじばばとできのよい亡くなった兄と無神経だが悪いひとではない義兄と気の強い姉とその子供。自分はいまいちうだつがあがらす、子連れ再婚の妻と子供との兄命日に集まる1日。
その風景は血の繋がった家族ならではの遠慮の無さで息苦しい空気の連続なのである。
良くできた描写だと感心するんだが、だからって幸せな感情やしんみり心揺さぶられたりしないんだよなぁ。いや、両親との別れには悔しさを共感したかも。
星3つではなく、4つか2つのどちらかをつけなきゃならない作品。
つくづくわが家庭が幸せなものだと感じます。こんな家庭も普通にある家族の形なんなかなぁ。今から嫁いでいく自分の娘たちが心配になる。まぁ、がんばってくれ。 -
前半がまどろっこしくてつらい。
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内容(「BOOK」データベースより)
開業医だった父とそりのあわない横山良多は失業中のこともあり、ひさびさの帰郷も気が重い。良多の妻と息子、明るい姉の一家も来て、老いた両親の家には久しぶりに笑い声が響く。得意料理を次々にこしらえる母と、相変わらず家長としての威厳にこだわる父親。ありふれた家族の風景だが、今日は、15年前に亡くなった横山家の長男の命日だった。
内容(「MARC」データベースより)
開業医だった父とそりの合わない横山良多は失業中のこともあり、ひさびさの帰郷も気が重い。今日は、15年前に亡くなった横山家の長男の命日だった…。2008年6月公開映画の原作。