空飛ぶ広報室

著者 :
  • 幻冬舎
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  • / ISBN・EAN: 9784344022171

感想・レビュー・書評

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  • 有川さんの作品を通して、「自衛隊」というお仕事に関心をもつようになった。でも、広報室という部署があるなんて知らなかったなぁ・・・

    パイロットの夢を断たれた空井くんが、広報室に移動になり新たな一歩を踏み出していくが、どこか仕事を淡々とこなしているだけ。
    夢を断たれたとき、やっぱり感情を吐き出せないのは辛い。自分が自分でないようで・・殻に閉じこもったままのようで。
    空井くんが、リカの前で泣けたこと、感情を出せることができたこと、そして、本当の新たな一歩がはじまり、自分の居場所を見つけれたこと。
    第1章にして涙、涙。

    その後の空井くんの活躍、まわりの人たちも素敵な人ばかりで
    読了感の素晴らしい本でした

    自衛隊の方々には本当に頭が下がります。

    • HNGSKさん
      noboさん、こんにちは。
      空井君が、リカの前で「俺は足りてたんだよ!!」といって、泣くところ、私も泣けてきました。
      そして、鷺坂さんの男前...
      noboさん、こんにちは。
      空井君が、リカの前で「俺は足りてたんだよ!!」といって、泣くところ、私も泣けてきました。
      そして、鷺坂さんの男前っぷりにも、泣けました!!
      2013/02/04
    • まろんさん
      noboさ~ん、素敵な本でしたね!

      小さい頃からの夢だったパイロットを、自分には全く非のない事故で断たれた空井くんが
      断腸の思いで夢をあき...
      noboさ~ん、素敵な本でしたね!

      小さい頃からの夢だったパイロットを、自分には全く非のない事故で断たれた空井くんが
      断腸の思いで夢をあきらめたあとの、あの頑張り!
      自分の操縦でブルーインパルスを飛ばせなくても
      広報室の中から、今できる仕事をして、飛ばすんだ!という彼の姿勢に励まされて、
      よ~し!私もがんばらなくちゃ!という気持ちになりますよね(*'-')フフ♪
      2013/02/04
    • nobo0803さん
      ayakoo8000さん

      出てくる人達、みんな素敵ですよね。
      リカが空井くんの頭をそっと撫でるとこが、好きです。ラストで、空井くんがリカの...
      ayakoo8000さん

      出てくる人達、みんな素敵ですよね。
      リカが空井くんの頭をそっと撫でるとこが、好きです。ラストで、空井くんがリカの頭を撫でるのが、またいいんですよね〜

      まろんさん

      ほんとに頑張ろうと思える作品ですよね(*^^*)
      空井くんに、励まされます。
      頑張ってる姿が素敵です。
      2013/02/05
  • 文庫化を待てずに読んでしまった。

    有川さんの自衛隊三部作に始まり、自衛隊はなんでこんなにも協力的なんだろうって不思議に思ってた。
    その答えがあった。目から鱗が落ちる思いだった。

    自衛隊は理解してもらわないといけない。
    無理解があるということも内包して。

    それはなんて、美しく真っ直ぐで力強い志なんだろうかと思った。
    そんな人たちに私たちは守られている。

    実際の空飛ぶ広報室の人たちにとって、自分たちにスポットライトが当たる物語が執筆されることはもちろん、
    より多くの人の目に触れるドラマ化は悲願だったんだろうなと、
    片山一尉や、鷺坂室長の言葉で想像がつく。
    自衛隊の人、張り切ったんだろうなぁって思うドラマ見たいなぁ。

    実写映画化された「図書館戦争」と同じタイミングで「空飛ぶ広報室」がドラマ化された。
    専守防衛が基本である自衛隊と、守るためにある図書隊。
    二つはちゃんと繋がっている。

    • 円軌道の外さん

      はじめまして!
      フォロー
      ありがとうございました(^O^)

      兵庫県に住む、
      猫と映画とロックと活字中毒な
      プロボクサーで...

      はじめまして!
      フォロー
      ありがとうございました(^O^)

      兵庫県に住む、
      猫と映画とロックと活字中毒な
      プロボクサーです。


      コレはまだ未読だけど
      個人的に今、有川さん強化月間につき
      近々トライしてみたいと思ってます。

      それにしても有川さんは
      どんな難しく重いテーマであっても
      スルリと読めてしまうし、
      エンタメにしてしまう
      その確かな実力には
      ホンマ脱帽です。

      次はどんなテーマに挑んでくれるのか
      また楽しみですよね。

      これから何かと
      レビュー等参考にさせてもらいますんで、
      今後ともよろしくお願いします(^_^)

      コメント頂ければ
      必ずお返しに伺います☆

      2013/06/25
  • 人気の作品で、ようやく順番が回ってきた。

    航空自衛隊の広報室に所属する空井とTV局のディレクターのリカ。
    広報室の密着取材を通して、頑なだったリカの態度も変化し、空井の心に抱えた辛さからも徐々に解放されていく。
    2人の仕事ぶりや成長、周りの人たちの抱える問題を解決しながらストーリーは展開される。

