ここは退屈迎えに来て

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著者 : 山内マリコ
  • 幻冬舎 (2012年8月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022324

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ここは退屈迎えに来ての感想・レビュー・書評

  • 地方都市に住む10-20代の女子達の連作短編集。
    登場する女子たちのこじれっぷりが、とっても魅力的。
    そんな彼女たちの共通点は、椎名とのつながり。
    小学生の時から人気者、みんなの中心にいた椎名。高校を卒業した途端に普通の人になってしまい、今ではいいお父さん。
    各時代の椎名と、彼女たち。『ここは退屈』と思いながら、実は平和で幸せな時を過ごしていたんだなと、きっと思い返す日が来るのだろうな、と思います。

    さら~っと読んでしまったけれど、深かったです。
    もう一度読んでみたいと、終わった今、改めて思っています。

  • 単純に面白かった。
    R-18文学賞絡み(官能系)とは切り離して読んだ方がイイでしょう。
    自分は、ピース又吉「友達から同級生のその後を、聞いているような哀愁」という帯に惹かれて購入。
    中身は全八編からなる連作短編集。それぞれ異なる主人公による、陰の主人公、椎名一樹に絡んだエピソード達。それらが時系列を遡るように並べられています。
    インターネットの普及により、地方と都会の温度差は以前よりも小さくはなっているものの、地方の人間の、都会への憧れ、劣等感。地方の沈滞、閉塞感。地域ごとに細部は異なれど、大同小異。どの地方にいても、共感出来る部分はあるだろう。かくいう自分も、括り的にはUターン(都落ち)組。
    文章はネット世代特有の表現があったりと、全体的にサラッと軽い。また、その時代、時代の小ネタもなかなか効いている。
    個人的には、「アメリカ人とリセエンヌ」が一番好きかな。特にラストは二通りの捉え方出来るのよね。他に「地方都市のタラ・リビンスキー」はありがちなオチではあるが……。この3編目「地方都市の……」で前半の勢いから少しシフト。シフト後の方が自分は好み。
    さて、「友達から同級生の……」というのは少し共感出来たが、「哀愁」……はどぅかな。どのエピソードも「哀愁」というには甘酸っぱ過ぎんじゃない。
    コレも、オーヴァー40のオッサンに薦められる1冊ではないな。アラサー女子のオヤツ感覚の読書には、イイかも。

  • これ好きな人は『ヤング≒アダルト』って映画も好きだと思うし、『ヤング≒アダルト』好きな人は、これ気に入るのではないかと。。。

  • ロードサイドで戦う女子たちへ、当時そんな帯がついていたと思います。
    ハードカバーなんだけどおしゃれでどこかうさんくさく感じる表紙に一目惚れして購入しました。
    東京ではない、どこか画一化されたある地方での話。短編集なのでどこから読んでも楽しめるけども、全ての話にある人物が様々な視点で登場します。
    ああ~いるいる、こういう人!!そんな感想を必ず抱くと思います。
    そして出てくる戦う女の子たちに、共感の嵐。わーあなたも分かるし、あなたも分かる!私もおんなじ気持ち!と、ちょっと仲のいい女友達の話を読んでいる感覚。
    戦ってるのは私だけじゃないんだ、と少しだけ後ろを向きそうなときに読みたい本です。

  • 私は東京出身で、地方に住んだこともないけれど、少なくとも日本に住んでいる女の子はみんな共感出来るのではないだろうか。
    ドラマチックなことが起こるわけでもない日常。上辺だけの対人関係。全てがめんどくさく、どーでもいいのだけれども、愛おしい自分の人生。
    あーわかるよその気持ち、あーわかるーそういうのあるー。
    読めば読むほどあるあると思い、たまに涙が出るほどではないけれど、鼻の奥がツンとする物語。
    今、この年で、この環境にいる時に読めてよかった一冊。

