- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018426
作品紹介・あらすじ
無色透明のビー玉の囁きを通して、街中の音を捨い、占いをして暮らしている魔女・繭子。浮気調査、失せもの探し、そして自分のままならない恋…。『蝶番』で第4回新潮エンターテインメント大賞を受賞した期待の新鋭、待望の書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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児童小説かと思ったらそうではなかった。こういう本を偶然つかむと不思議な気持ちになる。実はまだ私もコリコの街にいて、古ぼけた本屋の片隅にこの本は積まれていたんじゃないか。
終始ファンタジックなギミックを凝らした世界に主人公の等身大の気持ちが溶け込む。東の蛇使いは自立しているはずなのに魔法少女めいていて、西北の魔女のような気概はない。
ちっぽけな存在。いつもそこから始めなければならない。
不安を希望へ変えていくしか。
設定へのアイディアが溢れんばかりで、これが本当に児童小説だったら、きっと続編があるだろうにと惜しくなる。きっと含みのある終わり方自体、「私たち」が愛してきた魔法使いの物語そのものなのだろう。
深夜のベッドでこっそりライトをつけて、子供の頃みたいに一息で読みました。こういう読書を愛していると思い出せた、素敵な時間でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふわふわしてるけど悩みがあって、
表紙に一目ぼれして買ったけど
わたしのなかでお気に入りの1冊。
ふぁんたじっくでかわいらしい作品でした。-
「ふぁんたじっくでかわいらしい」
装丁がお気に入り。
私は、と~っても切ない話に思えました・・・「ふぁんたじっくでかわいらしい」
装丁がお気に入り。
私は、と~っても切ない話に思えました・・・2012/12/27
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装丁に惹かれてジャケ買いした本でした。何の予備知識もなかったので、恋愛小説かな?と思ったら、まさかのファンタジー。でも、恋愛小説としてもかなり読めてしまう、不思議な作品。
こんなに大人っぽいファンタジーもあるんだと驚きました。
確かに、ハリー○ッターやロードオブザ○ングだけがファンタジーじゃありません。
この「魔女と金魚」は世界観が良く作り込まれていて、すごくワクワクしました。舞台はアルカナアルカモ島で、正義と契りの町justice town や吊るされ男の町hanged man town(ここには刑務所があったりする)などタロットカードにちなんだ街が点在しています。ちゃんと可愛い島の地図が本の冒頭に載ってます。
TVは無いけれど、その代わり池や水たまりなどの映し水がその役割を果たします。川は渋谷にあるウルトラビジョンのような存在。号外は水飴としてばらまかれ、貰った人はその水飴を持ち帰って水に溶かしてニュースを見る。男はモバイルを”水抜き”して浮気の証拠を隠滅する。そんな感じの世界観。
すごくワクワクしませんか?
主人公は魔女の鞠子(あえて和名なのも面白い)は恋に悩む魔女。
悩みに関しては20代の日本人女性とまったく同じ。
ジブリな世界観なのに、登場人物は現代人と変わらない。
魔女でも、普通に元カレに押し倒されて葛藤することもあるし、予期せぬキスに思考を停止させたりする。魔女だって恋をする。
ファンタジーと現代ドラマが絶妙に融合していてすごく面白かった。久しぶりにワクワクした本でした。
本の続編、出ないかな。
もう少しボリュームがあってもいいなぁと思い、★4としました。-
「蝶番も素敵なんですか!」
スミマセン、今褒めているのは装丁だけですよ。未だ読んでません、、、
中島桃果子を含む私が気になってる作家さんのア...「蝶番も素敵なんですか!」
スミマセン、今褒めているのは装丁だけですよ。未だ読んでません、、、
中島桃果子を含む私が気になってる作家さんのアンソロジー「眠らないため息」(幻冬舎文庫)を買ったのですが積読状態(官能小説だったので)。
中島桃果子のブログ
http://mocatina.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/17 -
>nyancomaruさん
中島さんのブログ拝見しました!素敵なブログですね!これからチェックしようと思います♪これまで中島さんの本に出会う...>nyancomaruさん
中島さんのブログ拝見しました!素敵なブログですね!これからチェックしようと思います♪これまで中島さんの本に出会う機会がなかったのが惜しい。あまり本屋に置いてないのでamazonで買ってみようかな♪2012/07/18 -
「中島さんのブログ拝見しました!」
ホント素敵ですよねぇ~
私的には、機会があればお芝居観に行きたいと思っています。「中島さんのブログ拝見しました!」
ホント素敵ですよねぇ~
私的には、機会があればお芝居観に行きたいと思っています。2012/07/20
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新しいジャンルの登場という印象です。小学生のころ夢中で読んだ魔法使いのお話のようでありながら、登場人物はみんな大人で、私たちと同じような大人の悩みを抱えている。
ファンタジー好きの心をくすぐる地図なんかも心憎い。
魔法使いものらしく、続編が出てシリーズ化すると面白そうなんだけどな。
きっとこういう作品を求めている女子はたくさんいるはず! -
魔女!!
ジャケット素敵!!
