プリズム

著者 :
  • 幻冬舎
3.22
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344020641

作品紹介・あらすじ

「僕は、実際には存在しない男なんです」世田谷に古い洋館を構えるある家に、家庭教師として通うことになった聡子。ある日、聡子の前に、屋敷の離れに住む謎の青年が現れる。青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、ときに女たらしのように馴れ馴れしくキスを迫り、ときに男らしく紳士的に振る舞った。激しく変化する青年の態度に困惑しながらも、聡子はいつして彼に惹かれていく。しかし彼の哀しい秘密を知った聡子は、結ばれざる運命に翻弄され-。

感想・レビュー・書評

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  • 溺れる者は、とにかくここから逃れたい。

    手を、
    誰か手を、
    と、必死でもがく。

    が、
    そこに誰もいなかったら?
    誰も、救いの手など差し伸べてくれなかったとしたら?

    多重人格とは、
    現実から逃れたいと強く望む人達が心の内に拵えた
    <かくれみの>
    みたいなイメージしかなかったのだが、
    物語を読んでいると
    逃げたい、のではなく
    誰からも攻撃される事なく、
    普通に生きたい、
    普通に人と接したい
    ただ、それだけの事が
    普通に出来ないから
    自分の命を自らが救う為に
    生まれてしまった多々な人格。

    なんだとわかって、とても悲しかった。

    物語は
    多重人格のなかのひとり、と恋におちる家庭教師の悲話。

  • 多重人格というのに少し興味があった。昔そういう内容の本も読んだりした。
    凄く読みやすい内容でどんどん読み進めていったが、
    卓也を愛してしまう聡子にだんだんと引いてきた。
    旦那さんをほったらかしかいって感じで。
    ビリー・ミリガンを読んでみよう。

  • 百田尚樹さんと言えば、【永遠の0】が売上累計400万部を突破したんですね。
    この数字は史上初だとか!
    百田さんのその他の本も売れているらしいし~。
    みんな、百田さんの本、読んでるんですね~!!
    で、この【プリズム】ですが、【永遠の0】や【海賊と呼ばれた男】のような重厚感はありませんが、読みやすい!
    2012年本屋大賞にノミネートされているこの本、帯には「悲しくミステリアスな恋愛小説」と。
    面白くさらさら~っと、一気に読めました。

  • 最後まで前のめりで読めた本。
    一気読みしていまう吸引力のあるお話でした。

    最初のほうで引き込まれたのは、どんな話なのか予備知識持たずに読み始めたからだと思う。
    でも、話の方向が見えてからはややトーンダウンしてしまいましたが。
    彼らは誰なのか、多重人格の可能性は早くに思い当たったけど、それだけではない何かを感じてドキドキしている間がいちばんおもしろかったな。

    解離性同一性障害がどういうものかというもの以上に、人の心の複雑さや多面性を感じて自分という個性の捉えにくさを実感しました。
    心理学ね~面白そうと確かに思ったけど、あまりに難しそうで、真剣に解き明かそうとすると人を信じられなくなりそうです。
    幼児期のトラウマが原因というのはなんとも・・・ですが。

    恋愛小説としても聡子の戸惑いや焦燥感がリアルに感じられておもしろかったです。ちょっと冷めすぎというか投げやりだけど、不妊ってところが彼女を蝕んでいるのかなと感じました。
    最後は切なかったなー。彼と付き合うことはわたしが想像してもありえないけどね。

  • 多重人格の男性との恋愛話。
    うーん...何でみんなヒロインに惚れるのかが分からない。

  • 多重人格の人との恋愛。ものすごく読みやすかった。けれども、主人公の女性には全く共感できなかった。恋は盲目とはいうけれど、何だか自分のことしか考えてないなと思って。

  • こういった類の物語は評価も分かれるところだけど、私は結構好きでした。男性の描く恋愛ものには女性側からみると不自然だったり限界があったりするけれど、構成の面白さでそこは気になりませんでした。私は主人公の女性にはあまり感情移入出来ず、逆に、多重人格症の男性のほうに感情移入してしまった(特に卓也)。その結果最後は涙。ちょっと昼ドラっぽいところもあるんだけれど、作品に引き込んでいく力はさすが百田さんという感じでした!

  • こういう物語の最後のシーンってのは、どうしてこういつも味気ないのかなぁ~。

    たたずんでいた とか 去っていった とか 涙が流れた とかさ。

    なんだか本題とわ全く関係ないところへ梯子を外しておいて「おいもう終わったんだから登ってくんなよ!」って言われてるみたい。

    えーと、そんでよぉ、この作品は、多重人格についてをお話にした物語です。
    でも、あんまし面白くは無いぜ。百田さんの本でこのくらい面白くないのには、初めて出会ったような気がするっち。

    なので、本屋大賞にノミネトされたのは何かの間違いかもしれません。

    そして、わたしはこれで本屋大賞のみねと本を6つ読みました。
    あとの4つのうち3つが今手元にあります。

    たしかもう最終投票は終わったのだっけかな。
    いやいやまだだ。
    2月末が最終投票締め切りのはづだ。
    そして、すぐに大賞は決まるんだけど、それをづるづると4月まで引っ張ってから、発表するんだ。

    発表するのと同時に、あの例の投票した書店員さんたちのコメントが載った「本屋大賞」ってのが発売されて、そんで、書店員さんの人数分だけしっかり売れるんだ。

    いやぁー、堅い商売しますねぇ、本の雑誌社さまは。

    ということで、わたしは、そのままそこにたたづんでいた。

    ドダ!

  • 超肩透かし。

    気になる相手が多重人格者で、好きになった人格は主人格じゃなかった。
    いずれは統合されてしまう副人格を好きになってしまった時、その別れはどのように迎えられるか。という距離でも死でもない別れを演出しようとした意欲作。

    なんだけど、土台がスポンジ。主人公の心情変化が急。共感できないうえに、終いには主人公もおかしくなってきて「まさかの人格分裂バッドエンド」かと思ったらそうでもない。なんだかもう全体的に暖簾に腕押しな感じで、読んでて疲れた。

  • 恋愛×多重人格がテーマの作品で、よくある恋愛ものとは違った苦悩がみられました。
    目の前に居る人は自分が愛する人なのか、その人はいつか消えてしまうのか、といった見方が、一筋縄ではいかない恋愛のもどかしさや切なさを強調しているようで、面白かったです。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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