  • 元々都心部出身で一人暮らしも経験なく結婚したせいでこのリアルさを実感はできない、が リアリティなのだろう、とは思う。

    なんとなくミニシアター上映の映画になりそうな雰囲気。椎名は誰かな…綾野剛あたり?オダジョーでは未だにかっこよすぎるし。

  • 2015.10読了。

    もっとできるはずの自分、特別なはずの自分、何者かになれるはずの自分。
    少し前まで自分だってそうだった。いや、今もか?
    そういう経験をたくさんして女子は大人になる。

  • 私は生まれてからずっと東京に住んでいる。
    だから、田舎の子が考えてることは、分かるけど、本当に理解することはできなかった。

    中学の頃は、平凡な社会人になりたくなくて、所帯染みたおばさんにもなりたくなかったのを思い出した。
    でも今、わたしは平凡な社会人になりたいし、結婚をして子供も産みたいと思ってる。
    本にもあったとおり、多くの人がどこかで人生のレールを直されていくのかもしれない。
    だからこそ、もう一度、あの頃の自分が思ったことにまた挑みたいと思った。

  • 地方を礼賛するでもなく、唾棄するでもなく。
    たぶんこれが、そのどちらかの視点に偏っていたとしたら、ここまでおもしろくなっていなかっただろうと思う。
    どんな場所に生まれたか、どんな青春を過ごしてきたか、いまどこに暮らしているのか、それによって好き嫌いは別れるだろうけど、
    少なくともこれを読んで「特に何とも思わない」という人とは、僕は友達にはなれない気がする。

    固有名詞の使い方が絶妙だと思った。
    鬱屈とした田舎の空気感と微妙な「ひと昔前」感とが行間に満ちて、ページの間から流れ出してきて、
    まるで高校生の頃の、地元の田んぼだらけの道を歩いた時の土の匂いがするようだった。
    田舎っぽい言葉遣いはしていないのに。
    良い小説っていうのは、そういう「空気感」がちゃんと書かれているもののことを言うんだろうな、と思ってみたりした。

  • あるある感はあるけど、なんかリアリティのない田舎。
    よくわからないけど、なんかちぐはぐな感じの田舎だなと思った。

  • とても面白かった。リアルでぐさぐさくる。

    「やがて哀しき女の子」の、あかねと南の会話がえげつないんだけどリアルで最高。
    夢を見ながらも現実を見るようになっていく二人。

    あと、1話めも好き。椎名みたいな男の子っているよね。

    読んだきっかけ:FMヨコハマの「books A toZ」で北村浩子アナウンサーが紹介していて気になったから。

  • どこかに行きたい自分を、特別じゃなくても何かが欲しかった自分を思い出した。
    気だるい日常の中でも、人は人なりにキラキラしたものを求めてる。

  • 「郊外論」を物語化したケータイ小説のその後という印象で、よく出来てると思った。が、基本的には対象読者は著者と同じ地方出身のアラサー女子なのだろう。東京出身男の自分には社会学の新書を読んでいる感覚であり、それはそれで楽しめたが、そういうのに興味がない人にはあまり面白くはないのかもしれない。
    短編が多いせいか、総じて人物描写が浅く、良くも悪くも固有名詞が頼りなので、状況や設定が似ている人は理屈抜きで共感するだろうが、そうでない人はなんだかよくわからない作品になってしまう可能性はある。
    ここに描かれているように20世紀までは地方の閉塞感というのはあったのかもしれないが、ファスト風土化により物質的には地方も東京もあまり変わらなくなってるので(ちなみに私の地元の江戸川区にはスタバはない)、地方・都会というのは精神的なものでしかなくなっているような気はする。(旅先で遭遇する巨大ショッピングセンターは東京人を圧倒する)
    という点においては、この種の固有名詞小説は20世紀の記号消費論的な古臭い小説とも言えるわけで、もうコレ以上使うのはキツイだろう。
    いろんな意味で次作が楽しみでもある。

