- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018389
作品紹介・あらすじ
渡良瀬川沿いの田舎町で育った僕は、呆けて家族を苦しめる爺ちゃんの死を祈り続けている。夏祭りの夜に、高校の同級生、美少女・きらりも、自分の身体を狙う義父を殺したいほど憎んでいることを知る。祭りの翌日、爺ちゃんをもてあました父が、川の上流にあると噂されている"三途の川の川縁"へ、死の遺いを呼びに行く。すると、逆三角形の大きな頭の小男がやってきて、爺ちゃんの身体は、惨殺された動物の怨霊に乗っ取られていると告げる。同じ頃、きらりの家にも、"その土地"の者が現れた。そしてついに、僕たちが密かに願った忌まわしいことが、現実となる-。家族の死を願ってしまった高校生二人が、愛と喪失を知る、青春ホラーサスペンス。
感想・レビュー・書評
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青春ホラー、だそうです。そのカテゴライズでいいのかなあ。異議は唱えませんが。しっかり怖くて切なさも残るホラーでした。この作者独特の軽いユーモアも読みどころです。
序盤は軽い主人公のキャラでさくさく読めますが。中盤以降から一気に怖くなりました。あの「近づいてくる足音」シーンは怖くて怖くて。そして明かされた真相もとんでもなく怖い。思えば仔猫の件は、しっかり伏線もあったんだなあ。でもこんなに惨いことだとは思いませんでしたよ。
でも一番怖いのは。死を呼び寄せてしまう思いなのでしょうね。それが視えてしまう永井さんは、かなりつらいんじゃ。だけど私としては、視えないことによりいっそうの恐怖を感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010年読了。
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青春ホラー。道尾に少し作風が似ているかも。家族に殺意を抱く2人と、それを巡る物語。