- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018167
感想・レビュー・書評
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2010年現在の
日本の経済情勢および経済政策を
即理解できる一冊
特に気に入った一説を
・・・
官僚組織に、革新的な戦略の立案や展開は期待できません。
それができるのは、日々変化する競争環境の最前線に身を晒し、
各分野の先端で変革を迫られつつ創意工夫を重ねている
我々自身の自覚と行動です。
・・・(「おわりに」より)
まさに、私が今の業界に飛び込んだ当時から抱いていた心情を
代弁してくれている気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アマゾンで見てみたら酷評の嵐ですが。
日本経済の問題点をざっと整理するにはわかりやすい本だと思うなあ。結構身近なところに引きつけて考えられるし。
極端な書き方だけに「本当かな、自分でも調べてみたいな、もう少し興味を持ってこの手の話を聞こう」と思える。
それにしても、無関心は怖い。 -
批判は多そうな文章だけど、こういう切り口の本は好き。
あっているかは別として、他の本との矛盾を照らし合わせる楽しみがあるから。
・元々の制度設計時に比べて、平均寿命が飛躍的に延びたことで、障害に受けとる年金総額が制度の想定を遥かに越えてしまった
→制度が破綻に向かっていることを気づきながら、自分が選挙で勝つことしか考えていない政治家のせい?官僚はもっと気づいていたはず。
・生産、分配、支出は同じGDPを3つの側面から見たもので、それぞれの額は同じ(三面等価の原則)
・日本の所得を増やすには、日本で、モノやサービスを作ることが大切
→確かに、そうだが、だからといって日本ですべてをまかっていては、優良な企業がつぶれ、技術力が落ちる。国内の技術を海外へ盗まれるくらいなら、国内でつぶれた方がいいのか?
・名目と実質の違い
見かけの数字上どうか(名目)、物価の動きを勘案するとどうか(実質)
・貯蓄と投資は常に同額。貯蓄されたGDPは、好む好まざるにかかわらず誰かの手でかならず投資される
→だから、無駄がないか政治を監視しなきゃいけない
・銀行は貸し出す企業を安全性重視で選ぶ。この間接金融は合理的な仕組みだが、非常にリスクの高いベンチャー企業などには十分に対応しきれない
→株式市場も、ベンチャー企業には、投資ではなく投機が多いため、成長の土壌となりえないのでは。 -
最近は「日本は破綻しない」という論調の三橋氏の著作を読むことが多く、少し考え方が偏ってきている可能性もあるので、未だに根強い日本破綻説を唱えている人の本も読んでみようと思い、手に取ってみました。
10万部も売れただけあって、ある程度しっかり書かれているとは思いますが、歴史的な事実を引き出して解説しているのは良いのですが、同様に国債を増加させながら問題なく解決していった英国の例は割愛する等、自分の論旨を貫く上で都合の悪いデータを紹介していないのは仕方が無いことなのでしょうか。
取捨選択するからこそ、傍から見たら綺麗な論旨に見えるのでしょうけれども。従って、私としては日本国破産については、賛否の両者の意見に耳を傾けて、今後の方針は自分の責任で決める必要があると改めて思った次第です。
この本で印象に残ったのは、”見かけ上の国民の貯蓄額と、国の借金の残高だけから単純に破綻の時期は推定できない(p145)”というポイントでした。日本国民の実質の資産はどのように考えるべきか改めて思い知らされました。
以下は気になったポイントです。
・今のお年寄りは、平均寿命まで生きれば「理論的に正当な金額」の10倍近い年金が手にできる、このようになった理由は、制度設計時と比較して平均寿命が飛躍的に延びた、掛金が長年低く抑えされてきた、給付水準が不当に引き上げられたから(p6)
・日本国内で生み出されたGDPは、生産は国民に分配され、国民がそれを支出する、この「生産」「分配」「支出」は、同じGDPを3つの側面から見たもので、それぞれの額は同じ、企業が生み出したGDPは、まず、家計と企業自身に分配され、さらに、政府と家計と企業に再分配されて最終的な消費や投資に使われる、これが三面等価の法則(p23、27)
