- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018839
感想・レビュー・書評
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手紙のやりとりで過去を振り返る話が3篇。
実際に話をしたり、すぐに返事が返ってきやすいメールよりも手紙の方が聞きやすいということ。
でも、下手なこと書いちゃうと次に返事が来るまでドキドキしますよね。
最初の話を読んで、女同士は手紙のやりとりでも火花散ってて怖いな、と思った。
2番目の話は、先生の印象がコロコロ変わった。最後はそう繋がるのか、と感心。
最後の話は手紙だからこそ聞けたのだろうけど、本当は墓場まで持って行きたい話だったろうなぁ、と彼氏にちょっと同情。辛いことを大切な人が忘れているのなら、思い出せない方がいいと思うもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」
の3つの短編集が入った一冊。
中身に触れると面白みがなくなってしまいそうなので
中身には全くふれませんが、どれもこれもどんでん返しがあって
「だから湊かなえは読みたくなるし、止まらなくなる!」という感じでした。 -
いつも読後感が悪いこの筆者の本の中で、初めて心がほっこりと温かな気持ちになった作品。
手紙のやり取りの中だけで進んでいくストーリー。明らかになっていく事実。メールや電話では表現できない、返事を待つ間の切なさが伝わってきて、自分が文通していた時代のことを思い出した。 -
湊かなえの作品て、相手の微妙な感情だったり、心理だったりを、
どうしてこうもいろんなかたちで掛け合わせて展開させていくのがうまいんだろう。
またしても湊かなえに敬意。
「北のカナリア達」
この題材がどんな風に描かれるのか、期待。 -
読後感わるし。そしてがっかり。
今までたくさん本を読んできたけど、この想像力の貧困な私が、先の展開がわかってそれが見事に当たるという、初めての本。
まさかこうくる?
まじかよー。まじだった。
たまたま職場の人が『告白』を貸してくれて、なんちゅう話だ…と幻滅して後味悪く、
『Story Seller3』に「楽園」があって、綺麗な舞台になんていう展開なんだ、と後味悪く、
たまたまBOOKOFFで見つけた本書を、次はいいかもしれない、と思ったら、これまたどろどろ。
人の気持ちはこんなに簡単じゃない。
人の気持ちはこんなに冷たくない。
そもそも軸となるきっかけとなる事件からして理解できない。
この著者の作品はもう読まない。
初めてそう思ったことが、すごく悲しい。 -
◆十年後の卒業文集・・・結婚式で久しぶりに集まった高校の放送部の仲間たち。でも、結婚したのはあの頃の恋人同士とは違う組み合わせ。そして姿を見せない千秋。私が海外に嫁いだ間に、一体何が起こったの?
◆二十年後の宿題・・・病床に伏して改めて思う教え子達の今。あんな事件があったけれど、彼らはちゃんと問題なく日常生活を送れているのだろうか。
◆十五年後の補習・・・突然国際ボランティアを志望して異国へ行ってしまったあなた。中学生の頃からの付き合いであるあなたに、これを機会に聞きたいことがあるの。
以上3編の短編集。全てが手紙のやりとりで綴られる書簡体小説である。
文章が手紙形式になったとはいえ、”過去の真相を明かしていく”という作者お得意のパターンは変わらず。うまいのはうまいんだけど、でも少し食あたり気味なのは否めない。教師や学校が絡んだなんとなく嫌な感じの話・・・というのも同じだしなぁ。3編の中では【二十年後の宿題】が断然よかった。あとの2編は途中で「もうそんなことどうでもいいやん」と思ってしまった箇所が多々。しつこすぎるとしんどい。 -
あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る—(「十年後の卒業文集」)。書簡形式の連作ミステリ。
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あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る―(「十年後の卒業文集」)。書簡形式の連作ミステリ。
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「十年後の卒業文集」 「二十年後の宿題」 「十五年後の補習」
どの物語も手紙のやりとりで構成されている。互いの思いを伝えあう手段がメールでも電話でもなく手紙だという点がコミュニケーションに時差と深みを与えている。そしてその時差は物語のなかの出来事を共に考える時間を読者にも与えてくれているように思う。不安な気持ちで、あるいは焦がれながら待ったたった一通の返信によって、過去の出来事ががらっと様相を変え、あたたかな心地になったり、背筋を冷たいものが流れる心地になったりするのは、やはり手紙ならではであろう。文面の裏に潜む当人しか知り得ないなにかが始終様子を伺っているような穏やかならぬものが感じられる一冊だった。 -
高校卒業以来十年ぶりに同級生が集まった地元での結婚式。一人の友達が欠けていた。5年前の事故の真相を手紙のやり取りで辿っていく。面白い作品だった。