折れない心を支える言葉

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 58
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344020801

作品紹介・あらすじ

果てしなく続く「明日」のために、今をどう過ごせばいいのか。47の言葉の熱投。結果がすべてのプロ野球界を生き抜いた男が綴る、好きなことを長く続けるためのメンタル術。

感想・レビュー・書評

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  • 47編から成る。

    05 取り繕う必要はない。等身大のありのままの自分を見せよう。
    (試合に負けた時)自分自身ではなるべく気づかせないようにしようと思ったことも、子どもたちは気づいていた。自分の中では気持ちを切り替えていたつもりだったが、全部ばれていたのだ。

    09 僕にとっては家族がすべてであり、野球は生活手段のひとつにすぎない。
    一度目の戦力外通告を受けたとき・・・
    家族に、戦力外通告という事実をどう伝えるか・・・・結局、口に出せたのは翌日の夜になってからだった。
    なにかのきっかけで仁志が解雇された話が出た。その流れで、「じつはオレもなんだ」と言えたのだ。切り出した最初こそさすがに母ちゃんは驚いた顔をしていた。だが、立ち直りも早かった。家に響くような大声でこう言った。
    「パパが戦力外だぞー、クビになったぞー」
    さっそく全員に集合がかかり、家族会議になった。そのときの重要な議題は解雇されたショックよりも、「これからどうするか」「パパはどうしたいのか」ということだった。意外にも「戦力外=悲しい」といった構図はどこにもなかった。

    12 素質に甘えず、苦しい時代を耐えて、それでも積み重ねた努力だけが、気持ちのこもった仕事につながる。
    素質があるかないか、それを必要以上に気にする人がいる。だが、素質とは、そんなに重要なものなのだろうか?

    14 恩人と巡り会えるかどうかで、人生の豊かさも変わっていく。
    根本さん「君はプロの選手だけど、まずは社会人としてちゃんと振る舞いができるようになりなさない。誰かが食事誘ってくれたからといって、『はいはい』とついて行って『いただきます、ごちそうさま』とやっちゃいけない。最初は『工藤さん』だけど、つぎは『工藤くん』になって、『工藤』になって、『おい、こら』になってくる。そういう付き合いは絶対しちゃいけないよ」と諭されたこともある。

    14 自分の限界を超えていくのは「努力」と「根性」以外にはない。
    「努力」という言葉も、いまや同じように疎んじられる立場にある。「努」という文字には、「女」「又」「力」という三つの文字が組み合わされているが、もともとは女性が子どもを出産するときの体力と気力の象徴でもある。

    29 「プロとななにか」と問われたら、その定義はひとつだけ、「自覚」だと答える。

    42 どこかにゴール地点があるわけではない。努力することに、終わりはない。

    46 センスは「ある」とか「ない」とかいうものではない。それは「磨く」ものなのだ。
    僕自身は、子どもはみんな天才だと思っているが、それはダイヤモンドの原石のようなものだと思う。その原石を削り出して、どんなふうにカットし、いかに磨いていくか。日々磨く努力を積み重ねていくことで、輝きかたも美しさも変わってくる。
    カットの仕方で大きくもなるし、小さくもなる。磨きかたが下手だったら、輝くものも輝かなくなってしまう。子どもという名のダイヤの原石を、どう輝かせるか。それは、両親もふくめて周りの環境も重要だし、さまざまな人との関わりも影響を与えるだろう。


    2012.02.28 予約
    2012.08.24 夜の読書会MAXで紹介、読書開始
    2012.08.26 読了

  • 社会人=プロフェッショナル と定義するならば、社会人とはこう考えないと成長はないと。
    普段からの考え方、行動、目標、結果、けっかの捉え方、feedbackなど参考になる。普段忘れて心が折れそうになる所を、奮い立たせる良書。

  • 自分の道は、自分で決めなくてはならない
    自分の限界を超えていくのは、努力と根性以外にない
    マイナスばかりを捉えてもなんの意味もない。必要なのは次にどうしたらいいかを考えることだ
    自分で行動して表現しないと、環境を変えることができない

  • 工藤投手が30年の現役生活を振り返って記した本。工藤投手の経験談・考えは参考になるものが多くありました。
    また、ホークス時代の同僚で現役中の2000年に早逝した藤井将雄投手について述べた部分は胸が熱くなりました。

    【以下メモ】
    ・「思い」と「想い」の違い
    →本当の自分の気持ちや考えを伝えたかったら、「思い」より「想い」。想いなくば、人に成長はない。
    ・やらないことには、結果が出るか出ないかわからない。先に答えを欲しがるのは甘えでしかない。
    ・人から教えられるときも、人に教えるときも、心の中にクエスチョンを持とう。そこから新しい発見が生まれる。
    ・諦めてしまわないかぎり、信じているかぎり、人間には驚くほどの可能性がある。
    ・人から学ぶ、経験して学ぶ、失敗して学ぶ、成功して学ぶ。つねに学ぶことを意識しなければならない。「これでいいんだ」とか「もうわかっている」という発想はしないほうがいい。もっと学ぼうという意欲さえあれば、いくらでも吸収できる能力が人間にはある。
    ・「氣」の字。米の形はエネルギーが八方に飛び散っている様子を表している。「気」では中が「〆切」になって「氣」が閉ざされてしまう。「気力」ではなく「氣力」。

  • 努力と根性につきる。超一流のプロの考え方がわかる。

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著者プロフィール

1963年愛知県生まれ。1982年名古屋電気高校(現・愛知名電高校)を卒業後、西武ライオンズに入団。以降、福岡ダイエーホークス、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズなどに在籍し、現役中に14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝き優勝請負人と呼ばれる。実働29年プロ野球選手としてマウンドに立ち続け、2011年正式に引退を表明。

最優秀選手(MVP)2回、最優秀防御率4回、最高勝率4回など数多くのタイトルに輝き、通算224勝を挙げる。正力松太郎賞を歴代最多に並ぶ5回、2016年には野球殿堂入りを果たす。

2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督に就任。2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇。

2020年監督在任中ながら筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻を修了。体育学修士取得。2022年4月より同大学院博士課程に進学、スポーツ医学博士取得に向け研究や検診活動を行っていく。

「2023年 『プロフェッショナル投手育成メソッド 一流投手へ導く“投球メカニズムとトレーニング”』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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