往復書簡

著者 : 湊かなえ

• 幻冬舎 (2010年9月21日発売)

感想・レビュー・書評

[horinagaumezoさんの感想 · 2016年12月25日]

いずれも手紙のやりとりという形式の３つのストーリーで構成されている。手紙のやりとりにより過去の真相が明らかになっていくという構成はなかなか面白かった。２つ目のストーリーである「２０年後の宿題」が最も心に残った。

[Over50GGさんの感想 · 2016年10月16日]

書簡がモチーフになった短編集

[yumecoさんの感想 · 2016年10月10日]

「過去を掘り返す」意味を考えさせられる一冊。三篇それぞれが、過去の真相を手繰り寄せようと綴られた手紙である。最終的に彼らが幸せになれるのかどうか…。そんなことを考えながら第三者として「盗み見る」ように読み進む自分。他人の手紙を読む好奇心が最後まで引っ張ってくれる。

文字を追い、行間の風景を頭に浮かべるのと同時に、遠い昔を思い出してしまった。それも苦い風景をいくつもいくつも…。その一つが、高校の同級生をちょっとからかってしまったことだ。数年前の同窓会で彼女を見た瞬間から、私は落ち着かなくなっていた。この本は、過去の後悔や、その他もろもろの負の出来事を記憶に蘇らせてくれる。なんとおせっかいなことか‼

一番印象的だったのは最後の「十五年後の補習」。目をそむけたくなる内容でもある。今の自分は、もう前進するのみ！と思いたい。

[amarincoさんの感想 · 2016年9月21日]

手紙のやり取りで物語が展開するという作品を初めて読んだ。3作品ある中で個人的に最初の2作品は好きだだったが、最後の作品は何だか消化不良だった。でも読みやすく、話の展開も早かったのでとても楽しんで読めた。

[array-bookさんの感想 · 2016年9月10日]

手紙でのやりとりが描かれている話は初めて読んだので、
私の中では新鮮な感じがした。
でも、個人的には、ちょっと物足りないような気がした。
湊かなえさんにしてはそこまで
ドロドロでもない。読みやすい本。

[tadoriさんの感想 · 2016年4月28日]

書簡（手紙）形式で綴られた短編集。
日常じゃあこんなことは起こらないわとも思いつつ読了。
軽めのミステリーといったところか。

[jonkoさんの感想 · 2016年3月18日]

今、手紙が見直されているらしい。「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」どれもピッタリなタイトルだと思った。

[ナッシーさんの感想 · 2016年3月11日]

手紙の文面を見ていると、古き良き時代…というか、自分が子どもの頃くらいの時代を思い出して懐かしくなりました。

手紙ならではの、やりとりの時間差すら物語の一部になります。

一つの過去について、生徒それぞれの立場、目線から綴られ、次第に真相が見えてくる展開。
もう何だか、どっぷりと湊かなえパターンなんですが、それでもドキドキ高揚してしまいます。
このお話はけっこう好きです。

[まえたさんの感想 · 2016年2月24日]

手紙を書くという行為は、改めてわたしに、あなたとの正しい距離と時間を認識させてくれます。
ー万里子

全編文通で構成された一冊。
手紙による様々な可能性を感じた。

[いっちんさんの感想 · 2016年2月19日]

メールやLineが主流になってきている中で、手紙というアナログな手段を使った作品。ただ、まさに手紙から携帯、そしてスマホに移行していく世代の私としてはとても懐かしく、そして改めて手紙ってよかったよなと思わせてくれた作品。今の学生なんて手紙なんて書かないだろうし良さもわからないんだろうな。どの話もうまくできててとても面白かった。

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』（『望郷』に収録）で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。