  • 田舎の中学から都会(と言ってもちょっと大きい近郊の地方都市だけど)の高校に進学した時の全てから解放されたような爽快感を思い出した。
    十代のこれからなんでもできる!と言うようなテンションの高さもあり、アラフォーアラサーのくたびれた物悲しさもあり。くすぶっている人達を描いているのに毒を感じさせないフラットさがあって読みやすい。
    短編に共通して登場する椎名という男の子は、「桐島、部活やめるってよ」の桐島のイメージと重なる。桐島も高校を卒業して大人になったら、あの頃の輝きみたいなものは失われて、周りはちょっぴり失望しつつ、でも、彼と思い出話に興じたくなるような存在になって行くのかもしれない。
    昔椎名に心惹かれた女の子達は、彼にかつての輝きがないことはわかりつつ、彼にとっての特別になりたい、という思いを失わない。中学高校の鮮烈な記憶って、そういう力を持っているのかもしれないな。
    読後感がいいのは各短編の配置順によるものもありそう。逆だったら全然違うことになっていた気がする。
    特筆すべきはタイトルの秀逸さ。それぞれの物語に共通するテーマを見事に言い当てている。

  • 大人になって分かること。。。

    「それにしても十六歳なんて、鼻で笑っちゃうぐらい若い。年を取れば世界はより神秘的でなくなり、こだわりや畏れは消え、どうでもいいやと割り切ることもできるようになる。」

    ブックオフ、TSUTAYA、ユニクロ、ゲオ、スタバ、ジャスコ。。。この小説に出てくる地方都市に暮らす若者のコミュニティと彼らの性格感は、日本のどの地方都市でも同じかもしれない。ふと、そんな気がした。

    山内マリコの処女作。

  • 特別大好きな人がいるわけでもないのに結婚したい。彼氏が欲しい。
    その欲が満たされると、新しい愚痴が出てくるものの、
    安定した落ち着いた自分になれる。
    相手が誰なんてこの際関係ない。相手がいるということが重要なのだ。
    そういうのって、女だけなんだろうか。

    男なんて生き物に興味はないし、自分は特別でいつもキラキラしている。
    他の人とは違う。
    そういう幻想が、年齢とともに壊れていくのは女だけなんだろう。

    自分の中にもうひとりの自分を住まわせているのが女子だ。
    アメリカ人だったり、フィギュアスケーターだったり
    「普通」とは違う特別なもうひとり。

    ここじゃないどこかへ。
    汗臭かったころのあの人。
    女はいつも、手の届かない場所を見ている。

  • 共感する部分が多かった。ルーズソックスにバーバリーのマフラーにKinKi Kidsにあったあったって思った。

    20代後半ってこんな風に言われてしまうのか。。。と苦しくなる。

  • 東京とそれ以外。それ以外の方の話。地方都市の閉塞感をそれとなく巧みに描いている。
    椎名という男を縦軸に置いてその周辺の女性たちの話を過去に向かって積み重ねていく進め方が面白い。しかも椎名は居てもいなくても良い(^^)
    タイトルの付け方と装丁のセンスも良い。

  • 『ヤンキーとファンシーが幅を利かす』地方都市で、窒息しそうな女の子たち。主役じゃないけど8話すべてに登場する椎名くんの、微妙に残念な感じがイイ。面白かった。中身とタイトルと表紙の写真がばっちり合ってる。

  • 地方出身で都会に憧れを持つ女性たちの鬱屈した日常を描いた短編集。どの章にも「椎名」という男が出て来ますが、こういうキャラを出してくるところが絶妙。田舎あるある、というか、なんというか…ある種の偶像崇拝。椎名を通じて、女の子たちの憧れや退屈さが手に取るように伝わってくる。
    私は東京からそう遠くない地方都市出身なのですが、高校時代はここに出てくる女の子たちみたいなことを毎日考えて過ごしていたので、否が応でも「わかって」しまう。のっぺり感が。
    『ここは退屈迎えに来て』というタイトルが本当に秀逸で、全てを物語ってる。ヒトは環境で変われるようで、変われない。