って事で借りた本。
日本?外国?まぜこぜの不思議ファンタジー。
さくさく読めて、気持ちよし! -
ーーーオトフリート=プロイスラーと、コリコの町で頑張るキキに絶対的に捧げた上で、ちょっとした魔法が使えたらよかったのにと思っているすべての女の子に捧ぐーーー
この世界がすごく好きだ。
ファンタジーなのに、魔女は恋に悩む。
ままならない。
カフェでコーヒーを飲みながら、あるいは部屋のソファでミルクティーを飲みながら、そんな時間に読む大人の「女の子」のための童話。
誰か素敵なアニメーションにしてくれないかなぁ。
「ああ誰か。『外は雨だね』という前に、泣いているのですかと、それすら訊かずに、そばに座って。」 -
現代劇とファンタジーのバランスが絶妙なかんじ。これがもうちょっと現代劇よりだったら途端に私の嫌いな大人の女がぐちぐちと自分の思いを吐露する小説になってたかも。続編もあったら読みたい。111204
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こんなに心に刺さってきた本は本当に久しぶりだった。装丁やカバーイラストに惹かれて手に取った自分を褒めたい。
術使いの女の子が様々な人に出会い、色々な出来事を経て一歩前進する話。架空の世界の設定は細やかで、でも分かりづらさがないのは丁寧な描写のおかげ。
主人公の繭子に自分を重ねて読んだ。見えない壁に通せんぼをされて、言葉にできないもやもやを胃のあたりにずっしりと感じている人にすすめたい本。 -
思ってたよりあっさりしていた。文章の可愛らしさと、舞台の雰囲気が好き。あとちょっと関係ないけど装丁デザインがものすごく好み。
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主人公が魔女なのですが、何となく現実っぽく感じられるお話でした。
当たり前に不思議な力を持つ人達がたくさんいるような。
素敵な世界でした。(飛べ)にはニヤリとさせられた! -
偶然手にした本で、初めて知った本。
初めて読むようなファンタジー小説で、女の子たちが好きそうなかんじ。現実的な小説が好きな私も好きなかんじだった。スッと読めた。 -
帯のあおりで現代舞台の魔女の恋愛物かと思ったら、町はタロットカード由来で作り込んであって、夫婦でしか食べてはいけないバニラアイス法とか変な制度もありーの、副作用がないという触れ込みのハイになれる砂糖の売買だの、しかし恋愛推しという……花ゆめ系の少女マンガにしたら良さそうな話だった。
後、最初目次にタイトルがびっちり17も書いてあってびっくりした。
短編集にしたら多すぎるので、あぁ章タイトル全部につけたんだ、ってわかったけど、これもネット小説か連載漫画っぽい。
町で仕事しながら暮らす魔女といえば、宅急便のあの子ですが、そう考えながら読み進めると主人公の好きな本として本棚にささってるというのも微笑ましい。
装丁 / 三瓶 可南子(@Design)
カバー・本文イラスト / オカヤイヅミ -
大っ好きな本
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タイトルに惹かれて手に取った本。現実から2, 3cm浮いた話が好きなんですけど、ずばりそれでした。タロットに準えた街など設定にときめく。
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『蝶番』より遙かに読みやすくなってる・・・
ちょい日常ファンタジーにタロットカード良かったな~~。全体的にサクサク読めるし、「うその世界」感もいい。
ちゃんと恋愛もあるよ!
ANITACOM ETTEILLAすぐにモカティーナアリエッテ気づいたぞ! -
凄く読みやすくて、サクッと読めてしまった。
世の乙女達にオススメしたい1冊です。
これが、ファンタジーの世界ではなく、日常の世界で起こる出来事だったら、きっと読んだあなたも、こんな経験あるんじゃないでしょうか??
相手に求めてばかりの傲慢な愛…リリィから発せらたその言葉にドキリとする瞬間がありました。
愛って、与えられて、与えるものなんですね…改めて、そんな大切な事を教えてくれる作品でした。 -
あー、こういうの好きだな。
パラレルワールド調の描写や、タロット、魔法を元にした世界観。ちょいファンタジーってところがポイント高い。
恋や魔法や生き方など悩む事は数多くあるけれど、
人を知り真実を知り、その中から自分の意思を見つけられたら万々歳。
主人公の迷いが吹っ切れた時のキラキラ光るエネルギーは、何にも変え難いほどの素晴らしさだった。 -
恋をしたら、彼のことをもっと知りたいと思うようになる。女性なら、五感をフル稼働して蛸の吸盤みたいにあらゆる方向から知ろうとする。だから、勘が働くのだろう。
しかし、恋は盲目ともいう。他の人のことならわかるのに、自分のこととなるとフィルターがかかったように見えなくなる。まるで一点の脂汚れをとろうとして布でふきとると広がって、ますます見えなくなるみたいに。
主人公はあらゆるものが見えるという魔女。でも恋をしている彼女にもやはり自分のことは見えないのだ。それゆえもがき、自分の意志すらも見えなくなってしまっていた。
本はするりと読んだ。しかし読み進めるうちに痛みを伴う。まるで自分が体験しているような感覚で、主人公の気持ちが自分に重なる。
冒頭、主人公が事務所の金魚が空を飛べるように呪文を唱えた。新しい扉を開くときは、今!そんなふうに言われている気がした。