- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344016736
感想・レビュー・書評
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今年もよろしくお願いします!年明けの最初にチョイスしたがこの本。まぁ縁起でもない。(笑)
父親がいい年してジョン・レノンフリークで無職のハウス・ハズバンド、そんな父と家庭を支える母親が幸の薄そうな小心者、と言う家庭環境で育つ中二の太刀川照音は、日々のことを「絶望ノート」と名付けた日記帳に書き込んでいく。同級生からのいじめ、強制万引き、学校裏サイトでの誹謗中傷、そしてリストカット等。ある日校庭で見つけた人の頭ぐらいの大きさの石。それを神と崇める。オイネプギプト様として。絶望ノートに死んでほしい人の名前を書き込み祈る、いや…呪うと人が死んでいくではないか。
これはデスノートなのか?これは歌野晶午作品、それだけでは終わらない。最後まで読んで欲しい作品。今年最初にして当たりだった。 -
そんないじめあり?!ひどすぎると思っていましたが、最後のどんでん返しで納得です。すごい面白かったです。
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後味は悪いとタイトルから分かっているので、安心してどんよりできた。
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黒歌野として評判も良かったので読んでみた。
歌野さんの作品は基本全て好きで、デビュー作から追っかけ。
で、本作。
確かに、前半いじめ被害者の日記形式の記述は鬱。だが、私自身の経験から、現実もこんなもんでしょ的にさらっと読めてしまった。経験者は強し(笑)
なので、本作から受ける最後10数ページの大どんでん返しによるカタルシスは、ここの部分に没入出来なかった事で半減。また、家族・友人関係の薄ら寒さ、下流家庭の生活、それに伴う人間への不信感や絶望は、正直普通に感じられる。つまり、歌野さんがそれだけあり得る記述(誇張していない)をなさっているという事。その事に妙に感心してしまった。
ラスト、ありかと思う。回収できていない線もあるが、これはこれでいい終わりだと思う。
いじめを受けた事のない方、普通の家族、普通の生活をなさっている方なら驚愕&鬱必至。逆に人生も生活も見切ってる方には普通の小説。 -
人間を二つのタイプにわけるならぼくはいじめられる側の人間だ。
ジョン・レノンになりきった無職の父トヨヒコと
お金がないと嘆きパートにばかり精を出すお母さん。
成績もよくなく運動もできない、痩せていて背は低く話しベタ。
極めつけは名前だ。太刀川照音。通称タチチョン。
そんな日ごろのうっぷんを絶望と題打ったノートに綴っていると
庵堂が怪我をし、是永と国府田さんが死んでしまった。
オイネプギプト様のおかげですか?
イラスト:チカツタケオ デザイン:鈴木成一デザイン室
お見事です。騙されました。
ノートの意義についてはちょっと怪しんだこともあったのですが
来宮先生がそう絡んでくるとは。
仕掛けが見事なのでつい忘れてしまいがちですが
いじめの根深さを訴える力もあると思います。 -
最初が長い日常の日記の話に心折れそうになった。
事件が起きてからの展開が早く後半はサクサクと読み終えた。
文字の力、又聞きの力を存分に試された内容だったと思う。
最終的に全て綺麗に伏線も回収されて面白かった。 -
絶望ノートと記されたノートにはイジメの記録が記されている。これはどこまで真実なのか、先が読めない。