ドゥルシネーアの休日

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 91
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018648

感想・レビュー・書評

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  • 連続殺人犯を追う刑事。過去の罪を背負った少女。事件の謎を追う探偵。それぞれのパートが連なって浮かんでくる真相。どのパートも山場に思えるので、スリリングな読み心地で一気です。
    個人的には第二部「罪人」パートが好きですが。最大の盛り上がりはやはりラストですね。これはかっこいい!
    ちなみに、「遠海事件」についてもちらっと出てきます。ネタばれ要素はありませんが。そちらも気になったら読むことをお薦めです。

  • タンポポを遺体に添える連続殺人が発生した。それはある事件の模倣、正確にはタンポポではなく菊だったが一人の探偵によって終結した物語。それに気づいた一人の刑事は執拗に探偵の過去を付け狙う。
     少女は祈りを捧げていた。自身の行った罪に向き合い、どのような罰が自分に相応しいかを考えていた。小学生にて連続爆破事件を引き起こした彼女を警察に促したのはあの探偵だった。
     探偵の右腕は不死身だった。その生命力を生かして幾つもの難事件を力を持って解決してきた。彼に生きる意味を与えたのは紛れもなく彼女だった。
     この作品に探偵はいない。だが誰もが彼女のことを思っていた。佐藤誠に引導を渡した“月島凪”という名探偵を。

     舞台を遠海市にする一連のシリーズだ。連続殺人犯・佐藤誠を警察に突きつけた名探偵・月島凪に触れる。だが探偵自身が出てくることは無い。ドン・キホーテのドゥルシネーアのように思われるだけの存在なのだ。
     推理あり、サスペンスあり、バトルありの超絶エンターテイメントだ。舞台を同じくする作品群なのにどうしてこうも多種多様な面白みを出せるのか。最期の展開にはどきりとする。次は絶海の孤島で会いましょう。

  • 記録

  • 姿を現さない探偵の存在感。
    ワイルドな主人公の言動がかっこいい

  • 泥犬がかっこいいんだなぁ。

  • タンポポは主張している。
    自分が四人を斬殺したことを。
    そして、凶器を変えて犯行を続けることを。

    正直なところいままでの詠坂作品で群を抜いてつまらなかった。
    第一部もギリギリ読めたといっていい。
    第二部の罪人がどうとか罪がどうとかも、ここではしつこすぎる上にリアリティがないように感じた。
    第三部に至っては耐えられないアクションもので、セリフだけ追った。
    一番おもしろかったのが、金正日を追って北朝鮮へ行くと言った失踪中の月島凪の存在感。
    これを正統本格で読んでみたいとも思うが、背景が背景だけに難しいか。

    ミステリ  :☆☆
    ストーリー :☆☆
    人物    :☆☆
    文章    :☆☆☆

  • 第一部は警察小説、第二部は学園ミステリー、第三部はハードボイルドとコロコロとジャンルが変わる構成が面白いです。
    事件自体は地味で物足りないですし、動機もあまり納得出来ないなど首を傾げたくなるところはありましたが、犯人を告発しようとしたらあっさりと自白されるところや、最後まで名探偵が登場しないところなど、アンチミステリーを匂わせる人を喰ったような展開は楽しめました。

  • なんかいまいちハマらなかった。

  • 模倣犯の動機、ねぇ。ミステリの未開拓の領域にスポットを当てる観点がすごい。しかも物語としても面白いし。そろそろこの人のファンを名乗ろうかな。

  • この作者の作品は感想が書きにくいな。

    犯人も予想外だったし、月島さんの仲間のとった行動も面白いんだけど、いまひとつ読んでて地に足がつかない。

    登場人物の行動とか心理がぶっとびすぎてるのかな。

    後味悪い最後は相変わらず。

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著者プロフィール

1979年生まれ。2007年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「Kappa‐One」に選ばれ、『リロ・グラ・シスタthe little glass sister』でデビュー。クールな文体で構成される独特の世界観と、本格マインド溢れる謎解きがミステリ通の熱い支持を受けている。

「2022年 『君待秋ラは透きとおる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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