・日本のGNPが先進国の中で特異的にGDPよりも大きく上回る理由は、日本企業は外国に進出するが、外国企業日本に来ないことにある(p33)
・かつて日本や現在の中国のGDPの成長は、1)労働力の増加、2)生産設備の増加、3)技術構造の3要素に支えられている(p37)
・政府の借金が積み上がると生じる問題は、1)政府が何かをやろうとしても、お金がなくて手が打てない、2)高い金利をつけないと売れなくなる、3)世代間の不公平が生じる、である(p79)
・1994年頃から、名目成長率が実質成長率を下回り始めて、2001年にはデフレ状態にあることを政府は認めた(p107)
・昔は1本1万円で売っていたジーンズが今では980円で買える、中国やベトナム人に職を与えて日本人を失職させる構造が進んでいることが問題(p113)
・法人税を下げるは、それによって企業の投資資金を増やして、成長した企業が生み出すGDPの配分を受けた家計から税金を取る方向に動いているから、その方が家計・政府・企業も潤う(p119)
・戦時中はモノが足りなくても酷いインフレにならなかったが、戦後には農工業が壊滅になった国土に、多くの復員兵が帰ってきたため、需要と供給のバランスが崩れたためインフレが起きた(p127)
・高度経済成長時代が終わる1973年までは、消費者物価が4%程度上がり続けていたのに、卸売物価が安定していた、つまり、設備や技術向上により、モノがどんどん安く作られていたので企業は儲かった(p132)
・見かけ上の国民の貯蓄額と、国の借金の残高だけから単純に破綻の時期は推定できない、例え話として、毎回90万円返してもらってそれに10万円上乗せして金を貸す、最初の100万円に、2回目から10回目までの実質の貸したお金:10万円が9回として、合計190万円持っていなかったとしても、債権は1000万円となる(p145) -
「真実」と書いてあったら、つい真実だと思ってしまうけれど、真実というのはタイトルであって、内容が真実あるという保障はないといういうのが真実である。
「真実」の内容は読めばわかるので、読んだらいいけれど、立場としては「反・民主党(と国民新党)政策」。とはいえ、「今の自民党」に寄ってもいない。小泉・竹中構造改革を評価しているから、えっと、今の政党的には、どこ寄りだろうか…。
「税収で得た税金は、将来より多くの税収が得られるように使うべき」という考え方は、初めて知った。(経済学では常識かもしれないけれど)
ユニクロのような人件費の安い国で海外生産をしている日本企業が、国内の産業を衰退させている、というのは、その通り!という感じ。工場の仕事がなくなったなんていう話では終わらず、技術が海外に蓄積されて、ベトナムや中国の工場が独自ブランドを作って日本に売り込んできたら、ユニクロもダイソーも消し飛ぶのではないかという気がする。
中国企業がユニクロを買収することだってありえる。だって、ユニクロは中国にも店舗を持っていて、中国で作って中国で売っているのに、日本人が利益を吸い上げて大きな顔をしているのだ。まともな中国人なら、おかしい、と思うだろう。 -
本当に日本が危ないってことがよく分かった。
日本のために自分にできることが何か、考えたくなった。 -
一言インプレション
やはり、日本はやばい。
マスコミ、政府を安易に信じるな! -
現在の日本の危機的状況を思い知らせてくれる。この本がきっかけで経済関係の本を読むのが楽しくなった。辛坊さんの本は他にも読んでみたいと考えている。
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辛坊さん大好きなので、経済の本でも楽しく読めました。
本当に分かりやすいです。
この人みたいに頭が良いのにそれを鼻にかけなくて、ユーモアがある人が近くにいたらいいなぁ。
しかしこの本読んでいると、もう日本の将来どうにもならないですね。‘自分が今良ければそれで良い’って考え方の人が多すぎる気がします。政治家でも国民でもね。
じゃあいざ自分に参政権があったらどうするか…。いや、ちゃんと考えるよな、日本の未来。
11.07.09