開拓者たち

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 24
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021112

作品紹介・あらすじ

宮城県の寒村に育った16歳の阿部ハツが、「大陸の花嫁」として旧満州(中国東北地方)の千振に渡ったのは昭和11年のこと。地平線まで続く広大で肥沃な土地で、無骨ながらも愛情深い夫や弟妹、そして仲間らと開拓に励むハツは、二人の娘にも恵まれ、徐々に幸福を手に入れようとしていた。だが、戦況の悪化は事態を一変させる。男たちは根こそぎ動員で召集され、ハツたちの想像を絶する苛酷な逃避行が始まった…。戦前戦後、希望を捨てずに生き抜いた日本人の物語。史実に基づく感動フィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 『大地の子』を読んだばかりなのでどうしても比べてしまうが、あまり”小説”として感情移入できる文章ではなかった。
    NHKのドキュメンタリーなどをもとに創作したフィクションとのことで、テーマはとても興味深いし、実際にもいろいろなドラマがあったのだろうと想像はできる。下手に脚色して色恋沙汰を入れてみたり、登場人物に作者の意見を語らせたりせず、ノンフィクションとして事実や証言をそのまままとめてくれればよかったのにと思う。

  • 小説としての出来はとても良く、はらはらしながらも感動的なストーリー展開があり、扱っている戦争という時代にあってもさわやかなものがたりとなっている。本来ならば星は五つとしたいところ・・・。

    しかしながら、やはり自虐史観の流布に大いに貢献したと言われているNHKのドラマ作者の小説という事で、物語の端々に日本国の行いを卑下し、「国は裏切っても、それでも人はたくましく生きる」というような展開になっているのが読んでて嫌になった。(NWOの世界戦略や日本弱体化の事など知らない人々は、この小説をとても良く評価してしまうのだろうと思わされた。それこそ見事な洗脳の成果であると思う。)

    例えば関東軍の蛮行は史実だから仕方が無いとしても、この書き方ではすべての日本軍が悪いと読者は思うだろう。末端の国境付近で戦った兵士の事はまったく書かれておらず、「任務がある」と言って避難民を足蹴にする兵士まで登場させていた。

    また一方では中共をかなり贔屓目に描いている。文化大革命の蛮行もソフトであることは失笑さえしてしまう。関東軍と同じように描けばいいのにと思ってしまった。(しかしNHKがある目的をもって作ったドラマであると知って読めば、大いに納得する内容であると思う。)

    それから後半四分の一から「にやっと笑う」という言葉が頻繁に出過ぎで、小説家としての技量に欠けると思った。もっと他の言葉を使えば良いのにとか、余計なことを思わされ物語から引いた目線に立ってしまった。(没頭していたのにさめたと言う意味。)

    おそらく著者は中共のシンパ。自虐史観にそった物語を作ると言うミッションにのっとって作られたのだと思う。日本国の蛮行を思わせ、誇りを失わせるような内容を、感動的なドラマに盛り込んだのだと思う。

    NWOの洗脳の一環だとはっきり分った人が読めばそれなりに警戒できるが、知らない人々が読めば、感動的な内容であるだけにとても危険であると思わされた。

  • 太平洋戦争前に満州にわたり開拓に携わった人たちの物語。終戦後の混乱の中、生死の境をさまよい、時にやむを得ず別れ別れになりながら苦労して帰国。そして、日本での再出発を果たす姿が、気丈で明るい主人公ハツとその兄弟、仲間の生き様が描かれている。戦争の残忍さ、多くの困難、犠牲、悲しみに耐えて行き続け、開拓の手を休めなかった主人公たちに畏敬の念を抱く。

  • ★5つでは足りませんね★10個です。NHKエグゼクティブ・プロデューサー北川恵氏の作品は開拓者の生き様をスピリチュアルに描いた作品でした。崇高な理念の基に創案された大東亜共栄圏構想も極右化する軍閥の傲慢な過ちでアジア諸国民や開拓民・徴兵者に悲しい結末をもたらしましたが、そんな時代に誇りに想える日本の開拓民がいたことを涙と共に心嬉しく読ませていただいた物語でした。
    六十余年に渡る旧満州の戦前戦中戦後そして戦後旧満州から引き上げ後の那須千振区を舞台に繰り広げられる開拓史は壮大にして永久のヒューマニズムを感じずにはいられません・・日本から日本人が見た大東亜戦争のお話は多くありますが日本国内・旧満州そして中国を見た日本開拓民の心はいかばかりか・・切なく心に響きます。
    千振の太陽”ハツ”のまっすぐな生き様は愚直で清々しく美しい聖人の感がありました。
    家族愛と国境や人種・生い立ちを越えた同士愛と共に満身創痍で苦境を乗り越える開拓者魂は心の襞を共振させてくれました。

    読後感=引用: 『まあいい・・・』・・深~い♪

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