乱心タウン

著者 :
  • 幻冬舎
3.16
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本棚登録 : 192
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018044

作品紹介・あらすじ

超高級住宅街の警備員・紀ノ川康樹、26歳。薄給にもめげず、最上級のセキュリティのために、ゲートの監視と防犯カメラのチェック、1時間に1回の敷地内パトロールを行う。住人たちは、資産はあるだろうが、クセもある人ばかり。だが、康樹は今の仕事に誇りを持っている。ある日、パトロール中に発見した死体を契機に、康樹は住人たちの欲望と妄想に巻き込まれていく-。

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かったです。物語の続きが知りたくて、2日で読み切ってしまいました。

    「百年法」で、この著者を知り、世界観がとても好きな感じがして、興味をひかれての、2冊目。

    設定が、本当にありえそうで、そうなったら...と想像力が刺激され、とても面白かったです。

    登場人物のキャラクター設定や、関係性の描写が、イメージしやすくて、とても面白いです。

    ラストが、もう少し続きのイメージを、具体的に描いて読ませてほしいな...、と期待も感じつつ、著者の山田さんの物語作りの感じは、かなり好きだな、と思い、読後感もよかったです。

    これからも、過去の作品をあたって読んでみます。

  • 黒と白はえらい人が決めます
    でも時々違います
    それはえらい人がほんとにえらい時です

  • 一つの閉鎖的な高級タウンを中心に進められる話はなかなか面白い展開でした。人の醜い部分が多分に描かれていますが、同時に人の温かい面も書かれていて、独特の空気がありました。登場人物の誰か一人に感情輸入するような作品ではありませんが、面白く読みやすく、楽しむことができました。

  • 山田宗樹「乱心タウン」

    奥田英朗に似た群像もの。

    セレブな住宅地に起こる小さな事件が奇想天外な方向に向かっていく。
    文章のノリが面白く、そのせいでちょっと現実離れした人物も魅力的になり途中までは面白く読めます。後半山場を迎えてからその軽妙さがあだになったか、スピード感に欠け全体的にウソ臭さが増してしまった。
    結末も思ったほど意外性が無く(っていうか何をしたかったのかいまいちわからない)、それまでの面白さがなんだかぼやけてしまった。

    設定や構想はすごくおもしろかったから、もっと過激にやっても良かったかなと思う。本の中なんですから。

  • 人類の選択を描いた近著を制覇し過去作品に興味をもって手に取った。マナトキオという隔絶された高級住宅地、一見誰もがうらやむ暮らしだがその実情は…。風刺のきいたドタバタコメディーという感じかな。

  • 超高級住宅地マナトキオ。
    周りには高さ3メートルの壁が張り巡らされ、出入口には警備員が常駐し、外界を完全にシャットアウトした区画。
    そんな大金持ちだけが住める街で、ある事件が起こった。

    登場人物が多い上に、雰囲気の似ている人もいて混乱しましたが、面白く読みました。

    こんなところに住んでいたら、おかしくもなろうというもの。自分達は特別と思う人が、普通であるはずありません。

    警備員や駆除業者達、外部の人に共感する私は、やっぱり庶民でしかなかったようです。

    最後の展開は、少しいきなり過ぎるのでは、と思いました。
    それが実行されたら、マナトキオだけの問題ではないんじゃないかと心配になりました。

  • 登場人物の思考が特殊過ぎる。いろいろな出来事が伏線のようで回収されない。空想妄想いっぱいなのにわくわくがない。なんかもったいない。

  • 選ばれた人のみ入れる管理された超高級住宅街での従業員と落書き事件と強い思い込みによる群像劇が厚さを感じさせない滑らかさ。白血病の小二の息子や苦痛にならない境目の代表を名乗る独裁的な老人等、出来事も個性豊か。善人の警備員の年上の彼女のお金に目が眩んだ後の大団円が嬉しい。平和に見せ掛けた後の結末が怖い。

  • 叫ぶ表現で小さなひらがなを使う書き方は好きじゃなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁい

    嫌われ松子書いた人だったんだ
    自殺自由法もこの人だっけ

  • ギフテッド、百年法、代体、嫌われ松子などよんで山田さんの世界観が合うようなので、内容知らないまま読みました。
    マナトキオの住人最悪。
    最後のとこでなんかスッとする!

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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