祭りの夜、川の向こう

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 24
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018389

作品紹介・あらすじ

渡良瀬川沿いの田舎町で育った僕は、呆けて家族を苦しめる爺ちゃんの死を祈り続けている。夏祭りの夜に、高校の同級生、美少女・きらりも、自分の身体を狙う義父を殺したいほど憎んでいることを知る。祭りの翌日、爺ちゃんをもてあました父が、川の上流にあると噂されている"三途の川の川縁"へ、死の遺いを呼びに行く。すると、逆三角形の大きな頭の小男がやってきて、爺ちゃんの身体は、惨殺された動物の怨霊に乗っ取られていると告げる。同じ頃、きらりの家にも、"その土地"の者が現れた。そしてついに、僕たちが密かに願った忌まわしいことが、現実となる-。家族の死を願ってしまった高校生二人が、愛と喪失を知る、青春ホラーサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 青春ホラー、だそうです。そのカテゴライズでいいのかなあ。異議は唱えませんが。しっかり怖くて切なさも残るホラーでした。この作者独特の軽いユーモアも読みどころです。
    序盤は軽い主人公のキャラでさくさく読めますが。中盤以降から一気に怖くなりました。あの「近づいてくる足音」シーンは怖くて怖くて。そして明かされた真相もとんでもなく怖い。思えば仔猫の件は、しっかり伏線もあったんだなあ。でもこんなに惨いことだとは思いませんでしたよ。
    でも一番怖いのは。死を呼び寄せてしまう思いなのでしょうね。それが視えてしまう永井さんは、かなりつらいんじゃ。だけど私としては、視えないことによりいっそうの恐怖を感じました。

  • 2010年読了。

  • 青春ホラー。道尾に少し作風が似ているかも。家族に殺意を抱く2人と、それを巡る物語。

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著者プロフィール

一九五七年茨城県生まれ。二〇〇五年に「キタイ」で第六回ホラーサスペンス大賞を受賞し、デビュー。『ラスト・セメタリー』『赤い糸』『祭りの夜、川の向こう』などのホラー作品を執筆。初の時代小説『火男(ひをとこ)』が、一三年に第五回朝日時代小説大賞を受賞し、このたび『炎が奔る』と改題して文庫化。

「2021年 『炎が奔る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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