盆栽マイフェアレディ

著者 :
  • 幻冬舎
3.30
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本棚登録 : 118
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344015234

作品紹介・あらすじ

超貧乏で苛酷な盆栽師の道を選んでしまった22歳の繭子。近くにいる男子は盆栽に全ての情熱を傾ける変人の兄弟子・松本だけ。そこに現れたのは、お金持ちで大人な高野さん。なぜか見初められ、ピカピカのレディに磨き上げられた繭子は、愛人になることを求められ…。二重生活で嘘を重ねるうちに自分の「本当」を見失い、苦しむ繭子。盆栽師か愛人か、どっちを選ぶべきなのか-。人生の決断にためらうあなたの背中を押してくれる、キュートで泣ける、痛快恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 山崎マキコさん、初読み作家さんです。「盆栽マイフェアレディ」、2008.12発行、読みやすくて面白かったです。盆栽師になるため修業中の松本慎一23歳と大学の後輩であり弟子である長瀬繭子22歳、そして繭子を好きになった大金持ちで家庭もちの高野36歳の物語。舞台は大宮から東武野田線で駅2つのとこにある盆栽村の盆栽園、私の住んでいる処が舞台です。前半は盆栽に関する薀蓄を楽しく学び、後半は恋心と愛に揺れる女心に私の心も揺れていましたw。金の誘惑を断ち切り、愛人道から盆栽道に復帰するラストに大拍手です!

  • 繭子の生き方を応援したくなります。

  • 最後が残念だったけど。面白く読ませてもらいました。

  • 貧乏に慣れるのは大変だけど、贅沢に慣れるのはあっという間。人間、楽なことは受け入れやすいからね。繭子は22歳の設定だけど、精神的にもっともっと大人だと思う。私が22歳の頃なんて、なんにも考えてなかったと思う。

  • あのままの方が幸せだったかなと
    間違ったかなと思うこともある

    でもそれがわたしの出した結論だから
    きっとそれでよかったんだ

    「たとえわたしの出した結論が愚かだとしても、わたしはわたしの真実に従おう」

  • タイトルに惹かれて。
    なかなか面白かった。私にしては珍しく恋だの愛だのというお話だったんですが、こういうのはいいなと思いました。繭子の性格には若干イラっともするけれどわからなくはなく、そしてマイフェアレディな展開はなるほどと。褒められておだてられて、ああ、人間ってそうやって落ちていくというのもわかるんだけど、高野の歪さは苦く。反対に松本の存在があって本当素敵だった。自分というものを少しずつ理解して、そして気づくこと。それを間違えないで、頑張っていければいいなと思いました。

  • ★★★☆☆
    自分探し系女子のお話
    【内容】
    超貧乏で苛酷な盆栽師の道を選んでしまった22歳の繭子。近くにいる男子は盆栽に全ての情熱を傾ける変人の兄弟子・松本だけ。そこに現れたのは、お金持ちで大人な高野さん。なぜか見初められ、ピカピカのレディに磨き上げられた繭子は、愛人になることを求められる。

    【感想】
    要約すると、自分探し系女子のお話。
    よくある論題ですが、今作が他と異なるのは、本人が、極限まで地味な「盆栽師」であること、彼氏?が「超絶金持ち」であること。

    この設定により、内面だけでなく、外見もどんどん変わっていきます。マイフェアレディというよりプリティウーマンって感じです。

    ただし、ストーリー展開はいたって普通で結末は想定どおりです。まぁ過程を楽しむものなのでこんなもんです。

    ドラマ化の際は、堀北真希と竹ノ内豊でお願いしたい。

    【引用】
    ・闇を抱えている人にかける言葉は、同等の闇を抱えていないと浮かばない。

    ・愛の対義語は憎しみじゃない。無関心だ。

    ・愛とはなんと無力なのだろう。その人の生きることそのものの苦しみを代わってあげることは、いくら相手を愛していてもできはしない。

  • とっても給料の低い盆栽園で働く彼女が、実はヤクザの顧客・松本に気に入られ、女になってマンションに囲われ綺麗になるが、兄弟子の松本には内緒にしている...最後の松本との決別は良かったものの、山崎作品ではあまり心に引っかからない作品だったかも。最後がバタバタしている。
    盆栽士という職業は興味深かった。

  • まさにタイトル&表紙で選んだ作品
    「盆栽ーーーー」ってカンジ
    そして「キュートで泣ける」ってところに激しく惹かれた。

    キラキラな世界感と汗まみれで丁稚奉公並みの盆栽の世界の対比

    そこに出てくる
    兄弟子松本
    金持ち・愛人の高野

    でもお金だけじゃないんだね
    美術館でのくだりの松本がかっこよくて・・・
    やっぱり松本は只者じゃないなってカンジ
    年齢こそいってないけどそこの差かなと思ってみたり。

    最後残りページ少ないのに
    突拍子もないカンジになっちゃって・・・
    ドタバタ感もいなめないけど
    でも仕方無いか、この続き繭子がどう成長していったのか見てみたいなって思った。

  • こーいう作品も読むようになった
    人が死なない(ノットミステリ)なんて


    玉の輿・・勿体無い
    まぁでも普通が一番でしょうね
    無理はよくない

  • 山崎センセ2冊め。
    期待を裏切らないおもしろさでした
    文章が好きなのかなぁ??
    とにかく一気に読んでしまうんですよね
    これも2日で読めた
    盆栽士ってゆー、実際には絶対にならない職業だけど、本を読むと、こんな職業もいいなぁ とか思ってしまう。本ってこわい 笑
    うちも一度はお金持ちに見初められたいものだ。。。