    丁寧に取材をして、関係者に話を聞いて本に仕上げたんだろうな。あとがきからも有川さんの強い意志が感じられた。
    人物の描写も広報室の部屋の様子もとてもリアルで、まるで映像を見るように浮かんでくる。
    ドラマのようにスポットが当たる人が次々変わり、登場人物の持ち味がクローズアップされる。
    どの人にもそれぞれの良さがあり、広報室の面々の誰もが愛おしい。

    自分周りの人たちに、こんなに温かな目を向けてきたかと、
    信頼して認めてきたかと、つい自分を振り返ってしまう。

    大人になると、面子や遠慮、先回り、誤解、照れ、いろいろあり過ぎて素直になれなかったり、触れないように回避したり。
    却ってややこしくなるばかり。

    「傷つけちゃったらごめんなさいしかないだろう?」と鷺坂室長。(P380)
    絡まった糸を解きほぐすには、こんなシンプルなことが大切なのにね。

    自衛隊についてだけでなく、知らないことに対してつい辛口になりがち。
    知る、理解する、心を寄せる。
    努めたいものです。

    • koshoujiさん
      あけましておめでとうございます。

      この本、昨年秋に予約して、ようやく再来週ぐらいには借りられそうです。
      評判も高いので、楽しみにして...
      あけましておめでとうございます。

      この本、昨年秋に予約して、ようやく再来週ぐらいには借りられそうです。
      評判も高いので、楽しみにしています。

      仙台のお正月は毎日雪が降り、
      朝晩の冷え込みが厳しい日が続いています。

      今年もよろしくお願いします。
      2013/01/04
    • nico314さん
      koshoujiさん

      あけましておめでとうございます。
      こちらこそ、今年もよろしくおねがいします。

      きっと待った甲斐があります...
      koshoujiさん

      あけましておめでとうございます。
      こちらこそ、今年もよろしくおねがいします。

      きっと待った甲斐がありますよ!!
      ただ、他のことに時間を割くことが出来なくなっちゃうかも?!

      大みそかから良い天気が続いていて、カーテン越しに陽射しを受けながらのんびりと読書三昧の休暇を過ごしています。

      雪が降っても、晴れていても、
      暖かい部屋のから外を眺めながらの昼間の読書は、日常のせわしさから逃れることが出来ますね。
      2013/01/04
  • ストーリーは航空自衛隊の新米広報官の成長と愉快な仲間たち(爽やか恋愛風味) って感じで、いつものようにあっという間に嵌まってしまいました。

    そして、改めて心から思いました。
    彼らに守られている私たちは、本当に幸せだと。

    たくさんの方に、このお話を読んでもらいたいと思いました。

  • 自衛隊の一つの活動への餞(はなむけ)。
    3.11以降の災害復旧で活躍した。
    そのために出版を1年遅らせたとのこと(P460引用参照)

    1 勇猛果敢・支離滅裂
    2 はじめてのきかくしょ
    3 夏の日のフェスタ
    4 要の人々
    5 神風、のち、逆風
    6 空飛ぶ広報室
      あの日の松島
      あとがき

    自衛隊の活動の一端を、最後の付録で示している。
    有川浩ならではの切り口で。

    広報に焦点を絞ったのは「ラブコメ今昔」の「広報官,走る!」でもおなじみ。
    空自の話題は「空の中」でもおなじみ。

    有川浩の平衡感覚がすごい。自衛隊の実情と人間としての恋愛感情をうまく均衡させている。

    「バランス感覚」という話題がでてくる。(P75 引用参照)

    勇猛果敢・支離滅裂:空自
    用意周到・動脈硬化:陸自
    伝統墨守・唯我独尊:海自
    高位高官・権限皆無:統幕
    優柔不断・本末転倒:内局
    浅学非才・馬鹿丸出し:防衛記者会

    有川浩の平衡感覚が、現代の状況を抜け出す切り口を示しているかもしれない。

    人によって涙するところ、馬鹿にするところが違うかもしれない。
    ベタ甘が嫌いな人で,自衛隊が嫌いな人はいくらでも突っ込んでもらえばいい。

    有川浩三段論法(p.421引用参照)
    1 言葉に傷つく
    2 気持ちを切り替える
    3 信じて積み上げる

    誹謗中傷をネタに、もう一本書いてもらえるから。
    どんな誹謗中傷も、新しい作品への想像力を掻き立てる源泉にしかならない。

    父の後を継ぐ娘という話題は、前作にも出てくる。
    一部の人から批判されたのかもしれない。

    マスメディアでやらせじゃないかという批判として記述し、
    やんわり仕返しをしているところが大人だと思う。

    今,自衛隊に餞ができるのは有川浩だろう。
    平時と有事の違いを際立たせるためには、もう少し書き足して欲しいかもしれない。

    続編でも短編の一部でもいい。
    「どう考えてもベタ甘」の「続き」を希望する。

    ps
    付録の「あの日の松島」を主題にした覚え書き
    http://researchmap.jp/kaizen/Gambarou-Tohoku/

    ps2.
    参考文献が広報関係だけで自衛隊関係がないのが寂しい
    http://www.amazon.co.jp/lm/R1523NDSZQQSMG/

    ps3.
    花丸一ついただくごとに、追記,訂正などをさせていただいています。

  • 良かった。
    読みやすかった。
    東日本大震災のことに触れていたことがビックリ。

    自衛隊のことを知ってたけど、確かに自分が決めたんじゃなくても批判される対象になってるよね。
    残念なことに。
    仕事柄仕方ないって割り切れないよね。
    気持ち、わかります。