  • とある地方都市。閉ざされた地方での生活に鬱屈を感じる女子たち。東京でのライター生活にピリオドを打った人、モデルとしての成功後、それからが続かなかった人、大学のある大阪で地味なアメリカ人と友達になった人、援助交際に励む人、16歳の一年間、昏睡状態に陥った人。「椎名」という男とそれぞれ何らかの関わりを持つ彼女たちの、飾らないありのままのリアルな日常が伝わってくる。
    どうも自分は小説にリアルさを求める傾向にあるらしい。それ分かる!みたいな。そういう意味では面白かったけど、自分(性別は違うけど)に照らし合わせるとなんだか切なくもなった。
    田舎に留まることと同じように、大多数の人にとっては東京にいることもまた同じように薄っぺらいものに違いない、とも思う。東京では"フリ"をしてるだけ。充実してなくても東京という街のおかげでそれなりにサマになるというか。充実している"フリ"だったとしても、それで自己満足できて、しかも田舎に残る人たちから羨ましがられればそれでいいじゃない。そんな風にも思う。
    自分は今27歳になったばかりで、「もう27歳だ」なんて思ってやや焦りを感じているんだけれど、37歳になったらもう37だ、27なんて若かったなんて思うだろうし、47になってもまた同じことが繰り返されることなんて容易に想像がつく。つまり、今しか生きられない。その今が、なんとも閉ざされた環境にある。若い自分にはそれに耐えられない。何か大切な時期に大切なものを逃しているような。この小説の若者たちのリアルな姿は、だからどうした、なんだけど、ありのままをありのまま伝えてくれていることだけでもなんだか救われる気がするのだ。

  • なによりタイトルがいい。このタイトルに全て含まれてるわ…。
    辻村深月の「ゼロハチゼロナナ」もそうだったけれど、田舎の女性が感じる焦燥感や閉塞感でいっぱいで、凹んでる時に読んだら泣いてたな…。

    田舎から都会に出たら自分が注目していたものがさも当たり前に知られていたり…とか、もうざわつかせるもので目一杯だった。
    「十六歳はセックスの齢」が凄く好き。自分はこんな高校生ではなかったけれど、こういう高校生は居たよ。

  • 地方都市に生まれた女の子たちが主人公の短編集。

    地方都市独特ののっぺりした生活感。それに辟易しながらも馴染んでいって、結局それで落ち着いていくような生き様。


    同じ「地方ガール」として、読みながら、自分のいる世界を客観的に見ることができた。こんな風なことを思ったり、経験している人が他にもいるのだな、と。それがわかってよかった。

    他にも日常についていろんなことを考えさせられました。

  • 地方都市に住み、あきらめや切なさを抱えて大人になっていく女の子たち。その中心で輝いていた男子、椎名。椎名を軸に、女の子の本音や葛藤が語られていく。私自身東京の大学を出て田舎に戻って就職したので、出てくる固有名詞や女の子のため息にひとつひとつ頷いてしまう。女による女のためのR-18文学賞をとったとか、正直表紙を見るともっと性に自由奔放な女の子が出てくるかと思いきや、皆つまらない日常に腐り、どこかにまだ捨てきれない理想を抱えて暮らしている。その等身大の姿に共感を覚える。人生、やっぱこんなもんだよなあ、と思う。決してハッピーエンドではない。その読後感は爽やかでないが、何となくなぐさめられたような温かさもあって。しばらく会っていない自分の同級生も、こんな風に暮らしているんだろうか、と主人公のように懐かしい名前をググってみたくなった。

  • 2012.12.28読了。

    あーわかる!この気持ち♡って話がたくさん詰まった地方ガール小説。

    特に「東京、二十歳。」とか「十六歳はセックスの齢」とか。

    中高のときに輝いて見えた男の子の、大人になって会ってみたらオーラも何もない田舎のおっさんになってるがっかり感(笑)

    ここ(田舎)は私の場所じゃないって思って上京したものの、右も左もわからず戸惑う感じ(笑)

    処女喪失、セックスへの興味が半端ない高校時代(笑)

    どれもわかるー(笑)って何度も思いながら読んだw
    鬱蒼とした田舎での暮らしの描写やそれぞれの女の子たちの気持ちが面白かったし、斬新だった。

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地方都市に生まれた女の子たちが、ため息と希望を落とした8つの物語。
フレッシュな感性と技が冴えわたるデビュー作は、
「R-18文学賞」読者賞受賞作「十六歳はセックスの齢」を含む連作小説集。

ここは退屈迎えに来てのKindle版

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