  • 山崎マキコさんの本、これ好きだわ。
    盆栽に全く興味がなくても楽しめる本。それでもって読み終わる頃には少しだけ興味がわいちゃう本。

  • この作品紹介を読むだけで、「当然松本とくっつくだろうな」と思うでしょう。私はそう思いました。まあ結末は読んでからのお楽しみとして・・。これは本当に現代の夢のマイフェアレディですね。さえない女の子が、綺麗になっていく過程というのは読んでいてとても楽しいので、そういうところはとっても面白かった!盆栽師しながらの愛人生活って・・なんか人は1つの人生しか生きれないのに、この人は2つの人生を生きているようで、うらやましいような。ひとつは自分の趣味、自分の世界、主観的。もうひとつは夢の世界、客観的にうらやまれる生活。

    最後の事件?はちょっと無理やりな感じもするけど、まあページ数上仕方ないのかな。急いで片をつけた、って感じがしてちょっとなあ・・と思うけど、
    まあそれを気にしなければ、良かった。

    「超貧乏で苛酷な盆栽師の道を選んでしまった22歳の繭子。近くにいる男子は盆栽に全ての情熱を傾ける変人の兄弟子・松本だけ。そこに現れたのは、お金持ちで大人な高野さん。なぜか見初められ、ピカピカのレディに磨き上げられた繭子は、愛人になることを求められ…。二重生活で嘘を重ねるうちに自分の「本当」を見失い、苦しむ繭子。盆栽師か愛人か、どっちを選ぶべきなのか―。人生の決断にためらうあなたの背中を押してくれる、キュートで泣ける、痛快恋愛小説。」

  • やっぱり凡人は凡人が一番だよね・・・ってな作品でした。

  • テンポが良くて面白かったです。汗泥の盆栽職人見習いと優雅な愛人生活。やはり「これが私…?」という変身は女の子の憧れなので(笑) とてもご都合主義な話ですが、悪くはないです。ただ、主人公の女友達というのが見事に出て来なかったので、そういう子が出てきたら、また違った話になったんじゃないかな…と思いました。(2008.10.05読了)

  • 恋のカケラという短編集で山崎マキコさんを初めて知って、もう1度読みたいと思ってたら図書館の新刊の棚で発見したので借りてみることに。

    登場人物の話すテンポがとっても心地いい。
    しかもいきなり盆栽だよ。みたいな。目のつけどころがおもしろい。ていうか表紙も盆栽だし。

    男の人に対する想いで、「ああ〜」って思わず共感しちゃったところがいくつかあった。
    でも、「ああ〜」のあとに、なんとなく後ろめたい気持ち。。。認めたいような認めたくないような。
    そんな危うげな場所にある女心を描くマキコさんてすごい。

    盆栽師を目指す道か、金持ちの愛人か。
    どちらを選ぶか!っていう究極な選択がこの話の一番大事なところだったんだけど、自分にも当てはめて考えてた。私だったら盆栽師だな。欲なんてつきることないし、エステして服買って着飾って。その時はとてもウキウキするけれど、後になるとむなしい気持ちが残ってしまう気がする。それよりも、心を成長させるような道を選びたいって思った。たとえお金がなくてダサダサでも、心地よい人とのつながりの中で「ちいさいしあわせ」にいちいち感動しながら毎日ほわほわ過ごせたら。そっちのが楽しそう。うん。


    気になったとこ。


    わたしは誰も愛さなかった。失う以前に持ち合わせていなかったはずだ、他人への信頼など。(略)
    だからだれにも心の奥は傷つけられずに済むはずなのに。


    嘘ばかりついてきた。いつも場当たり的に逃げてきた。自分の本音を伏せて、だれに対しても正面から向き合わなかった。人を愛さなかった。そうだ、この状況は、人を愛さなかったわたしへの罰なのだ。


    わたしは人を愛するよりまえに、わたし自身を好きになりたい。

  • 超貧乏で苛酷な盆栽師の道を選んでしまった22歳の繭子。近くにいる男子は、盆栽にすべての情熱を傾ける変人の兄弟子・松本だけ。そこにお金持ちで大人な高野さんが現れ…。キュートで泣ける、痛快恋愛小説。

  • 主人公も好きじゃないし、主人公に言い寄ってくる金持ちも好かん。
    『マリモ』は上手くてうなったんだけど。

    カバー写真 / Orion/amanaimages
    ブックデザイン / 鈴木成一デザイン室

  • 農大を出て、堅実な砂糖会社に就職するつもりが、先輩の松本の勢いに感化されてうっかり盆栽師に弟子入りしてしまった繭子。
    いまどきありえない丁稚奉公で、極貧にあえぐ毎日だ。
    幼少時のトラウマからついつい「人の気に入ること」をしてしまう彼女は、ひょんなことからお台場にマンションをもつ金持ちの男に見初められる。
    盆栽を学び、一尾58円のサンマを買いながらも、愛人生活に足を踏み入れようとする繭子。
    果たして、自分は何がしたいのか。
    格差社会の対極で、一人の女が悩む姿がなんとも珍妙でおかしく、ありえない話ながらなんだかすんなり胸に落ちる話。
    ラストはちょっと都合がよすぎる気もしなくもないけれど、あくまでエンターテイメントとしてのお話ならありだろうな。

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