  • ここまで、立て続けに有川作品、読んできました。

    娘がはまってて、正直こどもの読み物と思ってた有川ワールド。

    しかし、読んでよかった。読み終わるのが惜しいって、久し振りに思えた。

    現実はこんなに綺麗で、誠実な世界じゃないかも、だけど。いや、だからこそ。

    小説に綺麗事がなくて、どこに綺麗事がある!

    物語で、温かくなれなくて、どこでなる!

    空井くんが、涙を流しながら、新しい世界を受け入れたように、現実は辛くて泣きながらでも、世界を温かく迎えたい。
    せめて、物語のなかでは、穏やかな気持ちでいたい。

    そんな大人が読める有川ワールドです。

  • 作家有川浩はやっぱりすごい!
    ベタ甘ラブコメでメロメロにされるような小説を書くかと思えば
    航空自衛隊をテーマにした空飛ぶ広報室のような小説で胸を鷲掴みにする。

    憲法9条をめぐる自衛隊論議はその時々で話題に上り、答えのない論争を繰り広げる。

    この本の中で稲葉リカは陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を「陸軍」、「海軍」、「空軍」ということが間違いであるということに初めて気付く。
    それぞれ、「陸自」「海自」「空自」という。
    さらに駐屯地と基地の違い等々・・・
    でも、そのことを知っている人はどれくらいいるだろう。
    私は考えたこともなかった一人だし、普段「自衛隊」という言葉を発することもほとんどない。
    それは裏返せば興味を持ったことがほとんどないと言うことに等しいことだと、この本を読みながら思い知らされた。

    自衛隊に関しては色々な意見がある。
    そのことで「答えのない問題」と自分でも気づかぬうちに心の奥底で思っていたように思う。
    無意識のうちにそのことを盾にして「知らなくてもよいこと」と大きな勘違いをしていたことに今更ながら気づかされたような気がする。
    近隣諸国との緊張した関係。
    時には恐怖や憂いを感じさせられることもある今日この頃。
    無意識に私たちは守られるものと思っていた。
    でも、それは違うんだなぁ・・・
    守ってくれる人がいて初めて守られているのに・・・

    自国のことを十分知ろうとしていなかったと言う事実を突き付けられてしまった・・・
    そんな思いが今ある。

    重いテーマを突き付けられはしましたが、「空飛ぶ広報室」はとても楽しめる本でした。
    不運な事故でパイロットの道を閉ざされ航空幕僚監部広報室に移動になったた空井大祐、報道から不本意な移動となったTV局ディレクターの稲葉リカ。
    「なりたかった」のに「なれなかった」二人が「失ったんじゃなく、新たに得た」と思えるようになる。
    そんな姿に感動でした。
    本来なら2011年夏に出版される予定だったこの本は2012年夏に延期されました。
    そして書かれた「あの日の松島」には思わず涙が・・・

    航空自衛隊のHPをググってみたら・・・
    その名も【空飛ぶ広報室】でした!
    もちろん有川浩さんの小説からその名をいただいたそうです。

  • 思い込みで、空井大祐=錦戸亮で読み進めてしまったけれど、
    彼はおもてなし課の方でした(笑)
    綾野剛はどうしても会津公のイメージになってしまう・・・。

    広報が舞台ということで、雰囲気もおもてなし課に近いけれど、
    扱っている自衛隊というテーマからか、こちらは少々甘さ控えめ。
    有川さんも丁寧に取材されたのだろうなという印象。

    大祐が泣き崩れる場面やあの日の松島では思わず目頭が熱くなる。

    自衛隊については、やはり3.11での献身的な活動を思い起こされるが、
    自分もまた、知識や興味の少ない人の一人だったので、
    この本を読んで良かったなと思う。

    それぞれの登場人物の抱えた悩みが、
    仕事や周りの仲間との関わりの中で、解決し成長していくのも楽しい。

    読後は爽やかで、勉強になりながら楽しめる作品です。

  • 『空飛ぶ広報室』は航空自衛隊航空幕僚監部広報室をテーマにした作品。
    こんなにも自衛隊のことを知らな過ぎたことに、ハッとさせられた。
    と共に、夢を絶たれても、部署が変わっても、空井、リカのように置かれた場所で、心を放ち空を飛べるんだと言う姿は、もがいても、くるしんでも、カッコいい!と思えてならない。

    大震災のことを盛り込んで、悲しみを紛らすには、誰かのためにやれることがあるだけ、自分たちはその悲しみの度合いを減らせる・・・と言うような内容のところは、本当にそうだと思った。
    誰かのために尽くせることって、それこそ自分のためにもなっている。

    余談だけど、去年、緩和ケア病院の庭からブルーインパルスを眺めたことを思い出した。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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