月の破片

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 145
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344019775

感想・レビュー・書評

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  • エッセイと括ったけれど、果たして本当に?
    鬼束ちひろという人の歌が、私ははじめあまり好きではなかった。月光が合わなかった。たくさんあった音楽番組で毎回のように聞くそれがあまりに人形のようだと思ったからだ。
    それが一変したのは眩暈をきいてからだ。友達が先にはまって両曲が入ったアルバムを貸してくれた。callがそして一番好きになった。それからは曲がでたらすぐ買って聞くくらいに好きになった。
    この本を読んで、またはテレビで剥き出しに出ているのを見て、彼女の見方が変わったかと考えると、たいして変わっていない。彼女は歌うことが好きで、そして歌詞も曲も命を削って作っている。彼女が好きな人が最初から感じ続けてきたその事実は補強されていっても、変質することがなかったからだ。今も昔も、私は彼女の歌が好きだ。
    言葉の意味をあまり考えないで(いい意味での適当だと思う)歌詞を書く、だからこの言い回しにはどんな意味があるのか、どうしてこの言葉でなければいけなかったのか、聞かれてもどうにも答えられない。そうだろうな、と思った。魂の奥底の形になる前の何かを、辞書ひきながらでは間に合わないだろうと思う。
    彼女がものすごく家族に愛されている、愛しているというのが知れたこともよかった。
    彼女が、彼女の望む形で進んでいってくれることを、ファンの一人として願っている。
    それにしても、発売して9年経ってやっと読めた。
    剣と楓は、今聞いてやっと心底いいアルバムだなと思うようになった。

  • 私はやっぱり彼女が好きだなぁ。
    世間から「狂ってる」「イっちゃってる」「奇行を繰り返す」と色々言われてもやっぱり彼女の根本は何も変わってないんじゃないかって思う。勝手にだけど。
    ずっと好きなアーティストだろうなぁ。
    今後も彼女の音楽を聴き続けるだろうなぁ。
    そんな確信が持てた本でした。

  • 鬼束ちひろのベールに包まれた人生が、素直な表現で書かれていて、メディアで紹介されなかった本当の彼女が垣間見れた。家族愛、音楽への姿勢、自殺、睡眠障害、タトゥー。ファンキーな内容でした。同世代として、これからも応援していこうと思います。

  • 暴れん坊冬将軍を自称する鬼束さん。携帯電話を壊しまくったり、ラーメンを相手にぶっかけたり、テレビを投げたり、と暴れん坊エピソードが豊富だ。冬には特に意味はないらしい。

    宮崎で過ごした高校生までの期間のことや、オーディションに受かったあとに曲をたくさん作ったこと。『月光』で大ブレイクしたときに妙な気分だったこと。過緊張に悩まされていることなどについて書かれていた。

    鬼束さんは自分のスタイルを貫く人だ。
    自分の家族を強く愛している。ヴィンテージのシャネルや六十年代から七十年代のミッキーマウスを好む。薬を大量に飲んで自殺未遂をする。大切な人の死を恐れるのに、自分の死には恐怖がない。
    不思議な人だ。そして魅力的な人。

    2021年、鬼束さんは救急車を蹴って逮捕されたが、きっと鬼塚さんなりの理由があったんだろう。そういう人なのだ。

    2008年の夏にひたちなかの音楽フェスで、エアロスミスの曲を歌う鬼塚さんを観た。演奏はピアノだけ。潮風に乗った隣のステージの演奏音が聴こえてしまうような環境だったが、鬼束さんが歌い出した瞬間、他の音は聴こえなくなった。シャウトするようにDream onと繰り返す歌唱が大変素晴らしかった。鳥肌が立ったことを覚えている。

  • 今さら読了。
    いまでこそドギツイキャラが定着しつつあるけれど、見せ方がドギツイだけで中身はあっけらかんとした天真爛漫な人だと思う。感情のコントロール力がタトゥー以前と以後で変わってきた、というのは本人の談。家族の結びつきが強くて安心した。
    ミュージシャンの自伝として読んだ印象としては、とくに読んでも読まなくても彼女の価値は変わらないかな。はい、見事に鬼束教の信者ですから。

  • この世界観、すきだなあ。
    かなりファンキーだけど。

    gagaさまといいこの方といい、
    わたしは自分の感情に忠実に生きている人が
    好きなようだ。
    できれば見習いたいと思う。
    好きなことをして生きていくには、それに
    見合った努力が必要なのだろうけれど。

  • 私の中の鬼束嬢ががらりと変わった。
    とはいえ、彼女の何を知っているというわけでもなかったので
    この本を読めてよかったと思っている。
    どのような鬼束嬢でも、私は好きだなと思った。
    それくらい個性的で、刺激のある文章だと思う。

  • イメチェンは衝撃的だと思ったが、これを読んで「そうかハデな方が本来の姿だったのかフーン」と思った。
    まぁイメチェンどうこうより本名だったことの方がびっくりした。

  • 鬼束ちひろさんの自伝です。ご本人や作品を理解するのに凄く大きな一冊でした。こういうご本を出して頂いて嬉しかったです。「友達」の項は偶然私も同じ考え方でしたので凄く共感出来ました。

  • 淡々と語ってゆく鬼束ワールド。
    芸能人の本ってこれが初めてだった。
    休止状態の時にどう過ごしていたか
    ニュースにもなったあの事件。
    タトゥーについて
    淡々と書き込まれています。
    まさにそこに言葉があったかのように。
    鬼束さんは感受性が人より敏感なのかもね。

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